血のつながりがない大人でも頼っていい! ひとり親ならではの愛され教育【ピュビケアサロン白金台 セラピスト 金光しんさん】#2
美容業界で働くワーキングママやパパに仕事と育児の両立法を伺うこの企画。前編に続いて、デリケートゾーンのケアに特化したサロン『ピュビケアサロン白金台』のセラピスト、金光しんさんのインタビューをお届けします。
前編では切迫流産に見舞われたこと、結婚から離婚に至るまでの葛藤などを伺いました。後編ではコロナ禍で過ごした親子の時間について、ひとり親だからこそ大切にしているご近所付き合い、子育てのモットーについて語っていただきました。
お話しを伺ったのは…
ピュビケアサロン白金台
セラピスト 金光しんさん
高校卒業後、ネイルサロンやアロマテラピーなど美容にまつわるさまざまな職業を経験。15~6年前にブラジリアンワックスと出会い、天職と確信する。デリケートゾーンのケアに特化したサロン『ピュビケアサロン白金台』のオープンとほぼ同時に入社し、現在に至る。
いつも片付いた状態であるために、家事は早朝に終えます!
――朝が早いですね。
帰宅したとき、家の中がすっきり片付いた状態でないと落ち着かないんです。夜に家事をすると、そのまま夜型の生活になってしまうのがイヤなので、朝のうちに家事を済ませるようにしています。
靴を脱いだら揃えるとか、使ったものは元の場所に片付けるとか、子どものときから習慣づけておきたいんです。身体に染みこませておけば、片付けるように自然と身体が動くものだと思います。
――お子さんはすぐに起きてくれますか?
寒い日は特にぐずりますね。でも朝から怒鳴って起こすのは、お互いに気分が悪くなるので、絶対にやりません。身体をさすって、気持ちよく目覚めるように仕向けます。身支度を半分くらい手伝ったところで意識もハッキリしてくるので、何を食べたいのかを聞いて、食べたいものを作ります。
――学校が終わると、お子さんはお家で待っているんですか?
授業が終わると友だちと公園で遊んだり、実家の母のところで遊んだりしています。門限が17時なので、それまでに帰ってくるように伝えてあります。
――帰宅してから晩ご飯の支度をするのは大変ですね。
晩ご飯を作らない日もあります。週の半分くらいは外食です。外で食べた方が安かったりしますし。行きつけのお店があって、ほとんどが顔見知りなんです。お酒を飲んでいる人がいれば、おしゃべりをしている人もいます。DNAのつながりはなくても、男性ならみんながお父さんでありお兄さん。女性ならお姉さんでありお母さん。行きつけのお店に行くと時間を共有できる大人がいて、みんなが見守ってくれる愛される子どもになって欲しいと思っています。
学問より体験。アウトプットできる人間に育って欲しい
――保育園から小学校に上がるまで、仕事も育児も順調でしたか?
子どもが小学校に上がる前の健診で「ADHDの傾向がある」と診断されたんです。教育機関に問い合わせてもたらい回しにされるだけだったので、体験談をリサーチしたり、専門家にもさんざん相談したり。今は落ち着きましたが、集団の生活になじませるのが本当に大変でした。子どもの個性を分かってもらうのは時間がかかりますね。
ずっと突っ走ってきたせいもあって、ピンと張っていた糸が切れたように肉体的にもメンタル的にも疲れてしまって。1~2か月のお休みで復職できる自信もなかったので、2019年に退職することにしました。子どもという自分ではコントロールできないものができて、きちんと向き合わなくてはいけないと感じたんでしょうね。
――お店を辞めてからどうなさったんですか?
子どもと一緒に旅をしました。東京から2~3時間圏内の近場から、沖縄や九州、新潟も。コロナもあったので、人が集まらない場所を狙って行きました(笑)。
子どもを喜ばせるというよりは、自分がいちばん楽しんだかもしれません。計画を立てず、「明日はどうする?」なんて相談しながら。
――今は学校に通っているんですか?
ちゃんと通っています。でも学校へ行くことが辛ければ「週に1回は休んでもいい」ことにしています。どうして休みたいのか、自分の気持ちをアウトプットさせて、休むことを否定しないようにしました。休んだ日はゴミ拾いをするなど、何か目的を作って過ごしています。
――お仕事の方は?
2021年に復職しました。土日のどちらかを含めて週2~3日のお休みをもらっています。キャリアをつぶしたくない想いもありますが、フルに仕事をすると子どもと接する時間が足りません。そこがジレンマですね。
――どんな大人に成長して欲しいですか?
年齢や人種を超えて、いろいろな目線を持てる人になって欲しいですね。あとは自分の好きなように生きて欲しい。ひとり親できょうだいもいないので、人見知りをさせないように育ててきました。だからこそ「ありがとう」と「ごめんね」を素直に言えるようになって欲しいですね。
金光さん流! 子育てと仕事を両立させる3つのポイント
1.朝の時間をフル活用して、家事を済ませる
2.行きつけのお店でご近所コミュニティーをつくる
3.自分も子どももアウトプットして想いをきちんと伝える
お子さんのアウトプットする力を普段から育んでいる金光さん。「ママに言えないことでも、誰かには言ってね」と伝えているそう。ひとり親で一人っ子であっても、たくさんの大人に見守られている様子は、ちょっとうらやましく思いました。
撮影/森 浩司