医療人として大切な“心と手”を育てる 神奈川衛生学園専門学校
横須賀中央駅からバスに揺られること数分。見晴らしの良い丘の上に校舎を構える神奈川衛生学園専門学校は、およそ60年の歴史を持つ、鍼、灸、あん摩マッサージ指圧を学べる学校です。2013年に完成したばかりの新校舎は小学校をリノベーションしたもので、スタイリッシュでありながらもどこか懐かしく、素敵な雰囲気。そんな神奈川衛生学園専門学校で学ぶ学生さんと、卒業生、そして東洋医療総合学科の学科長を務める笹倉先生にお話を伺いました。
後編の今回は、笹倉先生に語っていただきます。
他者を慮る心と、技術を育てる教育
――まずはこちらの教育理念を教えてください。
「本校は“心ある、そして考える医療人を育てる”ことを理念としています。患者さんを心から慮り、相手にとって最善なことはなにかを常に考えられる医療人になってほしいんです。技術を身につけるだけでなく、心も育てることの大切さをここで学んでもらえたらと思っています」
――“心を育てる”ために、どのような教育をされていますか?
「医療人間学という基礎カリキュラムを本校は用意しています。コミュニケーションを取ることが苦手な方も多いなかで、いかにして気持ちのいいやりとりを図るかを学ぶための授業なんです。たとえば、入学したら最初に家族や恩師、もしくは友人に“感謝の手紙”をひとり最低1通書いてもらいます。人からもらっているモノを当たり前のものとせず、一度立ち止まって心からありがとう、と伝えることは、人としてはもちろん医療人としても大切なこと。それを学んでこそ、本当の意味で他者を慮ることができるものだと思うのです」
――こちらならではの教育制度があれば教えてください。
「怪我や病気を予防するための、知識や技術を身につけることに重きを置いている点は、うちならではかもしれません。というのも、高齢者が増えてきている今、治療ができるだけでは足りないと思うんです。運動や栄養学などを通して健康を維持する方法を学び、そのうえで治療も学ぶことが大切だと本校は考えています」
小さな気遣いが、患者さんの安心感を生む
――学生さんに最も伝えたいことは何ですか?
「私たちの仕事は、絶対に患者さんの身体に触れるものです。そのため“触れる手をどう育てるか”も大事だと伝えるようにしています。実際、触れたときに安心感を持ってもらえる手というものがあるんです。手の印象が悪いと、心も身体も閉じてしまうもの。そうならないためにも、実技の授業をできる限り多く取り、学生の“手の印象”を率直に伝える機会を設けています」
――では、技術を教えるうえで大切にされていることはなんですか?
「人間の身体を立体的に見たうえで、症状に合わせてどこへどうアプローチするべきかを、手で覚えられるようにしています。たとえば、リンパマッサージと聞くと強い指圧で身体の深い部分にアプローチする手法を考えることが多いですよね。しかし、それでは子宮がんや卵巣がんの治療によるむくみは治らないんです。これらの治療では身体の一部を摘出してしまうので、本来流れる方向にリンパが流れないんですよ。そこで、皮下組織という身体の表面に限りなく近いところにあるリンパ液を、とっても柔らかいマッサージで流す“リンパドレナージ”という手法を使います。身体の浅い部分か、深い部分。どちらにアプローチすることが最善かを、考えられるよう教えています」
――最後に、笹倉先生が思うこちらの学校の魅力を教えてください。
「たくさんありますが…何よりも、人が魅力だと思います。学生、卒業生、そして教職員も、優しい人ばかりなんです。せかせかしない、穏やかな学校の雰囲気は、そんな“人のよさ”から生まれているのかもしれません」
明るい笑顔でお話をしてくださった笹倉先生。そんな彼女から伺った“リンパドレナージ”という手法は、なんと神奈川衛生学園専門学校が日本国内で初めて教えるようになったのだとか!日本医療リンパドレナージ協会に所属している方も、こちらの学校を卒業された方がとても多いのだそう。
きれいで開放的な雰囲気の校舎。心も技術も育つ教育。そして温かい先生による指導が、とっても魅力的な神奈川衛生学園専門学校。ここには、人を慮ることができる、素晴らしい鍼灸マッサージ師が育つ条件が揃っているようです。
明るい校風と綺麗な校舎はモチベーションアップに! 神奈川衛生学園専門学校>>