働きやすさは美容業界一! 副業もセカンドキャリア形成も叶うアイリストという仕事

美容業界には、美容師、エステティシャン、ネイリスト、美容部員など様々な職業があります。まつエクのエキスパートであるアイリストもそのひとつなのですが、仕事やお給料のイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。

一般的に、美容業界は待遇面での不満や、結婚や出産での離職が多いといわれています。そのような中で、実はアイリストはライフスタイルの変化にも柔軟に適応でき、続けやすい仕事だといわれています。

今回はまつエク業界での働き方の実情について、一般社団法人 日本アイリスト協会で代表理事をつとめる、志太 しおん(しだしおん)さん、同協会で名誉認定講師をつとめる福井 チワコ(ふくいちわこ)さんに話を伺いました。

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実は稼げるアイリスト、年収1000万も夢じゃない

まず、アイリストという職業について考える際、一番気になるのは「稼げるのか、本業にして食べていけるのかどうか」という点ではないでしょうか。まつエク業界はまだ20年弱しか歴史がないため、スクール講師レベルのベテランアイリストでも業界歴10年ほどの方がほとんどで、前例となる先輩方も少ないのが実情です。

「某地方郊外店のサロンですが、施術のみでもスタッフ1人あたり月に80~100万、物販も含めると100万以上売上を作るサロンもあります。ここのスタッフが特別というわけではなくて、基礎スキルや知識をきちんと持っていてお客様をこなす実力があれば、誰にでも可能なんです。」

サロンで働くスタッフの場合、アイリストとしての年収は、260~320万円辺りが平均で、最大で360万円程度だといわれています。同じ美容業界の中でも、新人として入店時の平均年収でもっとも高いのはまつエクサロンの290万円で、一番低いのがネイルサロンの270万円です。約1ヶ月分の収入の平均差があることになります。

これは基本給ベースでの比較値のため、アイリストをはじめとする技術職の場合、資格や指名の数、物販の販売に対して手当がつくケースも多々あり、店長クラスになると役職手当もつくので、給与の上乗せはされやすい職業であるといえます。

資格をとることで収入アップ&独立にも役立つ

アイリストにとって、技術習得の目安となるのは、やはり資格です。美容学校でも基礎的なことは授業で教えてくれるようになりましたが、基本的には就職後に先輩に教わってスキルアップしていくことになります。このときに重要なのが、技術・人柄・カウンセリング、3つすべてをバランスよく育てられるかということです。

たとえば、日本アイリスト協会で実施しているJEA検定試験も、技術面以外のスキルアップも重要視しています。

「協会ではカウンセリングもしっかりテキストに盛り込んでいます。1級は試験の際に実技でカウンセリングも行います。

例えばこの人の目は目をこするくせがあるとか、そういったところも経験を積むとわかるようになります。実際に試験を受けられた方は、今まで自分が思っていたカウンセリングは、カウンセリングではなかったという感想をもつ方も多いんです。JEA検定1級の合格実績=技術・カウンセリングともに即戦力である証明となるので資格手当をつけるサロンは多いです。」

まつエクは目という非常に小さな範囲を施術していきますが、まつ毛の生えぐせや瞼の厚みなど様々な要素を考慮しなくてはいけません。それに加えてお客様の好みや雰囲気も把握しないとならず、カウンセリングがより重要になってくるといえます。

技術面だけでなくカウンセリング力も向上させることでお客様の満足度もあがり指名客の獲得につながるので、資格取得は総合的な接客力強化の面でも、より年収アップにつながりやすくなるといえます。

稼ぐまつエクサロンは物販力が強い

これはアイリストに限らずいえることなのですが、物販に苦手意識を持っている方は多い傾向にあります。先述したカウンセリングの重要性とも関連してきますが、売上のよいサロンは物販もきちんと提案していることが多く、年収の高いアイリストとして成功するためには、物販の意識改革も重要といえるでしょう。まつエクサロンの場合、基本的には美に関わるアイテムであれば何を提案しても違和感はないのですが、まつ毛美容液は物販として取り扱っていることが多いです。

ここで、まつ毛美容液について実際お客様がどの程度消費意欲があるのか、調査データがあるので見ていきましょう。

出典元:株式会社リクルートライフスタイル
アイビューティーカスタマー調査2018 サマリー2

これはアイビューティーのホームケアの利用率調査結果になりますが、まつ毛美容液については約60%のお客様が使っています。また、まつエク用のクレンジングについても15%近いお客様が使用されています。つまりお客様側のホームケアの購入意欲としては高いということです。

単純に、60%の利用率ということは、2人に1人は買ってくれる可能性があります。もし物販で声をかけない場合、それをみすみす取りこぼすことになります。

たとえば4,000円のまつ毛美容液をサロンで販売した場合、自分が接客したお客様のうち、1日に1人が買ってくれたとしたら月換算で約20人=8万円、年間で約100万円売上が変わります。
このような意識を持って接客するだけでも年収があがることもあるのです。

販売についても、ただすすめるのではなく、お客様の今のまつ毛の状態や自宅で気をつけて欲しいことなどを施術中もしくは施術後にアドバイスとして伝えることで、お客様がみずからホームケアを気にして購入に至る場合が多いので、お客様のまつ毛の状態や生活習慣はしっかりと把握できるようになりましょう。

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40代未経験セカンドキャリアとしてのアイリストでも活躍できる

アイリストの場合、収入の次に気になるポイントとしては、まったくの未経験で本業としてやっていけるのかという点と、リタイアの年齢です。まつエクの道具を見たことがある方はお分かりと思いますが、0.15mm程度の細い毛をピンセットでつまみながらまつ毛に接着していきます。

そうなると、年齢を重ねた際に老眼は大丈夫なのかという心配がでてきます。日本アイリスト協会では様々なアイリストさんが加盟されていますが、40代未経験の女性で、セカンドキャリアとしてアイリストへの転職希望の相談にくる方もいらっしゃるそうです。

「50代手前で初めて資格をとろうという方もいます。セカンドキャリアとしてまつエクのスキルを身につけたいという方が意外に多いんです。もちろん老眼の話もしたうえで、やりたいという方は一定数おり、実際にその後50代でも活躍されています。

実は私も先日50歳になったんです。自分では47歳頃にそろそろ引退だと思っていましたがまだまだ問題なく続けられます。40代・50代でも現役のアイリストさんはたくさんいらっしゃいます。」

40代でも技術面とカウンセリング力をしっかりと磨き、そのうえで物販も提案できるようになれば、十分安定した収入を得ることができます。

「お客様の年齢層についても40代・50代のまつエクがかなり増えてきました。30代以上は目元が寂しくなってくるので、まつエクをつけたいという要望が増えてきています。若作りにならずナチュラルで、スッピンでも美しい仕上がりを希望されるお客様が多いです。」

お客様の年齢層の上昇とともに、スタッフの年齢層もあがってきています。40代以上のまつエクのお客様が増加したことで、同世代の方が目元の悩みも理解でき、お話しやすいということもあり、年齢層の高いスタッフが好まれる傾向にあります。仕事を続けやすいという背景もあり、今後も40代・50代のアイリストは増えていくでしょう。

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どんなライフスタイルでも働けるアイリストは、理想の働き方改革を実現できる

セカンドキャリアとしてアイリストが人気なのは、小回りのきく勤務体制にあります。年齢を重ねるほど、「体力面での不安」「ライフスタイルの変化によるやむをえない退職」など、自分ではなかなか解決できない悩みが増えてきます。

その点でアイリストの場合、美容師やエステティシャンのような肉体的なハードワークではないので、年齢を重ねても身体に負荷がかかりにくいというメリットがあります。

「実は、結婚・出産のタイミングでマツエクを習う方が意外に多いんです。まつエクはマネキンで練習するコースもあり、自宅でマネキンを使用して育児の合間に練習をする方も多くいらっしゃいます。やはり未経験者の場合は感覚をつかむのが一番なので、自宅での練習メインでも、しっかりとスキルアップしています。」

就業形態としても、正社員だけでなく、パートや業務委託、面貸しでのスポット勤務など、育児をしながらでも仕事をしやすい環境が整っています。1時間しっかりと1人のお客様に集中できるため、お客様との関係性を作りやすい点もスポット勤務ができる理由でしょう。

出産後は常連のお客様だけを月に何度かだけ対応し、子供が幼稚園に入ってからお昼のみ復職するママアイリストもいらっしゃいます。まつエクの場合、美容院と違い一度の接客時間は60~90分程度で来店頻度が高いのが特徴です。1人のお客様あたり月に1~2回の接客となるため、指名のお客様が複数いる場合、スポット勤務でも十分収入を得ることができます。

もちろん子育てだけではなく、副業についても同じことがいえます。勤務先との契約にもよりますが、面貸しなどのスポット勤務を活用できるので、副業としてのアイリスト勤務もじゅうぶんに可能といえます。

美容業界の他の職種と比べ、身体の負担が少なく仕事量の調整ができるアイリストは、この働き方改革の世の流れにぴったりな職業といえます。特に美容師免許をすでに持っており、資格をいかしたいという方にとっては、まつエクのスキルを身につければすぐに活躍できるといえそうです。

※「アイリスト」は有限会社ローヤル化研の商標です。

出典元:
学校法人 三幸学園
アイリストの給料・年収はどれくらい?|美容|学校法人 三幸学園
株式会社リクルートライフスタイル
15~69歳男女のアイビューティーサロンの利用に関する実態調査

Profile

志太しおん

2007年、まつ毛エクステに魅了されサロン開業。黎明期の業界にて、様々なトラブルも多く、正しい技術と知識の普及活動の為に同じ志を持つ有志と共に全国にて講師活動を開始。同時に地元長野でのスクール開講。2013年(一社)日本アイリスト協会の代表理事就任。業界の発展の為に邁進。その他の活動として、各コンテストの審査員や美容学校の講師も務め、女性でも自立し十分な収入や夢が叶うアイリストという仕事を現場で活かし、成功させる指導者として、より高みを目指す。

福井チワコ

まつ毛美容師・講師
WELLS Beauty Eyeash Training School主宰。
子育て中にまつ毛エクステプライベートサロンを西宮市でスタート。技術だけではなく商材知識やカウンセリング・デザイニングの大切さを伝えることの重要性に気づき、同業者たちとの勉強会やイベントを開催。その後、まつ毛エクステンション専門スクールを開校。後に(社)日本アイリスト協会の認定講師となる。
一方、2014 年より世界的ブランドである BLINK LASH のテクニカルプロデューサーとなり教育システムを監修。海外でのエデュケーター活動もスタートする。
コンテスト審査員実績多数。まつ毛エクステンションを通して、女性の新しいライフスタイルや美容師の新しい可能性を提案していきたいと考えている。

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