パリ発アロマコスメ専門店『HUYGENS(ホイヘンス)』は “香りの調剤薬局” #1
美容業界人にぜひ知っておいてもらいたいショップ。表参道駅から細い路地を入って歩くこと数分。鮮やかなブルーを纏った、なんとも可愛らしい佇まい。爽やかなアロマが漂う店内は、一歩足を踏み入れただけでふっと心がほぐれていくような、癒される空間です。
フランス・パリ発のアロマコスメの専門店『ホイヘンス トウキョウ』は、昨年末にオープンしたばかりの世界2号店。モデルや芸能人などの愛用者が多く、じわじわと人気を集めています。そこで、マネージャーの山川硫司(リュウジ)さんに、ブランドが出来た経緯や人気の秘密について伺いました。
“薬局”を意味する「アポセカリー」スタイル
2013年にパリのマレ地区に第1号店をオープン。その後、革新的に成長している「ホイヘンス」。そのスタートはとてもユニークなものでした。
「フランスの大手化粧品会社で海外輸出を担当していたセバスチャンと、開発や調香をしていたダンがタッグを組み、作り上げたブランドです。彼らは当初、化粧品を輸入して販売する予定だったので、二人一緒に世界中をまわって様々なアイテムを目にして、手に触れてきたようです。
その中で、とくにタイのスパで出会ったある化粧品ブランドの、自然の力の素晴らしさと香りに感動。彼らがいた大手化粧品会社はテクノロジーが重視されていましたが、むしろ真逆にあったそのブランドに心を奪われたのです。これがきっかけとなり、彼らが『ホイヘンス』を立ち上げました」と語るマネージャーの山川さん。
『ホイヘンス』が掲げているのは、“フレンチアポセカリースタイル”。アポセカリーとは英語で調剤薬局の意味です。もちろん『ホイヘンス』は薬局ではありませんが、セバスチャンとダンがこだわっている“香り”を調合して提供するという意味で、アポセカリーという言葉を使っているそう。香りに彩られた豊かな日々を提案したいという二人の想いが、この言葉に込められているのです。
オーダーメイドで香りをビスポークする
『ホイヘンス トウキョウ』は、2016年12月にオープン。オーナーの西川さんが、2013年頃にパリで偶然見かけて入店したのが『ホイヘンス』で、その場に居たセバスチャンに声をかけられたのが出会いだったそう。その後、帰国後も頻繁に連絡を取り合い、日本でのオープンに向けて準備を進めてきました。
日本でオープンするにあたりこだわったのが、フランス本国で展開している『ホイヘンス』ならではの “ビスポークスタイル”の導入。
「エッセンシャルオイルをフランスから取り寄せて、品質が変わらないように温度管理のされた倉庫で眠らせます。当店ではまずお客様がいらしたら、14種類のフレグランスバーで香りを試すところからスタート。心や気持ちにフィットする香りを見つけて、ボディローションやバスオイルなど欲しいベースアイテムをオーダーしてから、ラボで調合します。オーダーをいただいてからですので、エッセンシャルオイルがフレッシュな状態でアイテムに調合できます。オーダーメイドで作るアロマコスメということで、ビスポークスタイルという言葉を使っています」とマネージャーの山川さん。
『ホイヘンス』の香りで、生活を彩り豊かに!
『ホイヘンス』の香りは現在14種類あり、そのすべては創業者の一人、ダン氏が様々なエッセンシャルオイルをブレンドしたオリジナル。ビスポークできるアイテムを購入する場合は、どの香りにするか迷ってしまいそうだけど、ベストなのはそのときの気分で素直に選ぶこと。アイテムによって香り方が違い、長持ちするものもあれば、ふとしたときに香るものもあります。また、夜寝る前はラベンダーなどのリラックス系、朝は元気がでるシトラス系などと、使うシーンによって使い分ける上級者もいるそうです。
化学的に合成された香料は、重ね付けすると香りに嫌味が出ることがあります。でも、『ホイヘンス』の香りは、どれももともと自然界にあるもの。違う香りを合わせても雑味になることはまずありません。だからいろいろな香りのアイテムを集めて、重ね付けして楽しむのも良いでしょう。
もっともっと香りを極めたいという人は、ワークショップに参加してみては? ほぼ毎日のように行っている、人気のプログラムで、オーガニックコスメを使う季節に合ったスキンケアの提案とビスポーク体験ができるワークショップになります。スタッフによるレクチャーの後、14種類の中から選んだお気に入りの香りを、自分でアイテムに調合することができます。
取材・文/鈴木みのり
撮影/AJHAJHA
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