【フリーランスのライフスタイル】atelier ema’kさんの夢の叶え方
シェアサロンの普及などに伴い、最近耳にする機会が増えてきたフリーランス美容師。「どのようにして生計を立てているのか？」興味がある方も多いはずです。そこで、実際に活躍している現役のフリーランスヘアメイクにインタビュー。今回は、2015年からフリーランスとして働いているatelier ema’kさんに登場していただきました。
高校生の頃に、通信教育で美容師免許を取得したというatelier ema’kさん。「厳しく辛いこともありましたが、これからもずっと続けていきたい楽しい仕事です」と語ります。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか？「2年前にオリジナルのファンデーションを開発しました」とatelier ema’kさん。ヘアメイク以外の活動も気になります。
前編では、フリーランスに至るまでの道のりに迫ります。
高校生の頃に、通信教育で美容師免許を取得
――――まずは、フリーランスになるまでの経緯について教えてください。
「フリーランスになったのは2015年で、32歳の時でした。ヘアメイクの多くは高校卒業後に美容学校に進んでいますが、私は高校生の頃に普通科の学校に通いながら、通信教育で美容について学び始めました。高校時代に通信教育を受けた理由は、『ヘアメイクの仕事を始めるタイミングが遅くなる』と思ったからです。
私はこの頃からすでにヘアメイクへの憧れが強くあり、『ヘアメイクとして働くうえで美容師のスキルも持っていたほうがよい』と思っていました。そのためには、サロンで働き修行を積まなければなりません。そこで、高校生のうちに美容師免許を取得しておけば、『卒業と同時に就職できるな』と。つまり、2年ほど短縮することができます。
実際に高校を卒業して19歳で美容室に入社し、スタイリストデビューを果たした後に、23歳でヘアメイクの学校に入学しました。そして、24歳でヘアメイク事務所に所属し、27歳でアシスタントを卒業。まずは事務所のなかで独立して、32歳でフリーランスに転身しました」
もっと広い世界を見るために、フリーランスに転身
――――アシスタント時代は、どのような仕事が多かったのでしょうか？
「師匠がウエディングに強い方だったので、結婚式場で働くことが多かったですね。『ウエディングのヘアメイク』といっても、一般的な清楚な雰囲気ではなく、モードっぽい少しエッジが効いたスタイルを作っていました。
私は学生の頃から常識を覆す人に興味があったので、『ウエディングで、この雰囲気はすごいな！』と。そして、『このヘアメイクさんのもとで働いてみたい』と思い、事務所に連絡をしてアシスタントになりました。アシスタント時代は師匠も周りの先輩も素敵な方が多かったので、毎日刺激的で楽しかったですね。
仕事内容は順調に覚えることができましたが、ヘアメイクでの収入は少なく生活が大変だったため夜間にはアルバイトをしていました。ヘアメイクの仕事は、『明日仕事が入ったけど来れますか？』など、かなり唐突に依頼がくるので、常に『OKです』と言うために、日中はあえて予定を入れていませんでした。ちなみに、アシスタントとして1日働いてもらえる金額は、だいたい5,000円だったと思います」
――――それでは、なぜフリーランスに転身したのでしょうか？
「『もっと広い世界を見たい！』と思ったからです。アシスタントを卒業して単独で動き始めると、自分のこだわりがどうしても出てきます。また、『テレビの現場なんだけど、来てくれませんか？』と、他業界から声が掛かることもあったので『もっといろいろな仕事がしてみたいな』と。
ちなみに、クライアントから事務所へ連絡が入った際に、私の名前で指名をいただけることが増えてきて、先ほども言ったとおり他ジャンルの仕事のオファーが私個人にも度々あったので、フリーランスへの不安はそれほどありませんでしたね」
――――実際にフリーランスになってから、仕事はどのように変わりましたか？
「テレビ、ミュージックビデオ、イベントなど、ウエディングの他にもいろいろと担当することができて、やはり仕事の幅はすごく広がりましたね。ちなみに、転身した当初は人とのつながりを増やすために、異業種交流会に参加したこともありました。
フリーランスでの生活を振り返ってみると、直接仕事につながらなくても近い業界の方々と仲よくすることはとても大切だと思います。たとえば、私は交流会を通してカメラマンさんと仲よくなり一緒に撮影会をしたところ、その作品が仕事につながったこともありました。
そのため、いろいろな場所に顔を出して、なるべくたくさんの人と会話をすることが安定して仕事を続けるコツかなと思います。」
後編では、ヘアメイク以外の活動に迫ります。
▽後編はこちら▽
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