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ヘルスケア 2023-11-20

否定から入らずにまずは向き合うことが、自分の専門分野が広がるきっかけに【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.121 パーソナルトレーナー 萩原智之さん】#2

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は、「ダイエットは今日だけのベストより毎日のベター」をモットーに、女性専門のパーソナルジム「Personal Bodymake Hagiwara」を経営する萩原智之さんにインタビュー。トレーナーになるまで幾多の苦難を乗り越え、独立して自身のジムを構えることができました。萩原さんはその後、「なりたい骨格になれるエクササイズ」が話題となり、一躍注目を集めます。ケア系のストレッチから着眼点を変えて「骨格」に着目することになった経緯とは?

前編は、萩原さんがトレーナーになり、独立するまでの経緯、独立をするために経験しておくと良いことなどを伺いました。後編となる今回は、「なりたい骨格になれるエクササイズ」を考案した経緯やそのエクササイズの詳細、トレーナーとして心がけていること、今後のジムの在り方などについてお聞きします。

お話を伺ったのは…
パーソナルトレーナー 萩原智之さん

茨城県水戸市にて、約2年間会社員として働いたあと、1年間アルバイトの経験をしたのち、都内のスポーツケアに特化した専門学校に進学。卒業後は、加圧系のトレーニングジムに就職。勤続7年目に廃業を受けて独立。現在は、「なりたい骨格になれるエクササイズ」を打ち出し、女性客から支持を集めている。

「なりたい骨格になれるエクササイズ」は、お客様との雑談から誕生した!?

骨格の違いが顕著に出るところについて萩原さんに伺うと、「例えば、骨格がナチュラルな人は呼吸が上手なケースが多い。ウェーブはお腹で、ストレートは胸で息をしてしまうので、不調や体型に差が出てきてしまうんです。それを解消するために、呼吸のエラーを改善出来るようなストレッチやエクササイズをベースに、お客様の目指す体型に少しでも近づけるように運動指導を行っています」。

――独立してすぐに、打ち出していたトレーニングについてお聞かせください。

ケアストレッチに特化したメニューを展開していました。スポーツ現場でのケア方法を学んでいたので、それを応用して体型に変化が出るようなストレッチも。がっつりトレーニングに取り組むというよりは、トレーニング前のストレッチに重きを置いているイメージです。今の「なりたい骨格エクササイズ」の前身とも言えます。

――その後、「なりたい骨格になれるエクササイズ」を打ち出したのですね。考案のきっかけは?

以前勤めていた加圧ジムに通っていたお客様が、ファッションの視点から骨格診断を勉強している方だったことがきっかけでした。

僕自身、ちょうどその話を聞いたときに読んでいた本が、呼吸とそれに伴う肋骨などの動きに関連した本で、親和性を感じました。僕自身、もともとファッションには興味がなかったので教えていただくまで知りませんでしたが、勧められて読んだ本が面白くて! それもそのはず、トレーナーとファッション業界の方が思う「骨格」への捉え方が全然違うようでした。

――例えばどのような違いが…?

僕が読んだ肋骨の本には、「呼吸によって肋骨の動きに癖が出て身体の厚みに差が出る」とあり、ある程度骨格を変えられそうな余地があるように書いてありましたが、ファッション向けの骨格診断では「骨格は変えられない」と断定された書き方がされていたんです。いろいろと資料や本を読んでみた結果、「骨格って変えられるのでは?」と思うに至り、「骨格」にフォーカスしたストレッチを打ち出してみることにしました

――エクササイズの考案はどのように?

読んでいた本にあるケアの方法を参考にしつつ、今までに自分が学んできたことに落とし込みました。体の動かし方はそのままに、分かりやすくて継続しやすいエクササイズメニューにしようと。それぞれの骨格の特徴を把握したうえで、お客様の要望に応えるトレーニングを提供しています。

――施術の特徴や指導の流れは?

特徴としては、まず体を動かす前にほぐすことからスタート。体のいろいろな部位のコリをほぐすことで呼吸の方法が変わり、今まで動いていなかった部位を動かせるようにします。そのあと、初めてエクササイズに移る流れです。

最初はお客様のお悩みを伺い、次に姿勢や呼吸の仕方を見ます。体を動かしますから、運動へのモチベーションや得意・不得意についても必ずヒアリングをし、無理のないトレーニングを目指しています

――では、「なりたい骨格になれるエクササイズ」を打ち出してから来客数は増えましたか?

増えましたね。以前打ち出していたトレーニングでも収入が安定していましたが、コロナ禍により一度落ちてしまったんです。でも、このタイミングで先述した「骨格」に着目するきっかけに恵まれ、だんだんと安定していきました。

トレーニングを「継続」してもらうためには、負担が少ないメニューからの提案が大事

トレーニングをするうえで必要なのは?「継続が大事。まずは簡単なほぐすストレッチから勧めています。1日5分、寝ているだけで良いんです。習慣づけられたら、どんどんアップグレードしていくイメージ。とっかかりとしてはハードルが低めのエクササイズが必要なんですよ」と萩原さん。押さえている背中の部分をほぐすことで、呼吸が楽になるんだとか。

――独立をしてみて、大変だと感じたことは?

やはりコロナ禍によって、お客様が減ったときはどうしようかなと。ようやく部屋の更新ができて、奥さんとの約束が果たせた!と思っていましたから、焦りましたね。

――どのようにして乗り越えたのでしょう?

オンラインセミナーに力を入れていました。さらに、リアルタイムで参加できない方も見られるようにセミナー動画をアーカイブに残して販売し、副収入を得ていました。

――お客様と接する際、どんなことに気をつけていますか?

トレーニングで大事なのは継続すること。でも、仕事や家事など日々の忙しさに追われながら完璧にエクササイズの時間を割くなんて無理と思う人も多いと思います。継続に必要なのは、そこのハードルを下げることです。忙しかったり少し体調が悪くても、「コレ」さえできれば満点、「コレ」なら継続できると思ってもらえるトレーニングの提案を目指しています

あともう一つ。女性をターゲットにしている面から不快感を与えないように細心の注意を払うことを忘れないようにしています。トレーニングを指導する際に、骨格メニューの中にはどうしてもデリケートな部位に手を添えなければいけないエクササイズもあって。初対面やあまり面識のない異性に突然そういった部位を触られるのは警戒しますよね。ただ、骨格を整えるために必要な指導ですから、できるだけ距離感を縮めてからしっかり確認をとって行うようにしています。

――お客様が快適に過ごせるための環境作りを徹底しているのですね。成功した秘訣は何だと思いますか?

トレーナーの中には「骨格が変わらない」と言われると、あまり良い印象を抱かない人もいます。僕の場合は、真っ向から否定せずに、興味を持って調べてみたことが良かったのかもしれません。自分の専門外だからと言って目を背けるのではなく、一度向き合ってみると新しい発見や可能性が見えることもあるのではないでしょうか。

話題を呼ぶトレーニングを武器にできた3つのポイント

1.自分が目指しているトレーニング・ストレッチケアをマスターして基礎を固める

2.興味のないジャンルにも挑戦して自身のメニューに組み込み、発展させる

3.負担の少ないメニューを考え、継続してもらえるトレーニングを提案する


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/生駒由美

Information

Personal Bodymake Hagiwara
住所:東京都新宿区西新宿8丁目19−1 小林ビル 811

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