デイサービス レクリエーションの悩み解消!


デイサービスでは、ほぼ毎日レクリエーションが催されています。中には週に1~2日しか催されない施設もありますが、ほとんどの施設では毎営業日に催されています。デイサービス以外の介護施設でもレクリエーションを行うところもありますが、「レクリエーションと言えばデイサービス」と言っても過言ではないほどレクリエーションとデイサービスの関係性は深いと言えます。
そして、そのデイサービスで働くスタッフの悩みで多いものがレクリエーション関連なのです。

「新しいレクネタが出てきません……」
「利用者の皆さんが喜んでくれません」
「何か簡単レクのアイデアをください!」

当然と言えば当然でしょう。レクリエーション担当になると、毎日新しいレク企画を提案しないといけないわけですから苦悩するはずです。更に、利用者は年齢も違えば要介護度も違います。認知症の方もいれば、目が見えにくい、耳が聞こえにくい方もいらっしゃいます。他にもはっきり喋れない人、車いすの人などいろんな方々がいらっしゃる高齢者施設で、すべての人に喜んでいただけるレクリエーションを行うというのはかなり難しいことなのです。
ここでは、デイサービスレクリエーションの概要、ゲームの種類について説明します。

■レクリエーションの目的

レクリエーションは「脳機能の活性化や身体機能の維持するためのものでないといけない」と考える介護職員が多いようですが、決してそれだけではありません。もちろん、脳機能や身体機能を維持・回復することも大切ですが、目的は他にもたくさんあります。

・脳機能の活性化
・身体機能の維持・回復
・利用者同士や利用者-職員間のコミュニケーション
・達成感、幸福感、満足感、安心感を得るなど

このように機能回復以外にも、「高齢者の生きがいの手助けをする」という目的もあるのです。

■レクリエーションで何をすれば良い?

インターネットが発展した現代ですから、レクリエーション内容で困った時にもネットで調べれば「高齢者介護施設レク アイディア集」のような記事ページやブログがたくさん検索できますし、「yahoo! 知恵袋」のようなQ&Aサイトでもいろんな種類のレクが掲載されています。ですから、探そうと思えば簡単に探すことができます。しかし前述したように、レクリエーションの目的をどこに設定するかによって、催す内容は変わってきます。ここでは、目的・カテゴリ別にレクリエーションをご紹介致します。

<身体機能の回復・維持>
水平線 要介護になってしまい、歩いたり身体を動かしたりする機会が減ってしまうと、どんどん身体機能が低下してしまいます。レクスタッフはそういった身体機能の維持や回復をするためのレクを考えないといけません。ラジオ体操などをする施設は多いようですが、せっかくですから楽しんで機能回復しましょう。

【スリッパとばし】 スリッパ飛ばし

[準備するもの・材料]
イス、スリッパ(もしくは輪投げの輪)、的

[ルール]
利用者世代なら子どものころにやった「靴飛ばし」のスリッパバージョンです。イスに座って施設のスリッパを飛ばすだけです。但し、距離を競うと体力差が出てしまいますし、思い切り足を振り上げると足の故障に繋がります。
なので、右図(➡ )のような的を床に置いて、点数を競うゲームにします。チーム戦にしてもOKです。スリッパの代わりに輪投げの輪を使うと、自力で足にかけるのが大変なので難度が上がり、楽しさがUPするかもしれません。


【スローイングスナイパー】

スローイングスナイパー
[準備するもの・材料]
空き缶(10個ほど)、お手玉、紙

[ルール]
簡単に説明すると、アラ〇のテレビ番組でお馴染み「キッキングスナイパー」のお手玉バージョンです。
点数の書いた空き缶を並べ、1~2メートル離れた位置からお手玉を投げて、空き缶を倒します。グループ対抗戦や「全部倒せばプラス〇点」などのルールを決めると一層盛り上がります。実際にやられた方からも「簡単でスゴク盛り上がりました!」という感想をいただいています。
お手玉の代わりに小さいビニールボールで代用しても結構です。

【ストローde吹き矢】
普段なかなか使うことのない、肺活量を鍛えることができるので重宝できるゲームです。

ストローで吹き矢
[準備するもの・材料]
ストロー(2種類)、ビニールテープ(目立つ色)、的

[ルール]
太さの異なる2本のストローの細い方を右図のように加工し、矢を作ります。太い方のストローに加工したストローを挿します。太いストローを吹いて矢を飛ばし、点数が書いてある的に当て、点数を競います。
的までの距離は利用者のみなさんの吹く力によって調整しましょう。

<体力づくり>
水平線 利用者の体力低下防止もスタッフたち仕事のひとつです。そのため、レクリエーションでは普段のレクに加えて、体力づくりも兼ねたレクを合わせて行く必要があるのです。

【風船バレー】
多くのデイサービスで行われているのが、この風船バレーです。元々は身体障害者用に考えられたスポーツですので、高齢者にもできるスポーツとして有名です。

[準備するもの・材料]
風船、小さい鈴(2個)、ネット

[ルール]
3対3、4対4など、チームに分かれて風船でバレーボールを行います。風船の中に小さな鈴を2つ入れることにより、目が悪い人でも音を頼りに風船を打ちかえすことができます。本格的にするにはコートを決めて、バドミントン用のネットを張ってプレイしますが、施設内で簡易的に行うようでしたら、参加者が円になってみんなで打ち合うのも良いでしょう。

【棒サッカー】
レクで行われるスポーツの中でもかなり激しく白熱するスポーツで、地域によっては大会も開催されているほどです。

[準備するもの・材料]
棒(新聞紙を丸めたもので可)×人数分、ドッジボール(ビーチボールでも可)、椅子×人数分

[ルール]
正式なルールに則ると、棒は長さ80cm、重さ200g前後という決まりがありますが、公式の大会に出場するつもりがないのなら、特にこだわる必要はありません。
図の様に、青チームと赤チームに分かれて、棒を使ってボールを誘導し、ゴールに入れるゲームです。みなさん座って行うゲームですので、自分の前にボールが来た時にだけ棒を操作するのですが、結構な運動になります。
ボールの代わりに風船、棒の代わりにウチワで仰いでプレイしても良いでしょう。
棒やウチワを使いますし白熱するので、利用者が怪我をしたり喧嘩になったりしないように注意が必要です。
棒サッカー


<手・指の機能訓練>
水平線 指や手を使って機能訓練を行うレクリエーションには、塗り絵や折り紙などがあります。テーブルに向って集中して芸術を楽しむことは利用者に喜ばれますよね。
しかしその一方で、同じ手の訓練でも「むすんでひらいて」などはあまり利用者に喜んでもらえません。機能訓練であることは理解していても、「所詮、こどもがする遊び」という思いがあるので、あまり進んで参加する様子は見られません。
やはり折り紙のように、何かを作って完成させるという課程に喜びを感じるようです。
手や指を駆使して何かを作る例としては、塗り絵や折り紙の他に、ビーズでアクセサリー作り、貼り絵、編み物などたくさんあるので、いろいろ試してみましょう。
また、完成した作品を施設に飾ることにより達成感が得られますし、見学に来られた方に対して「施設の現場で催していること」を理解してもらえます。

<脳機能の活性化>
水平線 頭を使うことによって認知症状の悪化を防ぐ効果があります。クイズや計算、漢字問題の様に答えを求めるものでも良いですし、想像力を鍛えるゲームも良いでしょう。

【お料理あてクイズ】
食材(具材)から料理を当てるクイズです。

[準備するもの・材料]
ホワイトボード

[ルール]
チームを2つ(人数が多ければ3つ)A・Bに分けます。Aチームが一人ひとつずつ、ある料理(例えばカレーライスや石狩鍋など)を作るために必要な材料を書きます。Bチームの人は、ひとつ材料が追加されるごとに話し合って、答えをひとつだけ「せーの」で答えます。正解がでなければ2人目、3人目というように進んでいきます。
正解が発表された時に「ウチではこんなの入れるよ~」などの会話になり、自然に笑顔が出て来ること請け合いです。

【ユニークしりとり】
他の人が考え付かない言葉をどれだけ思いつくかがポイントになるしりとりゲームです。

[準備するもの・材料]
B5~A4程度の白紙を人数分×5枚、ペン

[ルール]
リーダーとなる人が、しりとりの最初の文字を言います(例えば「こ」)。参加者はその文字に続く言葉を紙に書きます。「せーの」で全員一斉に言葉を書いた紙を出し、他の回答者と同じ言葉があったら、その紙を捨てます。これを1回戦として5回戦まで行い、手元の紙がたくさん残っている人の勝ちです。つまり、思いつく言葉がユニークであればあるほど勝てるゲームです。
ユニークしりとり

<コミュニケーション>
水平線 利用者やスタッフとコミュニケーションを取ることにより、「デイサービスに来るのが楽しい」と思ってもらえると、それが生き甲斐にも繋がります。利用者に「介護施設に行く」と思わせるのではなく「友達がいる場所に行く」のような感覚になってもらえるように、うまくコミュニケーションを取れるゲームをするようにしましょう。

【ブラックヒャック】
21点を目指すブラックジャックに対して、100点を目指すカードゲームです。

[準備するもの・材料]
1~25の数字が書いたカード(各1枚:25枚)

[ルール]
2チームに分かれた対抗戦です。交互にカードを引き、手持ちの合計が100に近い方が勝ちというゲームです。もちろん100を超えたらドボンですので、良いと思ったところでストップをかけるのがポイントです。
基本は運まかせのゲームと思うかもしれませんが、トランプと違って25枚しかないので、今までに出たカードを把握しておけば勝つチャンスはあります。
負けチームは罰ゲームなんて決めておくと一層盛り上がります。

【都道府県でビンゴ!】
数字の代わりに都道府県を使ったビンゴです。

[準備するもの・材料]
A4サイズの用紙を参加人数分、ペン

[ルール]
A4用紙に5×5のマス目を書き、参加者はそのマス目に好きな都道府県を書きます(25個)。参加者が一人ひとつづつ都道府県を言って行き、言った都道府県が用紙にあった場合に〇印をつけていきます。1列そろえばビンゴで勝ちです。
他の人が書きそうな(言いそうな)都道府県名を書くのがポイントです。
書く内容は都道府県名だけでなく、野菜や動物などなんでもでもOKです。

<幸福感・満足感・安心感>
水平線 映画鑑賞やカラオケも喜ばれるレクです。「一般の人がするような遊びを自分もできている」という満足感や幸福感が得られるのです。また、歌をうたうことで、ストレス発散にもなりますし、懐かしい映画を観ることで自分自身の当時の経験や体験を思い出して会話が盛り上がったりもします。
スタッフからハンドマッサージを受けるというのも、スキンシップにより安心感が得られるという効果があるようです。

<達成感>
水平線達成感を得られることにより生き甲斐を感じることが多いようです。例えば、クリスマスや節分などの季節のイベントに向けてみんなで飾り付けなどの準備をするなど、一丸となって何かを作るというのは完成した時に達成感を得られます。学生の時に文化祭に向けてクラス全体で何かを作るようなイメージです。
また、畑やプランターで花や野菜を作る園芸も、実際に実ができたり花が咲いた時に達成感を得られますし、それ自体が生き甲斐になります。日時と併せて写真を貼ったり、観察日記を付けるのも楽しいでしょう。
長期的なスパンで何かを作ることで目的意識が強くなり、デイサービスに来ることの意味を感じることができるのです。
園芸

■レクリエーションで何をすれば良い?【脳トレ編】

<脳トレは重要>
近年、介護予防や認知症予防の他、身体の多くの機能活性化につながるという観点から、デイサービスのレクリエーションでは脳トレが実施されています。脳トレを実施することで、以下のような様々な利点が期待でき、生活の質の向上が望めます。

・脳の活性化
・記憶力の向上
・思考力の向上
・脳年齢の若返り
・認知症予防

<デイサービスレクリエーションでの脳トレのポイント>
レクリエ―ションで脳トレをする時、スタッフが一番重視することは、楽しく脳トレをしてもらえるようにするということです。デイサービスではそういったことを意識しながらOTの職員たちが高齢者の一人一人に適した問題を提供しています(OT:作業療法士)。
スタッフのみなさんは熱心に問題を考え、提供していますが、あまり熱心すぎると落とし穴があります。認知症予防や脳機能向上ばかりに目が行ってしまうと、高齢者にとっては脳トレがつまらない場合があります。 一見、熱心に脳トレに取り組んでいるように見えても実際は「したくない」「面倒だ」「もう飽きた」というような、ネガティブな表情をしている方もたくさんいます。脳トレを提供している高齢者の方たちの表情は大切な情報源ですので、表情から高齢者の気持ちを読み取るようにしましょう。

<おすすめの脳トレ>
おすすめの脳トレとして、脳の活性化に効果的な「連想ゲーム」はいかがでしょう。連想ゲームは言わずと知れた“いつくかの言葉から連想される答えを導き出す”ゲームです。この連想ゲームが脳の活性化に効果的な理由として、以下の力が必要なことが挙げられます。

・ヒントから想像する力
・ヒントを関連付ける力
・いくつかの候補の中から正解する力


連想ゲームはこのように、いつくもの動作を一度にする必要があります。一つのことより複数のことを一度に行う方が脳が活性化します。そういう意味では、一度に3つの力を要求される連想ゲームは脳トレの理想的問題の一つであると言えます。

<脳トレを運営していくポイント>
脳トレは何よりも継続が大事ですが、人間はどうしても飽きてしまうので、継続するのは簡単ではありません。継続の条件として、問題自体が楽しいのは第一条件ですが、もうひとつの大切な条件は、高齢者の人に自信を持ってもらうということです。ちょっと考えると答えらえるレベルの問題を出すことにより、問題解決能力があるという自信を持ってもらうことで、飽きずに続けることができるでしょう。

<脳トレは無理せず、簡単なものから!>
難しくて解けない問題やストレスがたまる問題だと、高齢者のやる気が失せてしまいます。最初は簡単なクイズやリズムのレクなど、気軽に参加できる脳トレから始めることをおすすめします。

■レクリエーションで何をすれば良い?【歌遊び】

<デイサービスレクリエーションでの歌選びのポイント>
デイサービスのレクリエーションでは歌を唄うことが多いですが、その歌を選ぶ時のポイントを2点ご紹介します。
歌選びのポイントとしてまず大切なのは「歌いやすさ」です。唄うこと自体が難しい歌を選んでしまうと楽しくありませんので、昔から唄ってきたような高齢者の方になじみがある歌を選びましょう。
更に、「季節感」がある歌を選ぶことも大切です。高齢者の方は外出の機会が少ないため、なかなか季節を肌で感じる機会がないのです。季節ごとの歌を歌うことで、楽しめるレクリエーションであると同時に季節を味わってもらうことができます。

<デイサービスレクリエーションで歌を歌うことの効果>
歌を唄うことは、発声によってストレス発散されるだけに留まらず、心肺機能のトレーニングにもなります。
また、懐かしの音楽を使うことで若い頃を思い出してもらうので、気持ちが若々しくなります。昔の歌を唄うことで回想法の効果もあり、脳が活性化されるため、認知症ケアや認知症予防にも繋がると言われています。
リズムに合わせて体を動かすことは音程やリズムなどの感覚を使うので、様々な器官を刺激し、機能向上に貢献しています。更に、仲間と楽しい音楽に触れることは社会性を取り戻し、生活の質が向上するという効果も期待できます。

■おすすめの歌レクリエーション

<童謡やわらべ歌>
懐かしい昔の歌を唄うことは、昔を思い出してもらう効果があります。こういった現象は脳を刺激し記憶力などを活性化する効果が期待できます。

[遊び方の手順]
準備するものは以下の通りです。
・歌詞カード
・カラオケ音源、もしくは歌の入ったCD

[ポイント]
歌詞を見ながら歌ってもOKですが、歌詞の一部を空白にしたカードを用紙して、歌詞を覚えているかどうかチャレンジしてもらうのも楽しいでしょう。
選曲は誰もが知っているものがおすすめです。カラオケ設備などを使って順番にマイクを回すのもOKでしょう。

<ふるさとソング&スケッチ>
これは音楽を聴きながら、浮かび上がった情景を自由に絵に描くレクリエーションです。ふるさとなどの歌を使うと、風景が歌詞にも歌われイメージがしやすいのでおすすめです。高齢者の心の中から浮かび上がってきた情景を絵という形で開放してあげることが目的です。音、リズム、歌詞、絵が高齢者の方の感覚を刺激し、脳の活性化につながるのです。

[遊び方の手順]
用意するものは以下の通りです。
・画用紙
・絵が描けるもの(色鉛筆、マジック、クレヨンなど)
・音楽(童謡など、懐かしい情景が思い浮かびやすい音楽)

[進め方のコツ]
最初にみんなで一緒に童謡を歌います。その後、その歌を思い出しながら一人一人自由に絵を描いてもらいます。情景を思い浮かべて描いてもらいますが、他の人とおしゃべりをしたりしながら絵を描くことで、周りの人と触れ合い、社会性の向上が期待でき、コミュニケーションも活性化します。
描きあがった絵を、音楽を流しながら見せあう時間をつくることで、より楽しかったという印象が残りやすくなり、高齢者の方にとって達成感を味わってもらえます。
色彩と音楽が脳を活性化する環境を整えるため、色々な色のペンや色鉛筆、クレヨンなどを用意するようにしましょう。

<「もしもし亀よ」8421体操>
童謡「もしもし亀よ」のリズムに合わせて歌いながら自分の肩を叩くレクリエーションです。歌うだけでなく、体と頭を使うので脳の活性化の効果が期待できます。

[遊び方の手順]
「もしもし亀よ」を歌いながら、右肩を8回、リズムに合わせて叩きます。右肩を叩いたら左肩を8回叩きます。続けて、8、4、2、1回ずつ左右の肩を叩きます。
「右と左の肩8回ずつ、右と左の肩4回ずつ、右と左の肩2回ずつ、右と左の肩1回ずつ」叩く要領です。歌が終わると同時に両手を「パン」と胸の前で叩きます。
歌を歌う、リズムに合わせる、数を数える、肩を叩くことを同時に行うことで、体と頭、心を活性化します。

[進め方のコツ]
最初は難しいと思いますので、スタッフが見本を見せながらやるのがおすすめです。最初はゆっくりはじめて、慣れてきたら普通のスピードにするようにしましょう。

<童謡カルタ>
童謡を使ったカルタです。歌を聴いて、童謡の最後の歌詞が描いてある札を取り合います。札に点数を描く等により、ゲームの要素を入れることで、楽しみながら頭と体を使うことができます。

[遊び方の手順]
まずは、カルタや床やテーブルに並べ、音楽を順番に読み手が歌っていきます。プレイヤーは最後の歌詞を思い出しながら札を探し取っていきます。

[進め方のコツ]
用意する物は以下の通りです。
・童謡の最後の歌詞がかかれた札(段ボールや画用紙で大きめの札にする)。

カルタの札の裏に、得点を書き、最後に取った札の合計点で競い合うようにします。取った枚数ではなく、点数で勝ち負けが決まるので、最後まで勝負の行方が分からずスリルが増します。また、数枚の札には歌詞の2番や3番などと書いておくことで、ドキドキ、ハラハラの要素が加わります。

■レクリエーションに必要な能力

ここまでレクリエーションの企画案を紹介してきましたが、楽しいレクリエーションをするには、企画内容が良いだけではダメです。司会進行(MC)がうまくないといけないのです。ちょっとハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、逆に言うと企画自体はおもしろくなくても、司会がうまいとおもしろくなるということです。テレビを見ていても同じことが言えるのではないでしょうか。内容はそれほどおもしろくないのに、司会の進行具合でおもしろいと感じることがあるでしょう。
では、うまい司会とはどんな司会なのでしょう。これもテレビ番組で考えるとわかりやすいと思います。例えば、出て来たばかりの若手芸人が司会をすると見ていて不安になりますよね。でも明石家さんまさんやタモリさんが司会をしていると安心して見られます。自信を持って堂々としている司会者は見ている方も安心するのです。
また、円滑な進行だけでなく、参加者に楽しんでもらえることも大切です。普段から「周りの人を楽しませたい」と思っている人はその適性があると言えるでしょう。うまく参加者を楽しませて、最後に「ありがとう」なんてお礼を言われた日には、司会者冥利に尽きますね。
ところで、レクリエーションにも資格があるのはご存知ですか? 公益財団法人「日本レクリエーション協会」という組織があり、そこでは「レクリエーション・インストラクター」や「レクリエーション・コーディネーター」などの資格を取ることができます。自分自身にレクリエーションの能力があるのかどうかを知りたい人は、受けてみるのも良いかもしれません。
また、日本ケアレク研修大会という大会が毎年全国で行われています。参加費用はかかるようですが、興味がある人や勉強したい人は参加してみてはいかがでしょう。

■まとめ

これまで、いろんな例を上げてレクリエーションについて話して参りましたが参考になりましたか?
レクリエーションには機能回復や生き甲斐づくり、利用者に楽しんでもらうなど様々な目的があります。目的意識を持って、楽しい司会進行をすることで参加者には満足してもらえるでしょう。
ここでは、できる限り他ではないレクを紹介して参りましたが、有りものがダメということではありません。カラオケや映画鑑賞以外にも、トランプゲームをする施設もありますし、Wii Uであそぶ施設もあります。どうしてもレクの内容を思いつかない場合は、そういった有りものを使うのもたまには良いと思います。
せっかくのレクリエーションですから、利用者もスタッフも楽しめるものにしたいですね。

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