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介護・看護・リハビリ 2020-08-01

【介護レクリエーションvol.7】チームで楽しむ「遊びレクリエーション」

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」の企画。

体を動かす機会が少なくなる高齢者にとって、レクリエーションは貴重な時間になります。さらに、ペアやチームになって行うことで、より楽しさと充実感を得ることもできます。そこで今回は、チームで和気あいあいと行うことができる「遊びレクリエーション」をピックアップ!

うちわでシュート

【対象者】上肢の可動域制限が無い方
【レクの目的】上肢筋群の筋力強化、バランス感覚の向上、注意力の向上、脳の活性化、参加者同士の連帯感の向上
【人数】4人~多数
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】軽いボール(紙風船・ピンポン球・ビーチボールなど)、人数分のうちわ
【制限時間】先に5点先取したチームの勝ちなど、点数制限を設けて行うのがおすすめ
【レクリエーションの内容】うちわを使って相手の陣地にボールを送り込むゲームです。上肢筋群の筋力強化のほか、参加者同士のコミュニケーションを深める効果も期待できます。

レクを始める前の準備

・スタッフは2~3mの間隔を空けた地点に、それぞれのグループの陣地を示すボーダーラインを引いておきましょう。

遊び方

1.参加者は2グループに分かれ、ボーダーラインから出ない位置に、向かい合わせになるようにして立ちます。全員うちわを持ちます。
2.スタッフがボーダーラインの中央にボールを置きます。
3.スタッフが合図したら、参加者はボールをうちわで仰ぎます。相手の陣地にボールを入れたチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・軽いボールを使用するため、不規則な動きをします。スタッフは状況に応じてボールの位置を調整してください。
・ポイントは、うちわで「打つ」のではなく「あおぐ」こと。参加者がスムーズに動作を行えるよう、事前にスタッフがボールの動きを理解しておくことも大切です。

注意点

・熱中すると、参加者が前傾姿勢になることがあります。スタッフは、個々のリスクを確認した上で安全にレクを進めるようにしましょう。
・立位保持が難しい方や平衡感覚が乏しい利用者さんが多い現場では、椅子に(車いす含む)座り、机上で行うことも可能です。利用者さんの状態に合わせ、安全な環境を整えて行うようにしましょう。

シーツトランポリン

【対象者】子どもから高齢者(障害の有無に問わず)
【レクの目的】上肢筋群の筋力強化、バランス感覚の向上、注意力の向上、脳の活性化、コミュニケーション力の向上
【人数】8~16人
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】ビーチボール(直径60cmくらい)、シーツ2枚(ブルーシートやレジャーシートでも可)、椅子
【制限時間】先に10点先取したチームの勝ちなど、点数制限を設けて行うのがおすすめ
【レクリエーションの内容】チームでシーツを上手に動かしながら、ボールを相手チーム側の陣地から外に出すレクリエーションです。上肢筋群の筋力強化、バランス感覚の向上のほか、チーム戦になるので参加者同士のコミュニケーションも高まります。

レクを始める前の準備

・それぞれのシーツの縦の部分をガムテープで繋げておきましょう。

遊び方

1.参加者を同じ人数で2チームに分けます。
2.シーツのガムテープの線を境にして囲うように座り、シーツの縁を持ちます。
3.スタッフはシーツの真ん中(ガムテープの線の上)にボールを載せます。
4.参加者はスタッフの合図とともに、シーツをふわふわと動かして波をつくり、ボールを相手チーム側に飛ばします。ボールを相手チームの陣地の外に出したチームの勝ちです。

進め方のコツ

・片手でシーツを持つ参加者が片方のチームに偏らないようにしましょう。
・シーツの角を動かす人は力仕事になるので、スタッフは参加者の力加減を配慮して席を決めましょう。
・レクが始まるとシーツが手から離れてしまう参加者もいるので、スタッフは状況に応じてレクを中断し、改めて掴んでもらうように促しましょう。
・「波をつくる」という作業でチームの団結力が生まれます。上手にできたときは、スタッフが場を盛り上げましょう。

集団でコミュニケーションをとりながらレクを楽しむことで脳が刺激を受け、心身の活性化にもつながります。まずは現場に取り入れ、雰囲気を楽しんでもらいましょう。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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