グループホームへの転職のポイントと留意点


高齢化社会の進行とともに、認知症を患う高齢者が増加しています。
グループホームは専門の介護スタッフから援助を受けながら認知症高齢者が共同生活を送ります。
小規模で家庭的な雰囲気を大切にし、入所高齢者の方々の低下した認知機能をサポートしながら本人の自己決定を支援するのが他の介護施設とは異なる大きな特長です。

グループホームの介護スタッフの仕事範囲

他の介護と比較し、グループホームの仕事内容の大きな特長は、入所されている高齢者の方々と日常の生活を共有しながら支援することです。
家庭的な雰囲気を重んじ、日々の生活に必要な家事(調理、洗濯、掃除など)は、入所者と介護スタッフが一緒に行うのが基本。
そのため介護スタッフの仕事は、調理をはじめとする家事は必須のうえ、食事、掃除、更衣、排泄、入浴の介助など、介護業務全般が付加されます。
とはいえ、特別養護老人ホームのような身体介護の負担は少なく、転職をお考えの方は増えています。
他の施設との差異として体力的に楽だともいわれてます。
実際、グループホームは利用者の出入りがそれほど頻繁でないため、同一の入所者とのコミュニケーションや信頼関係が築きやすくなります。
施設ごとに入所者の方々の認知レベルは施設ごとに変わってくるため、一概にはいえませんが、一人一人に心のこもった介護やお世話ができる点が、強みであり大きなやりがいにつながります。

グループホームの就業シフトと転職条件

家事や介助以外では、介護スタッフは入所高齢者の方々と散歩や買い物、レクリエーションなどをして一日を過ごします。
就業シフトは日勤、夜勤を含む3~5交替での勤務が一般的。
夜間(午後6時~10時)および深夜(午後10時~午前6時)の時間帯は、入所者の人数に関わらず、宿直以外に常時一人以上を配置しなければなりません。
つまり勤務形態には夜勤がある点を留意のうえ、施設によっては夜勤兼夕食や朝食の調理も重なることがあります。
一方、グループホームへの転職はおおむね無資格、未経験者でも就職可能で受け入れられています。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を持っていると優遇されます。
2006年度からケアマネジャーは施設に必ず一名必要となったため、需要が高くなっているのです。
ケアマネジャーの資格を所有していると、家事や介助だけにとどまらず、計画作成担当者として、入所高齢者の方々のケアプランを管理することができます。

グループホームへの転職の注意点および留意点

グループホームは入所高齢者の特性によって、介護スタッフの仕事負担が大きく変わってきます。
重度の認知症による帰宅願望や、日常生活における拒否行動が過度になればなるほど、介護スタッフは精神的にも肉体的にも辛抱強さが求められます。
一般的にグループホームの定員は「ユニット」という単位で表されます。
1ユニットは9人となっており、多くの施設で定員は2ユニット、すなわち18人となっています。
入所者に対して職員が少ないため、スタッフは少人数で仕事をこなしていかなくてはなりません。
つねにチームワークを意識し、臨機応変な対応を求められる点を留意ください。
認知症の方が入所する施設という点は、全グループホーム共通です。
しかしどのような入所者が多いかは事業者により異なります。
自立している方が多い施設もあれば、介護重度の方が多い施設、医療サポート体制が手厚い施設などさまざまです。
同じ「グループホーム」でも、利用者によって求められるケアは大きく異なります。
転職を後悔しないためにも、事前の見学や面接、あるいは横のつながりで情報収集するなど、自分が望むケア環境か否かをリサーチすることが大切です。

前述の通り、グループホームは認知症を患う方が入所する施設です。
認知症は今後も高齢化社会では増え続けると予想されており、認知症ケアはますます介護に不可欠な要素となります。
グループホームへの就職や転職を考える際は、まず認知症ケアをしっかり学習する機会ととらえて、さまざまな角度から学ぶ姿勢が大切です。
そのうえで家事や介助全般を仕事内容とするグループホームに取り組めば、介護に関わるスタッフとしてさらなる成長が望めるでしょう。



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