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介護・看護・リハビリ 2020-11-24

入浴介助中に起きた利用者の方との入浴介助中のエピソードをご紹介 介護福祉士の日常あるある #10【Q&A編】

利用者の方の清潔感を保つために行う入浴介助。同時に楽しい時間でもあるため、1人でも多くの利用者の方に気持ちよく入浴していただきたいものです。今回はそんな入浴介助中の思い出を元ベテラン介護福祉士の國廣さんにお聞きしました。嬉しかったエピソードから苦労したエピソードまで幅広くご紹介します。

Q.入浴介助中の印象的なエピソードは?

A.とても優しい女性利用者さんに「お仕事大変ね、大丈夫なの? 手伝おうかしら?」と気にかけてくださり、最終的には「一緒にお風呂に入りましょうよ、少しくらいいいじゃない」と言われてとても癒された思い出がありました。

また、90歳を超える女性利用者さんに毎回の着替え時、「まあ…綺麗なお肌ねえ、髪もつやつやねえ」と頬や頭をなでなで。そんなに褒められたことのない私はとても嬉しくなってしまい、その日1日上機嫌でいることもありました。きっとお世辞で言ってくださっているんだと思っていたある日、「あなた方はお若いから当たり前だと思っていることが私には輝いてみえるの。人ってね、そこにいるだけで綺麗で可愛くってほんとうにうっとりしちゃうのよ」と教えてくださいました。90年以上人生を重ねてこられてそんな風に世界を見られる利用者さんの方がずっと素敵だなと思いましたね。

Q.ほかにはどんな思い出がありましたか?

A.認知症の症状がある女性利用者さんとの思い出です。職員の事も施設の事もすぐに忘れてしまわれるのですが、人の世話を焼くのが生きがいだったということで毎回職員が色んな悩みをもった人物になりきって、浴室で相談を持ちかけて入浴にお誘いしていました。ある日、いつものように相談を持ちかけると「あれ? あなたこの間はご両親と喧嘩したって言ってたでしょ?」と言われました。何度自己紹介をしても覚えてもらえなかったのに以前私が相談した内容をなんとなく覚えていらっしゃったのです。認知症の症状で記憶が残りにくくても感情やその時の印象は残ることがあるといわれていることを実感しました。それからはこちらの都合や思い込みに気をつけ、利用者さんの世界に寄り添った声かけができるようにしようと心がけました。嬉しかったり感動した思い出もたくさんありますが、中には入浴介助ならではのあるあるだと思ったエピソードもありましたね。

Q.入浴介助あるあるのエピソードとは?

A.ある男性の利用者さん。入浴拒否が強く優しく声かけをしたり、薬を塗るからと看護師さんに援助してもらったりして、なんとか脱衣してもらうことも。それでも「何をするんだ!」と毎回拒否。ですが、一度湯船につかると「やっぱり風呂は最高だな!」とご機嫌に。お風呂から上がる時は「もっと入りたい! 何故上がらねばならないのだ」と不満げなほどでした。入浴後は他の利用者さんに「ここの風呂は最高だから絶対に入った方がいいよ」と勧めてくださるまでに。入る前は入浴に強く抵抗していたのに、いざ入ってしまうとお風呂大好き! と思う方がいるのは入浴介助あるあるかも知れません。

Q.反省したことなどは?

入浴前に行うバイタルチェックがあろうことか終わっていなかったのに口頭でだけチェックが終わっていると職員に聞いてそのまま更衣室へ利用者さんをお連れしてしまった事がありました。しかしそれは勘違いで私も確認しないままだったのです。入浴担当ではない職員がふとバイタル表を見た時に無記入なことに気づき、急いでナースを連れて脱衣所へ。測定数値は問題なかったのですが高齢の方にとって入浴は体力を使い体調の変化も大きくリスクを伴う介助であることを再認識し、全職員で反省しチェックを強化することにしました。それ以降は体調管理の大切さを痛感しバイタル確認はもちろんのこと、当日の顔色や会話の様子、連絡ノートに体調変化の記載はないか、気になることがあればナースに報告するなど自分ができる範囲での確認も行うようになりました。

Q.入浴介助の魅力は?

A.入浴という行為はとても個人的でデリケートなこと。浴室での事故は発生数も多く、命の危険につながる重大な事故も起こりえます。とても気をつかい責任の大きさに気が重くなることもありました。しかし大変な中にも、普段の業務に追われてゆっくり会話をすることが難しい利用者さんとお話する時間がとれたり、気持ちよく入浴していただけた時に喜びを感じられたりとやりがいも大きかったです。他にも入浴時の様子で心身の健康状態を知ることができたり、難しい介助方法を学べたりと経験を積む貴重な時間。それらを通じて、入浴ということが人の生活にとってとても重要なものだということを実感し、介護の仕事の大切さを感じられることが良いところだと私は思っています。

國廣さんが思う・入浴介助の魅力3選

1.利用者さんの意外な人柄に触れる経験ができる

2.利用者さんに気持ちよく入浴していただいたときの喜びは格別

3.介護の大切さを感じることができる

取材・原文/井上桂佑(レ・キャトル)
イラスト・漫画/國廣幸亜

教えてくれたのはこの人!

國廣幸亜さん

訪問介護や介護老人保健施設、デイサービスなど多くの介護現場を渡り歩いたベテランの介護福祉士として活躍し、現在は自身の豊富な介護経験を題材にした漫画などを手がける人気の漫画家として活躍中。
所有資格:介護福祉士

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