ホームヘルパーは、介護保険制度上の正式な名称を「訪問介護員」といい、文字通り、在宅での介護を希望する利用者宅を訪問して介護や生活支援を行う仕事のことをいいます。
介護保険法では、ホームヘルパーの業務に従事できるのは、介護福祉士の資格保有者と、訪問介護員養成課程や実務者研修などの修了証書を受領した者のみ。
ホームヘルパーの仕事内容は多岐にわたり、食事、入浴、排泄、被服関係や移動に伴う支援など高齢者の生活面一般ほか、利用者の家族への精神的なケアや、助言、介護の技術的な指導といった、利用者の家族の生活を全面的に支える手助けをする重要な仕事です。
仕事の性格上、家事全般を受け持つケースも少なくないため、利用者の性別に関わらず、男性よりも女性ヘルパーの方が好まれる傾向があります。そのため、ホームヘルパーの従事者のうち、男性と女性の比率は、2015年時点で2対8とも1対9ともいわれ、圧倒的に女性ヘルパーの方が多数という状況です。
介護業界全体で見ると、徐々にではありますが男性の職員も増えてきていますが、ことホームヘルパーという職種でいうと、まだまだ女性中心、というよりも、男性がほとんどいないという状況です。
これは、男性の求職者が少ないという面もありますが、利用者からの希望と言う面も少なからず影響しています。排泄や入浴の補助を男性にしてもらうことへの抵抗感のほか、高齢者世代が持っている家事へのイメージも大きいようです。
高齢者世代の間では、家事全般を受け持つのは女性である、という先入観を強く持っている人も少なくありません。女性の利用者の中には、男性の手料理など食べたことがないと言う人もいますし、男性の利用者からは「男のクセにこんな仕事を!」と説教を受けるケースもあるそうです。
日常的に家事を行っている女性が自然に働けるという事情の他、登録制で短時間の労働という就業スタイルが取れるところも、子育て中、扶養内での就労を希望する主婦にも人気があり、自然と女性の方が多くなる傾向にあります。
たしかに、日ごろから炊事、洗濯、掃除をそつなくこなしている主婦など女性の方が仕事もスムーズに行えそうですし、高齢者世代の先入観に逆らうこともなくホームヘルパーの業務を行うことができそうです。
しかし、ホームヘルパーの仕事は、ベッドから車椅子への移動、歩行補助など力仕事も随分あります。一般的に男性は女性より力が強い傾向にありますので、このような力仕事では、しっかり支えてくれる男性の方が安心感があるという声も少なくありません。
また、ホームヘルパーは、日常的な家事や生活の援助のほかにも、利用者とのコミュニケーションも大切な仕事のひとつですので、性差に関係なく利用者といかにいい関係を築けるかが重要になってきます。
現に、グループホームなどの介護施設では、利用者からの信頼を得て活躍している男性職員も数多く存在します。慢性的な人材不足で中高年の転職先としても、比較的入りやすく、今後は男性のホームヘルパーも増えてくるでしょう。
2015/09/20
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