ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2019-12-05

株式会社ルネサンス 代表取締役社長執行役員・吉田正昭|ルネサンスが社会から必要とされる企業になるためにしていること・すべきこと(後編)

「スポーツクラブ ルネサンス」の全国展開、企業・保険者・自治体などと連携している企業・地域支援、超高齢化社会を元気に過ごすための介護リハビリ支援など、「生きがい創造企業」としてさまざまな角度から健康で快適なライフスタイルを提案し続けている、ルネサンス。後編は、ルネサンスが取り組んでいる街づくりのことや人材育成、吉田さんご自身の生きがいについて、お話を伺いました。

「ルネサンス=スポーツクラブ」の常識をくつがえす生きがい創造のための取り組み

ルネサンスは、健康づくりや介護予防を接点として、地域の街づくりにも進出しています。

人口1万人ほどの鳥取県西伯郡伯耆町(さいはくぐんほうきちょう)と連携して取り組んでいる地方創生・過疎対策事業プロジェクトでは、今年9月に健康増進施設「みぞくちテラソ」をオープンし、地域住民に健康促進の機会とコミュニティ、そして就労の場を提供。

子どもからお年寄りまで世代を超えた交流イベントでは約500人もの町民が集まり、大盛況のうちに幕を閉じました。

なお、「みぞくちテラソ」はルネサンスが伯耆町で手掛ける支援事業の第2弾。第1弾は2017年4月に開業した「フィットネス&スタジオ パル」で、町民1万人に対して会員登録数500名、年間来場者は約32,000人を記録しています。

「日本のフィットネス人口(参加率)は、約4%と低い。これを伸ばすためには、従来のアプローチだけでは難しい。『生きがい創造』の理念のもと、伯耆町のプロジェクトしかり、いろいろな取り組みをしているんです」

若い世代へのアプローチとして2017年にオープンした新感覚スタジオ「CYCLE & STUDIO R Shibuya(サイクル & スタジオ アール 渋谷)」もその取り組みの一つ。圧倒的映像美の中でサイクルを楽しむ「VR Cycle」と音楽に合わせて本格的なトレーニングを行う「LIVE Training」の2つのワークアウトスタイルは、「爽快感があって楽しい」「ストレス解消になる」と好評です。

さらにVRとフィットネスを掛け合わせるだけでなく、結婚相談所・ツヴァイとコラボレーションし、婚活中の男女を集めたフィットネスイベントも開催しました。過去にはディスコ企画を立ち上げ、当時一世を風靡(ふうび)したジュリアナ東京の顔ともいえるダンサー・荒木久美子さん(通称:荒木師匠)を呼んだ「ディスコ風フィットネス」を開催し、会場に入り切れないほどの人を集めたこともあったそうです。

「フィットネスのノウハウを活用して、さまざまな切り口でいろんな方面にアプローチしていくことが大切だと考えています。特にフィットネスとコミュニティの掛け合わせは大きな可能性がある。ただ出会う、だと緊張するのですが、スポーツを通すとコミュニケーションがとりやすくなるんですよ。そういった機会はこれからもつくり続けていきたいです」

ルネサンスが求める人材像は「人が好きな人」

吉田さんは、スイミングスクールのコーチとしてフィットネス業界に入りました。スポーツクラブの営業、人事とキャリアを重ね、48歳のときにルネサンスに入社します。

「スイミングスクールでは、10〜20人の子どもたちに教えていました。そのときは当たり前といえば当たり前なのですが、自分がルネサンスの社長になるとは、想像していなかったですね。

水泳のコーチから店舗責任者になり、そこから営業部長をやらせてもらいました。その後人事に移ったときは、正直、不安でしたね。全く違う分野に飛び込むわけですから。けれど、キャリアを営業で終わらせていたら今の視野は持てなかった。違った経験を積むことで、人としての『ガタイ』が大きくなる感覚ですね。

フィットネス業界は横のつながりが強く、情報もオープン。以前の会社の部下が各社に点在していますし、切磋琢磨な風土がある業界だと思います。そして、本人の努力や気持ち次第でやりたいことができる。幅広いチャレンジができて経験を重ねられたからこそ今の自分があります。

また、少子高齢化の頭に『超』がつくようになった昨今、フィットネス業界はこれからさらに国や国民から求められる業界です。社会課題に対して挑戦したいと考えている人にとっては、やる気次第で先頭に立って活躍もできる場所なのではないでしょうか

ルネサンスが求める人材像は、「自分を高め続けられる人」。そして、何より大事なのは「『人が好き』なこと。

「そもそも、人が好きでなければ、『生きがい創造』は実現できません。といいつつも、実はスイミングコーチをしていた頃、私は人がそんなに好きではありませんでした。子どもたちを教えているうちに、コーチという存在の影響力の強さを知ってしまったんです。自分が思っている以上に子どもたちは自分を信頼してくれているし、自分がかける一言でその子のスイミングの『向き合い方』が変わってしまう。そういった経験を通して『人とどう向き合っていくのか』をすごく考えるようになり、結果、人が好きになっていきました。『自己研鑽していかなければ』と強く思ったきっかけでもあります」

やりたいこと・生きがいを見つける方法

ルネサンスでは、社員の可能性を広げるために多面的評価や業績を通じてそれぞれの社員をマッピングして配属をする仕組みを採っています。

「これから年功序列は社会全体でもなくなり、ある課題を解決するときには一番適任な人材が解決に当たるような環境になるはずです。そうした環境を考慮すると、やはりいろいろな経験を積んでいる方が優位。だから、例えば営業成績で優秀とされている人材を本社機能に転換するというような人事を行っています。

『やりたいことや生きがいが見つからない』という若い方の声をよく耳にしますが、それは決して悪いことではありません。生きがいを見つけるのは、そもそも時間がかかるもの。たくさんの経験を積むことで人間として縦と横の広がりが生まるので、見つからなくて当たり前なんです。

『可能性は無限』というと捉え方によってはどう踏み出してしていいかわからなくなってしまうかもしれませんが、まずは与えられた仕事を極めていく。そして、極め終わったら他の仕事にも積極的にチャレンジする。それを繰り返してキャリアを築いていけば、おのずとやりたいことや生きがいは見つかるはずです」

最後に、吉田さんご自身の生きがいについて、うかがいました。

「社員や役員たちとは普段から仲が良いですが、仕事に関しては高い要求もしますし、きついことも言い合います。ただ、それは私を含め各々が世の中に必要とされる会社としてルネサンスを成長させたいと思っているから、なんです。

私も今年で63歳なので晩年に差し掛かっていますが、きれいに終わるつもりはありません。あとどれだけ会社に貢献できるかわからないから、社員と一緒に勉強し続け関わり合いながら自分を高めつつ、社会に必要とされるルネサンスをいかにつくっていくかを追い求め続けたい。それが、当面の私の生きがいです。」

▽前編はこちら▽
株式会社ルネサンス 代表取締役社長執行役員・吉田正昭|人との接点の中に生きがいを見出す「生きがい創造企業」としての使命(前編)>>

株式会社ルネサンス

住所:東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア 3階
TEL:03-5600-5411(代表)
URL:https://www.s-renaissance.co.jp/

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事