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特集・コラム 2021-08-07

ケアマネジャー(介護支援専門員)がスキルアップのために受ける研修とは?

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事というのは、社会状況の変化などによって内容が変化します。そのため、一度資格を取ればそれでいいというわけではなく、時代に合わせて柔軟に対応できるような勉強を重ねなければなりません。

そんなケアマネジャーには、効率よくスキルアップするためのさまざまな研修が用意されています。今回は、スキルアップのために受けられる研修をご紹介していきますので、参考にしてくださいね。

ケアマネジャー(介護支援専門員)がスキルアップのために受ける研修とは?

ケアマネジャーがスキルアップをするために受ける研修には、いくつかの種類があります。ここでは東京都を例にしてご紹介していきます。

ただし、都道府県によって研修には若干の違いがありますので、必ずお住いの地域の自治体の情報を確認するようにしてください。

ケアマネジャーの研修目的とは|知識や対応など専門性の向上を図る

ケアマネジャーというのは、介護保険制度の柱ともいえるケアマネジメントを担当する立場にあります。要介護者を支援するための知識や対応などの専門性の向上を図り、利用者の自立支援に適切なケアマネジメントができるようにするのが目的です。

ケアマネジャーに必要な研修とは?

ケアマネジャーになるためには、まずは介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格しなければなりません。合格したあとは都道府県に登録することになるために、必ず受けなくてはならない研修があります。ここでは、ケアマネジャーが受けるべき研修をご紹介します。

実務研修|試験合格者が対象

試験に合格した人は、都道府県ごとに開催される「介護支援専門員実務研修」を必ず受けなければなりません。この研修の受講日数は87時間で、ケアプランの作成はもちろん、ケアマネジメントの基本からプロセスといった知識と技能を学ぶことになります。

再研修|5年以上実務に就かなかった場合など

5年以上実務に就いていない、あるいは介護支援専門員証が失効したけれど、再度ケアマネジャーとしての業務に就くためには、介護支援専門員再研修を受けなければなりません。再研修は54時間で、ケアプランの作成などといった業務の基礎知識と業務を学びます。

更新研修|5年毎の受講が必要

介護支援専門員証の有効期間は5年なので、その期間を更新するためには有効期限内に更新研修を受講する必要があります。

更新研修1回目は88時間、2回目は53時間または32時間です。なお、ケアマネジャーとしての実務経験の有無で研修すべき受講時間が異なるので、自分に合ったものを選択しましょう。研修内容は介護保険制度改正などの最新の動向、認知症や医療との連携事例などです。

ケアマネジャーがスキルアップのために受けたい研修とは?

ここからは、スキルアップしたい人が受けられる現任者向けの研修をご紹介します。義務というわけではありませんが、より幅広い知識を取得しておきたいケアマネジャーにはおすすめです。

専門研修Ⅰ|実務就業後6カ月以上の人

専門研修Ⅰは、実務就業後6カ月以上の人が対象です。東京都の場合、専門研修Ⅰは7日間会場で研修を受けるのにくわえて、自宅でDVD視聴を履修する「通信コース」と、10日間会場で研修を受ける「通学コース」が用意されています。

専門研修Ⅱ|実務就業後3年以上の人

専門研修Ⅱは、実務就業後3年以上の人を対象とした研修です。この研修を受けるためには、専門研修Ⅰを修了していることが条件となっています。

専門研修を受けるメリットとは?

ケアマネジャーが専門研修を受ける目的は、スキルアップだけではありません。専門研修を受けることによって、いくつかのメリットがあります。こちらでは、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

更新研修の一部もしくは全部が免除される

介護支援専門員証が有効期間内の間にⅠかⅡを受講すると、更新研修の一部もしくは全部が免除されます。ⅠとⅡの両方を受講した場合にはすべて免除で、そのまま介護支援専門員証の更新申請をすることが可能です。

主任介護支援専門員の研修を受講できる|実務経験5年以上

実務経験5年以上の現任者がⅠとⅡの両方を受講した場合には、主任介護支援専門員の研修を受講することが可能です。くわしいことは、次項でご紹介します。

主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)とは?

ケアマネジャーの資格には段階があり、所定の研修を受講することによって主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)になることができます。

具体的にこの仕事はどんな内容なのか、資格を取得するためにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは東京都の例で解説しますが、各自治体によって違いがあるため、必ず各自治体の内容を確認するようにしましょう。

主任ケアマネジャーとは|ケアマネジャーの上位職

主任ケアマネジャーというのはケアマネジャーの上位職のことで、ほかのケアマネジャーの育成や指導をおこないます。地域包括ケアシステムの中核となる存在で、地域包括支援センターには主任ケアマネジャーの配置が義務づけられているのです。

主任ケアマネジャーになるには|研修を受けて資格を取得しよう

主任ケアマネジャーになるためには、いくつかの要件を満たしたうえで主任介護支援専門員研修を受講しなければなりません。一度、主任ケアマネジャーの資格を取得したあとは、5年ごとの更新制となります。

研修要件|専門研修Ⅰ・Ⅱなど

実務経験が5年以上あり、専門研修をⅠとⅡの両方修了しているケアマネジャーは、主任ケアマネジャーになるための主任介護支援専門員研修を受給する資格を与えられます。

実務経験要件|実務5年以上・ケアマネジメントリーダー養成研修終了など

実務経験が5年以上あり、ケアマネジメントリーダー養成研修を修了しているケアマネジャーも主任ケアマネジャーになるための研修を受けることができます。認定ケアマネジャーの資格を保有していて、かつケアマネジャーとして3年以上の勤務経験がある人も同様です。

区市町村推薦要件|地域の中核になる能力と意欲がある人

ケアマネジャーの業務に関してじゅうぶんな知識と経験を保有しており、地域の中核になる能力と意欲があると市区町村に認められているケアマネも主任ケアマネジャーになるための研修を受ける資格があります。

主任介護支援専門員研修ではどんなことを学ぶの?

主任介護支援専門員研修の時間数は70時間で、介護保険サービスとほかの保健・医療・福祉サービスとの連携調整、適切で円滑なケアマネジメントを提供するための知識や技術を習得します。

受講には東京の場合5万2,600円の費用がかかりますが、都道府県によってかなりの違いがありますので、必ずそれぞれの自治体の確認するようにしましょう。

主任介護支援専門員も更新研修が必要!

主任介護支援専門員も、2016年度からケアマネジャーと同様に更新研修を受けることが義務づけられました。更新研修は時間数が46時間で、主任ケアマネジャーとして継続的な資質向上を図るための知識や技術を学びます。

主任ケアマネジャーの有効期間は、主任介護支援専門員研修あるいは主任介護支援専門員更新研修の修了証明書に記載されている修了年月日から5年間ですので、その間に忘れずに更新するようにしましょう。

実施されている研修を受けてスキルアップを図ろう!

ケアマネジャーは広範囲の知識を必要とされる職業です。ケアマネジャーとしてスキルアップを図っている研修がいくつか実施されていますので、仕事が好きな人はコツコツと勉強を積み重ねて知識を深めていくとよいでしょう。

さらに、主任ケアマネジャーのほかに認定ケアマネジャーという資格もあり、こちらは日本ケアマネジメント学会が施行しており、情報は同協会のホームページに掲載されているので一度チェックしてみるとよいでしょう。いずれ認定ケアマネジャーを目指すためにも、まずは主任ケアマネジャーの研修を受けるのを視野に入れてみるのがおすすめです。

引用元:
厚生労働省 介護支援専門員実務研修ガイドライン
厚生労働省 主任介護支援専門員研修ガイドライン
公益財団法人 東京都福祉保健財団 介護支援専門員 実務研修
公益財団法人 東京都福祉保健財団 第23回第2期東京都介護支援専門員実務研修の受講者の募集について
公益財団法人 東京都福祉保健財団 介護支援専門員 再研修
公益財団法人 東京都福祉保健財団 令和3年度第2期東京都介護支援専門員再研修の受講者の募集について
公益財団法人 東京都福祉保健財団 令和3年度 第2期 東京都介護支援専門員再研修【通信】日程
公益財団法人 東京都福祉保健財団 介護支援専門員 更新研修
公益財団法人 東京都福祉保健財団 令和3年度第2期期東京都介護支援専門員更新研修(実務経験者)32時間の受講者の募集について
公益財団法人 東京都福祉保健財団 介護支援専門員 専門研修Ⅰ
公益財団法人 東京都福祉保健財団 令和2年度第1期度東京都介護支援専門員専門研修課程Ⅰのお知らせ
公益財団法人 総合健康推進財団 介護支援専門員研修 東京都 専門研修課程Ⅱ
東京都福祉保健局 介護支援専門員実務研修 カリキュラム
東京都福祉保健局 主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)

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