【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.1】UCT鍼灸院・糸賀 裕さん流!柔道整復師・鍼灸師の手技&技法#3
「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく「もっと知りたい!ヘルスケアのお仕事」の企画。今回は「柔道整復師」と「鍼灸師」の働き方をご紹介。
ご自身で開業した「UCT鍼灸院」で柔道整復師・鍼灸師として働く糸賀 裕さん。前回は糸賀さんがこの道を志したきっかけや、未来の柔道整復師・鍼灸師に向けたアドバイスをお届けしました。今回は糸賀さんの手技にフォーカスし、実際に院で行われている施術を教えていただきました。
事前チェックで体の状態を見極め、オリジナルの施術を提案
―UCT鍼灸院ではどのような施術を行っているのですか?
基本的に怪我や症状の予防・再発防止のための施術をメインに行っています。僕の院に来てくださるお客様の多くは「当たり前にできていたことができなくなった」「将来、こんな風にはなりたくない」といった不安や悩みを抱えていらっしゃる方が多いです。僕はそれらの課題を払拭するための体づくりのサポートをしています。
通ってくださっているお客様の層は40~60代の女性が最も多いですが、20代からお年を召した方まで、本当に幅広い年齢層のお客様をサポートさせてもらっています。皆さん共通して体への意識がとても高く、セッションの回を重ねるごとに体の状態がどんどん良くなっていっています。
―UCT鍼灸院での施術の流れを教えてください。
初めて来院された方は、はじめに体の状態をチェックさせてもらうところからスタートしています。その際に僕が重点的にケアが必要になりそうな箇所を見極め、その後施術へと移ります。施術が完了したら再度チェックを行い、体の変化をお客様自身に実感してもらう流れをとっています。今回は、慢性的な腰痛持ちの方へ向けたアプローチテクニックを例に詳しいやり方をお教えしますね。
事前チェック
【STEP1】足を肩幅に開いて立ちます。片手を上げ、そのまま膝を曲げずに下ろしている手のほうに向かって体を倒します。
【Point】体を傾けた側の足に重心をかけ、腰をしっかり曲げましょう。
こんな人は、慢性の腰痛持ちの可能性が…!【NG】体が硬くて反ることができない【NG】体が横ではなく前に反ってしまう
【STEP2】STEP1と同様に足を肩幅に開いて立ちます。膝を曲げずに上半身だけで左から後ろに振り返ります。どこまで振り返ることができたか、周りの景色を目で記憶しておきます。右側も同様に行います。
こんな人は、慢性の腰痛持ちの可能性が…!【NG】振り返ることができない、振り返ろうとすると膝が曲がってしまう
糸賀さん流・施術メソッド
1.被術者の腰の付け根のあたりを親指でおさえるようにして両手を置きます。そのままフラダンスのようなイメージで被術者を10秒ほどゆらします。2.右腰の脊柱起立筋の外へりのあたりに1と同じように両手を置きます。そのまま被術者には、ゆっくり息を吐きながらできるだけ右に倒れてもらいましょう。これを3回繰り返します。反対側も同様に行います。
施術者の手はこのポーズ!相手の体を掴まないよう、手はL字型をキープして施術を行います。3.被術者のベルトラインの位置に両手を置き、腰の位置が動かないようにしっかり固定します。被術者にはSTEP2と同じように上半身を使って後ろに振り返ってもらいましょう。
施術者の手はこの位置に!
施術後チェック
施術メソッド完了後、再びSTEP1と2を行い、施術前と比べての体の変化をチェックします。
施術を受けた後に再びSTEP1.2を行ってみると、はじめのチェック時と比べて見える景色や体の動きが格段に変わっていて驚きました! 施術も糸賀さんにサポートしてもらいながら自分で行うセッション形式になるので、運動の延長線上のような感覚で楽しめました。UCT鍼灸院では自宅でできるストレッチなども教えてくれるので、自宅や会社での空き時間を使って進めることもでき、自然と健康意識も高まりそうですね。
取材・文:小沼奈央(レ・キャトル)
撮影:石原麻里絵(fort)
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【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.1】UCT鍼灸院・糸賀 裕さんが柔道整復師・鍼灸師を目指したきっかけ#1>>
教えてくれたのは…
UCT鍼灸院代表 糸賀 裕さん
柔道整復師。鍼灸師。都内フィットネスクラブでトレーナーとして10年間指導、スイミングインストラクターとして3年間指導を経験後、「UCT鍼灸院」を開業。双方の資格とトレーナーとして働いてきた経験を生かして独自のスタイルを展開。ダイエット指導だけなく、サッカー・水泳・マラソンなどのさまざまなスポーツ選手をはじめ、歌手、役者などの体のコンディショニングも担当。