ファンデーションを塗る順番は? お客様へのレクチャーに欠かせない技術をおさらい!
ファンデーションの塗り方次第で、メイクの仕上がりは大きく変わります。そのため、メイクに携わる仕事をしている方は、ベースメイクの効果的な手順や、アイテムの選び方などを、お客様に聞かれたら、正しくお伝えしたいものです。
ここではファンデーションの種類ごとに、塗る順番や、ベースメイクを美しく仕上げる方法など、 お客様へレクチャーするべきポイントを詳しく説明します。
ファンデーションはどこから塗る?
ファンデーションは片側ずつ、中心から外側に向かって塗るのが基本です。片側の頬→おでこ→あごの順に塗り、反対側も同様に仕上げます。その後、口もとや目もと、小鼻などのこまかい部分をていねいに整えて、最後に鏡を見ながら顔全体をチェックしましょう。
ファンデーションについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
ファンデーションとは? おさらいしておきたい基礎知識を紹介
種類別の塗り方をおさらい|パウダー・リキッド
ファンデーションにはいくつかの種類があり、それぞれの特徴に合った使い方をするとより美しく仕上がります。ここではパウダーファンデーションとリキッドファンデーションについて、それぞれの特徴や塗り方をおさらいしましょう。
パウダーファンデーション
パウダーファンデーションは、軽くてサラッとした付け心地が特徴です。さらに、持ち運びに便利なミラーやパフが付属しているものが多く、化粧直しにも最適です。
とくに脂性肌の方におすすめで、テカリを抑える効果があります。ただし、皮脂や汗によるメイク崩れが起こりやすい欠点もあるため、フェイスパウダーや下地の使用が重要です。
パウダーファンデーションの塗り方|スポンジパフ
顔全体に下地をなじませた後、スポンジパフの半分にファンデーションを取ります。頬→おでこ→あごの順に内側から外側に向かって均一に塗り、首や耳のまわり、鼻の脇までていねいに広げましょう。ファンデーションは追加せず、この量で顔の半分を仕上げるのがコツです。
反対側も同様に塗り、最後に目元や口元、小鼻などを仕上げます。
パウダーファンデーションの塗り方|ブラシ
下地をなじませた後、ブラシの先端にパウダーファンデーションを取り、余分な粉を手の甲などで払ってから、スポンジと同じ順序で顔に塗ります。
円を描くように優しくブラシを動かして、肌になじませるのがポイントです。ブラシを使うことで、自然でつややかな仕上がりになりますが、スポンジと比較してカバー力は劣ります。ブラシを利用する際には肌の悩みに合った下地をつける必要がある点は注意です。
リキッドファンデーション
リキッドファンデーションは液体なので肌になじみやすく、しっとりとした感触が特徴です。保湿成分が含まれていることが多く、乾燥肌の方や乾燥する季節に適しています。
重ね塗りすることで高いカバー力を発揮し、シミやそばかす、毛穴の開きなどに悩む方におすすめです。
リキッドファンデーションの塗り方|スポンジ
リキッドファンデーションを手の甲やパレットに出し、おでこ・両頬・あご・鼻にドット状にのせます。適量を守り、スポンジの広い面を使って外側に向かってのばします。頬は目の下の三角ゾーンを中心にのばすときれいな仕上がりになります。
最後にスポンジの細い部分で目もとや口もと、小鼻のまわりを仕上げます。優しく叩くように、ていねいに毛穴を埋めていきましょう。
崩れが気になる方は、スポンジを一度濡らして絞ったものを使用すると、より密着度が上がるのでおすすめです。
リキッドファンデーションの塗り方|ブラシ
手の甲にとったリキッドファンデーションを、ブラシに少量含ませ、頬の中心から外側に向かって伸ばします。口もとやあごまで均等に塗ったら、ファンデーションを足して反対側の頬も同様に塗ります。
再び少量のファンデーションをブラシに含ませ、おでこに伸ばします。内側から外側に向かって広げるのがコツです。最後にブラシの先端で目元や小鼻を整えましょう。ここではファンデーションは足さず、ブラシについているものを使います。
ファンデーションはいつ塗る? ベースメイクの順番をおさらい
ファンデーションは種類によって、含まれる水分や油分の量が違うため、ベースメイクの手順が異なります。たとえばパウダーファンデーションの場合はコンシーラーを先に、リキッドファンデーションの場合はコンシーラーを後につけると効果的です。
ここでは、それぞれのファンデーションを美しく仕上げる手順を説明します。
パウダーファンデーションの場合
コンシーラーの後にパウダーファンデーションを塗ることで、コンシーラーのヨレを防ぎ、より肌に密着させられます。
1.洗顔後、スキンケアをしてから日焼け止め、化粧下地をつけます。
2.カバーしたい部分にコンシーラーを塗ります。コンシーラーと肌の境目をスポンジやブラシ、もしくは指で叩いてなじませます。
3.最後にパウダーファンデーションを塗ります。
リキッドファンデーションの場合
リキッドファンデーションの場合、コンシーラーはファンデーションの後に塗ります。リキッドファンデーションには水分や油分が多く含まれるため、なじみにくくなったり、先に塗ったコンシーラーが落ちやすかったりするためです。
1.洗顔後、スキンケアをしてから日焼け止め、化粧下地をつけます。
2.上述した方法でリキッドファンデーションを塗ります。
3.気になる部分にコンシーラーを塗ります。
4.最後にフェイスパウダーを使い、ファンデーションやコンシーラーを肌に密着させます。
ベースメイクを美しく仕上げるポイントとは?
ベースメイクを美しく仕上げるには、ファンデーションの塗り方以外にも、「ファンデーションの選び方」や「アイテムの使い方」など、いくつかのコツがあります。ここではベースメイクのポイントを、3つご紹介します。
1. 肌の色や肌質に合ったファンデーションを選ぶ
ファンデーションにはさまざまな種類があります。ベースメイクを美しく仕上げるには、 お客様の肌の色や肌質、肌のお悩みに合ったファンデーションを選ぶことが大切です。ここではファンデーションの上手な選び方について説明します。
肌の色に合わせて選ぶ
肌に合った色味を選ぶことで、赤みやくすみを抑え、透明感のある肌に仕上がります。一方で色味が合っていなければ、白浮きや顔色が悪く見える原因になります。
お客様に合った色味を選ぶコツは、少量のファンデーションを顔と首の境目にのせて、もっともなじむものを見極めることです。できるだけ自然光に近い照明の下で選びましょう。
肌質やお悩みに合わせて選ぶ
乾燥肌でお悩みの方にはリキッドファンデーションを、脂性肌の方にはパウダーファンデーションを選ぶのが基本です。保湿成分が配合されたパウダーファンデーションや、ベタつきやテカリを防ぐリキッドファンデーションもあるため、製品の特性を見きわめておすすめしましょう。
なお、ファンデーション以外にも、コントロールカラーやコンシーラー、フェイスパウダーなどを併用することで、お悩みが解決する可能性もあります。
2. スキンケアがなじんでからベースメイクをはじめる
ベースメイクを美しく仕上げるコツは、スキンケアが肌になじんでから、ベースメイクをはじめることです。ベタついた状態ではベースメイクが肌に密着せず、化粧崩れの原因になるからです。忙しいお客様には、ティッシュオフなど時間をかけずにベタつきを抑える方法をレクチャーしましょう。
美容部員には「あたりまえ」のことでも、お客様が知らないことはたくさんあります。ちょっとした知識でも積極的にお伝えする姿勢が大切です。
3. ファンデーションだけで仕上げない
ベースメイクを美しく仕上げるには、ファンデーションだけで終わらせず、フェイスパウダーやコンシーラー、コントロールカラーなどを上手に使いこなすことが大切です。ここではそれぞれのアイテムの特徴や使い方のコツを説明します。
フェイスパウダー
フェイスパウダーには、粉末状のルースパウダーと、固形のプレストパウダーの2種類があり、化粧崩れを防止してベースメイクをなめらかに仕上げる効果があります。
付属のパフで塗るのが一般的ですが、よりナチュラルに仕上げたい場合はブラシを使うのもおすすめです。持ち運びに便利なプレストパウダーは化粧直しに最適。余分な皮脂をティッシュオフしてから、パフで抑えるように重ね付けします。
コンシーラー
コンシーラーは、シミやクマ、ニキビ跡など気になる部分をピンポイントでカバーするアイテムです。スティックタイプやリキッドタイプ、固形タイプなどさまざまなものがあり、お悩みや部位に合わせて使い分けます。
たとえば、ニキビ跡には肌よりもワントーン暗いリキッドタイプのものを選び、肌との境目をていねいになじませます。頬のシミやそばかすには、スティックタイプがおすすめ。色選びに迷ったら複数のコンシーラーを合わせて使うとよいでしょう。
コントロールカラー
コントロールカラーは、化粧下地として使い、赤みやくすみなどの肌の色味や、シミやそばかすなどのお悩みを補正するアイテムです。
コンシーラーがピンポイントでカバーするアイテムなのに対し、コントロールカラーは広範囲でカバーするのが特徴で、ピンク・紫・グリーン・イエローなどさまざまな色味が揃っています。血色が悪い人にはピンク、透明感を出したい人には紫、赤みを補正したい人にはグリーンなど、目的に合わせて使い分けます。
コントロールカラーについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
コントロールカラーとは? 色別の選び方&使い方を紹介
お客様にスムーズなレクチャーができるようにしよう!
ファンデーションは中心から外に向かって塗ること、ベースメイクは肌の色やお悩みに応じて選ぶことなど、ポイントをおさえてお客様にお伝えするのは、とても大切なことです。
お客様は美容部員に相談することで、肌のお悩みを解決したいと考えています。 お客様の期待に応え、スムーズにレクチャーできるように、つねにアンテナを張りめぐらせて、新しい知識を取り入れることを心がけましょう。