ネイリストは副業でできる?ダブルワークでの働き方・メリット・注意点を知ろう
ネイリストの仕事にあこがれながらも、ほかに仕事をしている・すぐに本業にするには難しいなどのケースもあるでしょう。そのような場合は、副業から始める方法を思いつく方もいるかもしれません。
では、実際のところ副業でネイリストはできるのでしょうか。また、できる場合はどんな働き方があるのか、副業のメリットとはどんな点なのかも知りたいところです。さらに、未経験者が副業ネイリストを目指す方法も解説します。
ネイリストを副業にできるの?
これまで、一般的な日本企業においては、ほとんどの企業が副業を禁止してきました。中小企業庁委託事業「平成26年度兼業・副業にかかる取組実態調査事業」においても、副業・兼業を認めていないとする企業は85.3%にも及んでいたのです。
モデル就業規則においても、いわば当たり前のように副業禁止規定が記載されていたものと推測されます。モデル就業規則とは、労働者が安心して働けるように企業が労働時間・賃金・労働条件などを明確に定めた「就業規則」の、モデルになる指針のことです。
しかし、2022年に実施された経団連による「兼業・副業に関するアンケート調査結果」では、回答企業の約7割が「認めている」または「認める予定」と回答。副業や兼業を認める企業は2019年ごろから急増しています。
引用元
厚生労働省:モデル就業規則
【2018年】「モデル就業規則」の副業禁止規定が削除!
副業の促進にあたり、モデル就業規則は改定され、原則として副業ができることを明記した上で、企業は、例外的な場合にのみ副業を制限する規定となりました。
(副業・兼業)
第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該
業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
1.労務提供上の支障がある場合
2.企業秘密が漏洩する場合
3.会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
4.競業により、企業の利益を害する場合
ただし、あくまでもモデル規則のため、副業を認めていない企業も多く存在します。副業を始める際は、自社が副業OKな会社かどうか、事前にしっかりと確認したほうがいいでしょう。
ネイリストを副業にする場合の働き方
お客様がいらっしゃらない時間や予約までの空き時間を有効活用して、何か副業ができないかと考えるネイリストもいるでしょう。そこで、ネイリストにおすすめの副業の方法や種類を紹介していきます。
1. 作成したネイルチップを販売する|オンラインショップなど
お客様は普段、地爪ではできないネイルアートや、日常的にできないデザインをネイルチップに求めます。そのため、プロの手で作られた素敵なアートが施されたチップを手にしたいと考える人も多いです。
セルフネイルではとてもできないようなデザインや、ネイルサロンですると高額になりそうで手が出せないデザインを、ネイルチップで楽しみたい方からは喜ばれることでしょう。
現在は、ハンドメイド作品のマーケットがインターネットサイトでも多く見られます。登録料や利用料のかからないサイトもたくさんあるので、使いやすいサイトを見つけて出品するのもひとつの方法です。
「サロンワークと兼業でチップ販売をしています」「ジェル検定所持者が作成」「ネイルサロンで使用している材料で作成しています」 などと商品説明に記載しておくと、買う側からすれば素人製作の物よりも安心して購入を決めるのではないでしょうか。
手軽にECサイトを立ちあげられるプラットフォームや作品を販売できるアプリのうち、たとえば、国内最大級のハンドメイド作品のマーケット「minne(ミンネ)」は、作家登録者数が30万人以上、登録作品数が400万点以上と、かなりの規模です。
引用元
minne(ミンネ)
2. 出張ネイリストとして働く
出張ネイルを希望するネイリストと、ネイルを受けたいお客様とをマッチングしてくれるサイトもあるようです。
出張となれば、自分のスキルと腕さえあれば特定の店舗もいらず、自分の足でお客様のところに出向くので、道具さえあれば費用をかけずに働くことができるというメリットがあります。
空いた時間に仕事を入れることができるので、仕事や家事をしながらネイルに携わりたいという方には特におすすめです。
積極的に営業活動を行い、ファッションイベントなどに参加して成果をあげれば、その後の集客にもつながるでしょう。
3. 休日にネイルサロンで働く
休みの日にほかのネイルサロンで働く方法もあります。週1~2日だけのシフトでOKなサロンや、業務委託で都合のいいときだけ働ける契約をするなど、自分ができそうな働き方を探してみましょう。
ただし、休日にゆっくり体を休めることなく働くというのはなかなかハードです。そのため、体力に自信がある方向けの働き方だといえるでしょう。
4. 自宅サロンを開く
プロとしての活動実績をいかして、休みの日にだけ自宅サロンを開くという方法も可能です。自宅の空いたスペースを利用して、予約が入ったときだけ営業するというスタイルにすれば、スキマ時間を有効活用できるうえに、大きくライフスタイルをかえる必要もありません。
ただし、サロンとしての体裁を整えるために、ある程度の設備投資が必要になるという注意点もあります。
副業でネイリストをするメリット
ネイリストの知識と技術をいかせる副業は多くのメリットがあります。どんな点がいいのかを見ていきましょう。
1. 収入が増える
なんといっても収入が増えるのは最大のメリットです。むしろ、収入を増やすために副業を始めたいという方も多くいるのではないでしょうか。
政策によって働き方改革が実施され、残業の上限が決められたことで、以前のように残業ができずに手取りが減って困っている方もいるかもしれません。
もともと持っているネイルの技術をいかして収入を増やせる副業は、ネイリストにとってやってみる価値があることだといえるでしょう。
2. スキルアップ・キャリアアップになる
現在ネイリストではない方が副業でネイリストをする場合、働きつつスキルを磨くことにつながります。また、すでにネイリストの場合は違う客層への接客によって勉強になりますし、開業を考えている方は経験値を上げることもできるでしょう。
3. リスクやコストを抑えながら始められる
本業があるので、大きなリスクをおわずにチャレンジができるという点もメリットです。本業が別にあり、ネイリストを目指している場合、実際のネイルサロンで働くことでネイリストになるイメージをつかむことができます。
また、独立開業を考えている方にとっては、収入を確保したうえで自宅サロンの準備ができるのもメリット。独立前に固定客をつかむことができるため、いきなり開業するよりもリスクやコストを抑えることができるでしょう。
4. 空いた時間を有効活用できる
副業は、休日やちょっとしたスキマ時間を有益に使えることも大きなメリットです。持っている知識と技術を活かして、暇な時間をお金にかえられるので、効率がよく気軽に始められます。
予約の導線を作れば、予約が入ったときだけ施術するという働き方も可能です。
ネイリストを副業で始める際の注意点
副業でネイリストをすることには、多くのメリットがある反面、気をつけなければならない点もあります。副業を始める前に確認しておきましょう。
1. 体に負担がかかりやすい
ネイリストはお客様に施術をすることでお金をいただく仕事です。副業では本来なら体を休めるはずの休日に働くことになるため、どうしても体に負担がかかってしまいます。
好きなこと・得意なことで副業ができるとはいえ、疲れがとれないまま本業と両立しなければなりません。そのため、副業でできる範囲を見極める必要があります。
2. 初期投資が必要
ネイリストを副業にする場合、ローコストで始められるうえにリスクも少ないというのはメリットですが、まったくコストが必要ないわけではありません。
自宅サロンの場合は設備投資や改装費用がかかることもあり、出張ネイリストでは交通費も必要です。また、働いている店舗の道具や設備を利用しているネイリストでは、道具をすべて揃えなければならないので、その費用がかかります。
交通費以外は、最初に準備すればその後はあまりかからない費用ですが、副業を始めるときにはある程度の資金を準備しておくほうがいいでしょう。
3. 集客しなければならないこともある
自宅サロンや出張ネイリストの場合は、自分で集客をしなければなりません。サロン勤務で、自力で集客したことがない場合、思ったように集客できないという事態もありえます。
また、自宅サロンなどである程度の初期投資をしたのに、休日やスキマ時間の稼働だけでは充分な収入にならないということも考えられるでしょう。
4. 確定申告が必要になるケースも
副業で確定申告をしなくてもいいのは、副業で得た所得の中から納めるべき税金がない場合です。 副業で確定申告をしなければならない基準を知るためには、まずは「所得」の種類と「課税所得」について理解する必要があります。
本業の会社の定時後や土日などの休日に、ほかの会社でアルバイトやパートをしている場合、本業の会社の所得と同じく「給与所得」になります。
また、クラウドソーシングや内職などを副業としている場合は、独立した自営業者としての「事業所得」または「雑所得」になり、事業所得も雑所得も、売上(報酬)から経費を差し引いたものが、課税される所得金額になります。
会社員であっても確定申告が必要な人の場合
・年間給与収入が2,000万円を超えている
・1カ所から給与をもらっており、副業の所得が20万円を超えている
・2カ所以上から給与をもらっており、本業以外の給与の収入金額とそのほかの副業所得を合わせたら20万円を超えている
副業としてアルバイトやパートをする場合、2カ所以上から給与をもらっているに該当し、所得が年間で20万円以下かどうかをチェックします。
給与所得に対する経費(給与所得控除)は、収入によって変動します。以下の表を参考にしてください。
将来本業を目指したい!未経験から副業ネイリストになるには
副業として始めつつ、ゆくゆく本業でネイリストをしたいなら、まずネイルの勉強をして知識と技術を身につける必要があります。そこで、どうやって習得すればいいのか、ネイルの学び方を紹介します。
1. ネイルスクールに通う
ネイルについて腰を据えて学ぶには、ネイルの専門スクールがおすすめです。プロ講師の技術を間近で見ながら学べて、わからないこともすぐに質問できます。資格取得に向けたカリキュラムが用意されているスクールもあるので、資格を取りたい方は検討してみましょう。
また、開業を支援してくれるスクールもあります。将来的に自宅サロンやテナントでの開業を目指したい方にぴったりでしょう。
2. 通信講座で資格取得のための勉強をする
ネイルスクールに通うのが難しい場合は、通信講座という選択肢も。スクールより費用が安めで、自分のペースで勉強できることが特徴です。資格取得に向けたコースが用意されていることが多く、効率的に学びを深められるでしょう。
副業でできるネイリストの仕事を探すには
副業としてサロンなどで働く場合、豊富な募集情報がまとめて掲載されている求人サイトで探すのがおすすめです。
美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」には、週1~2回からでも働けるアルバイトの求人や、未経験歓迎の求人などもあります。希望に応じて勤務地や給与などの条件も設定でき、条件にマッチする仕事を探しやすいでしょう。
副業ネイリストの応募方法
副業としてネイリストの仕事に応募し、採用されるまでには主に履歴書と面接の2つが必要です。それぞれのポイントをチェックしましょう。
履歴書を提出する
履歴書に必要な項目を記入し、応募先に提出します。記入時は、下記のような点に注意して書きましょう。
・虚偽の記載はせず、正しく間違いのないように書く
・記入漏れや空欄はなくす
・消えない黒のペンで書き、修正液は使わない(間違えたら書き直す)
・過去の履歴書を使い回さない など
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面接に臨む
面接では、よく聞かれる質問を知っておき、スムーズに答えられるよう対策して挑むことも大切です。受け答えの際の話し方にも気をつけましょう。
また、受け答えの内容だけでなく、身だしなみや姿勢、表情なども重要です。清潔感のない服装や髪型、だらしない座り方などは大きなマイナスに。面接中はすべての立ち居振る舞いがチェックされていることを意識し、気を抜かないようにしてください。
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働き方改革で副業は原則解禁に!ネイリストとして活躍の幅を広げよう
ネイリストの副業は、メインの仕事の合間にしか働けないので、多く稼ぐことはなかなか容易なことではありません。しかし、趣味の延長上として楽しみながらできるという点は魅力的です。
近年は政策により副業・兼業の規定が変わったことで、メインの職場で承諾さえしてもらえば、後ろめたさを感じることなく副業が始められるようになりました。
ただし、税金の面で色々と難しいことがあります。すでに副業している方やこれから副業を考えていらっしゃる場合は、ご自身の所得税・住民税・社会保険料がいくらになるのかをしっかり把握しましょう。
また、白色申告と青色申告の場合で大きく納税額が異なることもあるので、副業をはじめる際はしっかりと調べておくことが大切です。注意点も知ったうえで、自分に合った方法で副業を始めましょう。
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