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ヘルスケア 2022-02-18

「僕みたいな人を減らしたい」心・技・体で成功する整体師に!【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.51 格闘家整体師 nobu先生 #2】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

前回に続き、「格闘家整体師」としてTikTokやYouTubeで人気急上昇中のnobu先生にインタビュー。ケガの後遺症に悩み、さまざまな治療を経験したものの改善されなかったnobu先生は、「自分でなんとかしよう」とヘルスケア業界に入ったそう。

治療家として働き始めた後も納得のいく施術に出会えない日々が続く中、ついに「関節トレーニング」により痛みをぶり返さず改善することに成功。それからは「関節トレーニング」の普及に尽力しています。

中編では、そんなnobu先生がお仕事に感じている魅力と、整体師を目指す人へのアドバイスについてお聞きします。

お話をうかがったのは…

格闘家整体師 nobu先生

鍼灸師/柔道整復師の資格を持ち、整骨院や整形外科で3万人以上の施術を経験。現在は、格闘家やトップアスリートから90歳以上の高齢者まで幅広く施術。一般社団法人 日本身体運動科学研究所の理事として、『関節トレーニング』の技術を広めるため、多くのセルフケアテクニックをSNSで公開している。
Instagram/@nobu.639
Tik Tok/セルフケア教室nobu先生@nobu639

痛みに悩むあの頃の僕が出会えなかった存在に、僕自身がなりたい

いわゆる「治療院難民」だったというnobu先生

──nobu先生がヘルスケアのお仕事に感じる魅力、やりがいを教えてください。

一番のやりがいは、セルフケアを伝えることで感謝されること。僕の技術や経験したこと、持っているものをお渡しすることで、その人の未来が開けていくというのが、すごく嬉しいですよね。

体の悩みが解消されると、ストレスが減るじゃないですか。僕自身、痛みに悩み続けてずっとストレスを感じてきましたが、その悩み続けた時間って無駄というか…。ストレスや痛みがなければ、やりたいことができただろうし、治療にかけた時間も別のことができたはず。僕の場合は、そのために学校に5年通ったりもしたので(笑)。全部、早い段階で痛みを改善できる人に出会っていたら、必要のない時間だったわけですから、もったいないですよね。

だから「僕が学校に入る前に出会いたかった人」になりたいという気持ちがあるんです。誰かにとってのそういう存在になって、その人の人生をより良くしてもらいたい。「僕みたいな人を少しでも減らしたい」という気持ちが、やりがいにつながっていると思います。

──つらい経験を糧にされているんですね。

そうですね。それがあったから、こういう人生になったというか。今思えばですけど(笑)、実りがあってよかったです。

そういう経験があるから、痛みに悩んでいる人がいると、当時の自分と照らし合わせちゃうんです。だから投稿へのコメントやDMで悩んでいる人から連絡がきたら、できるだけ返信します。多いときだと1日何百通と来たりするので、返すだけでも大変ではあるんですけどね(笑)。僕を知ってくれたことが、少しでもいいきっかけになれば嬉しいですよね。

30歳からの転職…大切なのは一つの技術を突き詰めること

nobu先生がヘルスケア業界に転身したのは30歳。
そこから5年の学生期間を過ごしました

──大変だったことは?

この業界に入ろうと決めて、学校に入ってからは大変でした。最初は社会人と並行していたこともありますが、30歳を超えて新しい学校に入って、18歳くらいの子たちと一緒に勉強して…。学校も決められたところにしかないので、教科書をたくさん持って電車で1時間離れたところに通っていました。

片道1時間かけて行って帰ってきて、試験があれば勉強して、朝から仕事して午後は学校に行って…。会社を辞めたあとも、接骨院や整形外科でアルバイトをしていたので、そういう生活が続いた5年は大変でしたね。

──学生生活と仕事の両立は大変ですよね。学生1本にしなかったのは何故ですか?

生活があるというのもありますし、卒業後のことを考えると、少しでも経験を積んでおきたかったんですよね。客観的に見て、国家資格があるのに経験がない年上なんて、絶対面倒じゃないですか。せめて少しでも技術があって、少しでも早くスタートしたほうが雇われやすいだろうし、その後生きていく上でも必要かなと思ったんです。

──社会人になってから業界に入ろうとしている人にアドバイスするとしたら?

今だから思うと、ひとつの技術を突き詰めるというのが大事かもしれないですね。ちょっと噛んでやめるを繰り返していると、どうしても先がなくなってきます。「これだ」と思える技術に出会って、一度どっぷり漬かってみる。良いか悪いかの判断は、その後でいいんです。

一度突き詰めた技術は、絶対に裏切りません。僕も技術のおかげで、いろんな店舗に誘いを受けられました。だからまずは、1つの技術を追求して身につけて欲しいです。

「心・技・体」があれば、どこでもやっていける!

nobu先生は、3万人以上の施術経験で培った高い技術力をベースに
心と体を持ち続けることで成功を手にしました

──ヘルスケアをお仕事にするメリットは何だと思いますか?

まさに「手に職」なので、技術力があればどこにでも行ける仕事だと思います。極端な話ですが、今週でこの店を辞めようと思ったら辞められるし、違うところにもすぐに行ける。つまり「自分で自分の人生が選べる」ということ。

会社員時代は選ばれる側だったけど、技術を持つことで自分からも選ぶことができるようになったなと思います。技術があれば、今の時代ならSNSからいくらでも集客できますからね。

──nobu先生流「ヘルスケアのお仕事の心得」は?

心・技・体
「技」は技術力、「体」は自分自身の体のことです。体が悪くて思うように動かせないと、施術の効果は落ちてしまいます。そもそも不健康な人に体を見られたくないですよね(笑)。姿勢が悪い人に「姿勢をよくしろ」と言われても説得力がありませんから。僕も定期的に「関節トレーニング」を続けています。

「心」というのは、「自分はどうしたいのか」というところ。僕の場合は「僕みたいな人を減らしたい」という想いです。自分はどうしたいか、どういう未来を描くのかを明確にすることが最初にあって、それに対して技や体を作っていくんです。

でも、技があれば心もできてくるんじゃないかな。だから明確な「心」が見つけられないなら、まずは「これだ」と思う技術を突き詰めるところからでもいいと思います。全部つながっているので、どれかを疎かにせずに続けていくことが大切なんだと思います。
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多くの人たちの施術で培った技術力にくわえ、「自分みたいな人を減らしたい」という心、「関節マッサージ」で維持している健康な体が、現在のnobu先生のお仕事を支えているんですね。次回後編では、nobu先生が広めている「関節マッサージ」について、詳しくお聞きします。

取材・文/山本二季
撮影/石原麻里絵(fort)

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