ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2024-09-05

モットーは参加者に必ず「学び」のお土産を渡すこと【もっと知りたい! 「ヘルスケア」のお仕事Vol.158/mll yoga主宰 カワノミエコさん】#2

ヘスルケア業界のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

前編に続いて、ヨガインストラクターのカワノミエコさんにお話しを伺います。

前編ではヨガとは無縁の生活を送っていたカワノさんが、インストラクターの資格を取るほど魅力にハマったいきさつなどをご紹介しました。

後編では、カワノさんがヨガのレッスンでいつも心がけていること、銭湯や公園などユニークな場所でレッスンを行うようになったきっかけなどを伺います。

お話しを伺ったのは…
mll yoga主宰
カワノミエコさん

2021年に全米ヨガライセンスRYT200取得。2022年に南林間クラスと飯能クラスを開講する。2023年にオンラインクラスを立ち上げ、2024年にはご自身の教室のほかにフィットネスクラブで3クラスを受け持つ。

心も身体も変われる! だからクラスの始まりはヨガ哲学から

飯能では自然豊かな河原でヨガレッスンを不定期に開催。屋外のレッスンでは気持ちよさを優先してもらうようにリードしているそう。

――カワノさんのクラスは他のクラスとどんな差別化がありますか?

差別化は意識はしていませんが、身体を動かす前にヨガ哲学の話をします。テーマを1つ決めて、「今日はこれについてシェアしますね」って話をするようにしています。もちろん考え方を押しつけることはしません。自分にとって何が必要で何が必要じゃないか、人それぞれ違いますから。ヨガを通して、なりたい自分になれたらいいな…とすごく思っています。

――戸惑う生徒さんもいらっしゃるかも?

そうですね。初めて参加する方には「よくここに飛び込んでくれましたね。ここにいてくれるだけでオッケーです」という気持ちでいます(笑)。私のクラスには一度きりになってしまっても、「他の先生でもいいから、ヨガを面白いと思って続けてくれたらいいな」って思っています。

――クラスでカワノさんが心がけていることはありますか?

ヨガ哲学でもアーサナでも、何か1つお土産を持って帰ってもらうことですね(笑)。

――お土産ですか!?

初めてヨガを体験するようなビギナーズクラスだったら、ストレッチ要素を入れながら「このポーズ、見たことあるでしょう? これができたらヨガをやった気になれるよね」みたいな達成感を感じてもらうとか。

立ち方ひとつでもみんな違うので、おひとりひとりに「こういう風にすればいいよ」って、パーソナルなアドバイスをします。人は変わるんですよ。身体つきも顔つきも。私自身、前より柔らかい人間になれたと思います。歳を重ねることがネガティブなことと感じなくなりました。

――お写真を拝見すると、男性の生徒さんも多いんですね。

男性の場合、筋肉の動きをロジカルに説明するのが分かりやすいようです(笑)。ただ息を「吸って、吐いて~」だけじゃなくて、「このポーズは内転筋をこう使うんだよ」とか「腸腰筋をこうやって立てていくよ」って、解剖学的に説明をしています。

たまにクラスの違う生徒さんたちが河原でやるオープンクラスに集まると、「カワノ先生、イケオジを作ってますよね」って言われるんですよ。それって、すごくいいことだと思いませんか?

理想のヨガは、そのときのメンタルや体調に寄り添えること

生徒さんが銭湯のオーナーで、月に一度、開店前の時間にレッスンを開催。

――カワノさんのインスタを拝見すると、河原だったり銭湯だったり、クラスの開催場所がユニークですよね?

個人的に自然の中で集中してヨガをすることが好きなのですが、それを生徒さんたちに体感してもらえたらなと思って、生徒さんたちを誘いました。場所は飯能なんですが、私の「クラスに通っていないから」とか「ヨガをやったことがないから」という方でも大歓迎! 私のインスタを見て参加してくださる方もいれば、生徒さんのお友だちもいらっしゃいます。

南林間クラスの方々にも、不定期ですがパークヨガを開催しています。

――銭湯のヨガは?

生徒さんのおひとりが銭湯を経営していて、「いつかヨガをうちで開催したいと思っています」と声をかけてくださり、銭湯とヨガのコラボが生まれました。銭湯のお掃除が終わって、床のタイルも乾いた頃に私たちが入ってレッスンをしています。

レッスンが終わってひと休みしたら一番風呂に入る…というのが銭湯ヨガの醍醐味ですね(笑)。この前はラベンダー風呂だったんですよ。ラベンダーを煮出したエキスがたっぷり入っていて、すごく贅沢でした。

――普段のレッスンと屋外とでは中身が違うんですか?

普段のクラスでは細かく指導しますが、屋外では気持ちいいと感じてもらうことを優先したいので野放図です(笑)。自然のなかに溶け込むような感覚を感じてもらえたら嬉しいですね。

――生徒さんを集めるのに広告を出したりしていらっしゃるんですか?

特別にはなにも…。生徒さんたちが「教室のチラシを近所に置いてもらうように頼んでみる」ってくださる方がいたり、お友だちを連れてきてくださったり。自分から積極的に宣伝するというのがあまり得意ではないので、周りの方々に感謝しています。

――みなさんカワノさんのお人柄とか教室の雰囲気が好きで通っていらっしゃるんですね。

私自身もみなさんがなりたい自分に変化していく姿を目の当たりにできて、とても楽しいし嬉しいです。だからクラスで教えるのが好きなんですね。

――今後、カワノさんが目指しているのはどんなことですか?

身体のつくりを含めて、そのときのメンタルや体調にも寄り添えるクラスをつくっていきたいです。

いつかヨガだけでなくて、食べること、考えること、繋がっていくことのできる場所を持てたら…と思っています。まずは、自分がなりたい自分になることですね。私はこれをいちばん大切にしています。

カワノさん流! インストラクターとして長く続けるためのポイント

1.それぞれの違いを認めて、ありのままを受け入れる。

2.考えなどを押しつけず「シェア」するスタンスを保つ。

3.ひとりひとりのメンタルや体調に寄り添うこと。

言葉の端々からヨガをとても愛していることが伝わってきて、元気がもらえるインタビューでした。河原や公園で開催されるオープンヨガは、インスタで告知をしているそう。興味のある方は、ぜひチェックを。

撮影/古谷利幸(F-REXon)

information

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事