へアメイク×眉サロンのWワークで眉毛難民を救う 佐伯エミーさん♯1
以前、「子育て応援メソッド」に登場していただいたヘア&メイクアップアーティストの佐伯エミーさん。エミーさんは、ヘアメイクの仕事と並行して、昨年ハリウッドブロウリフトをメインにしたサロンをオープンしました。
前編では、撮影で一緒になったモデルさんの眉が自由自在に動くことに感動して、すぐにハリウッドブロウリフトの施術を受けに行ったお話や、予定にはなかった眉サロンをオープンすることになったきっかけ、サロンを持って良かったことなどをお伺いしました。
お話を伺ったのは…
ヘア&メイクアップアーティスト
佐伯エミーさん
通信教育で美容学校卒業後、地元長野の美容室に勤務。当時としては最速の2年でスタイリストに昇格。「どうしても雑誌に名前がのるヘアメイクにないたい」と厳格な父親を説得し上京。有名ヘアメイクのアシスタントを2年間務めた後、フリーランスのヘア&メイクアップアーティストとして独立。現在、「美的」など女性誌のほか有名モデルやタレントを担当しつつ、ハリウッドブロウリフトをメインとしたサロン運営も開始。一男一女の母。
眉毛難民を救える!とピンときたんです。
――まずはハリウッドブロウリフトとの出会いについて教えてください。
雑誌の撮影でご一緒したモデルさんの眉が、整えるだけでナチュラルにまとまり、くせ毛のように自由自在に動いて、描けば描くほど立派になる。なに、この眉は? ともう虜になってしまったんです。元々、髪もくせ毛っぽい感じの方だったんですが、どうしても気になるので聞いてみたら、「眉毛パーマをかけている」と。
眉毛パーマというものをそのとき初めて知って、ますます気になってしまい、わたしもすぐにモデルさんと同じサロンに行ってみたんです。実際に施術を受けてみると、これだったら眉毛難民の人たちを手助けできる!とピンときたんですよね。プロのモデルさんや一般の方にも眉毛に悩んでいる人はとても多いので。
――具体的には、どんな施術なんですか?
元々は、ロシア発祥のブロウラミネーションという技術なんです。でも、肌にペタッとくっつく感じが日本人には不向きということで、日本人向けに改良されたのがハリウッドブロウリフトです。日本人の眉毛は、元々毛流れが横向きの人が多いので、平面的な眉毛になりがちですが、専用のワックスとスタイリング剤で毛流れを矯正することで、立ち上がるような立体的な眉毛になります。
――日本人向けに改良された施術なんですね。エミーさんは、施術を受けた後、すぐにディプロマをとったんですか?
はい、そうです。わたしが施術してもらったサロンの方が、ハリウッドブロウリフトの立ち上げメンバーのひとりだったんです。その方にディプロマが取得できる講習会があると聞いて、すぐに受講しました。座学と相モデルでの実習を丸一日受けて、無事ディプロマをいただくことができました。
――そして、サロンをオープンすることに?
サロンをやるなんてまったく考えてなかったんですよ。たまたま、昔からの知り合いのエステティシャンの方と久々お会いしたときに、ひと部屋空きができるんだよねということを聞いて。わたしも、実は眉毛の資格をとって~というお話をしたら、トントン拍子に話が決まり、2021年8月に六本木でサロンをスタートすることになりました。
ヘアメイクの仕事関係者からお客様を紹介してもらうことも
――サロン運営は最初から順調でしたか?
現役でヘアメイクの仕事をしていて、それ以外の時間でサロン運営というスタイルなので、Wワークのスタイルはゆっくり、ゆっくり形にしていった感じです。でもありがたいことに、ヘアメイクの仕事でご一緒する編集部の方たちが、「何それ?」と興味をもってくれて雑誌で紹介してくださったり、施術を受けにきてくれた読者モデルさんがSNSに上げてくれたりしたお陰で、サロンの認知度はだいぶ上がったと思います。
――雑誌に掲載されたり、SNSに投稿されることは集客につながっていますか?
そうですね。お客様がSNSにあげてくれて、それを見た方が来てくださることも多いです。先日は、わざわざ福岡から来てくれた方がいました。遠方から足を運んでいただくことは本当に嬉しいことですが、わたしは仕事を独占しないタイプなので(笑)、「ハリウッドブロウリフトは福岡でも受けられますよ」とお伝えしたんですね。それでも「次も来ます」と言ってくださって、もうありがたくて。次回も安心してお客様に満足いただける施術を提供しなくてはと、改めて思いましたね。
ヘアメイクのお仕事でご一緒する方からお客様を紹介していただくことも多いです。それから、ヘアメイクの仕事のときに、眉毛に悩みがありそうな方には、ハリウッドブロウリフトというのがあるよとご提案するようにしています。眉の真ん中が下がっていたり、左右のバランスが違ったりする方は、ハリウッドブロウリフトをすると、日々のメイクが格段に楽になりますから。
サロンをオープンしていちばん良かったことはお客様と会話ができること
――眉だけでなく、メイクアドバイスもされているんですよね?
はい、ハリウッドブロウリフトのメニューでは、最後に眉の描き方だけはお伝えしているんですが、別メニューでメイクレッスンも行っています。ちょっと重たいですけど、ご自身のスキンケア用品とメイク道具を持ってきていただいて、そのお悩みだったらこういうものを足したらいいですよとか、メイク前のマッサージの仕方やファンデーションの塗り方、ヘアのお悩みがある方には、美容師さんにこんなふうに切ってもらったらいいですよというご提案もしています。
皆さん2時間のアドバイスで満足されるんですが、最後におさらいの時間を設けているのでたっぷり2時間半のメニューになっています。顔半分のメイクをわたしがやって、反対側をお客様にやっていただきます。それでも終了後に、あれってどうやるんでしたっけ?という質問は皆さん必ずあるので、その後はラインでフォローするようにしています。
ハリウッドブロウリフトにメイクレッスンを合わせたメニューはたっぷり3時間半。皆さんに大満足していただいているメニューです。
――サロンを持つことのメリットは何でしょうか?
1対1で向き合うことで、より深い話ができることです。お子さんがいる方とは子どものことですごい盛り上がるし、年齢を重ねたせいか話をするのがすごく楽しいんですよね。このサロンを作っていちばんよかったのは、やっぱりお話ができることです。
ヘアメイクの仕事は、限られた時間の中で企画の趣旨に合ったスタイルを完成させることがタスクなので、長時間の会話はあまりないんですね。一方、サロンでのマンツーマンでの向き合い方は、お客様のファッションのテイストやライフスタイルにも触れ、会話の中でちょっとずつ悩みが出てくることもあります。それだったら、メイクはこんなテイストが合いますよ、そのテイストにするならファンデーションはこれがいいなど、お客様との会話がメイクアドバイスにも繋がっていくんですよね。
エミーさんが眉サロンを運営するためにとった3つの行動は
1.眉毛難民を救うためにハリウッドブロウリフトのディプロマを取得した。
2.サロン向けにいい場所があるよというチャンスを見逃さなかった。
3.お客様との会話をヒントにメイクアドバイスへ繋げる。
後編では、ヘアメイクのお仕事とサロン運営のWワークのリアルライフに迫ります。
取材・文/永瀬紀子