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特集・コラム 2022-02-02

保育士は国家資格なの? 資格を取得するには?|保育士国家試験の概要を紹介

保育士は働いている親にとってはなくてはならない存在です。とくに子どもがいる世帯にとっては身近な存在である保育士。今回は保育士について、資格の取得方法や試験の概要についてご紹介します。

保育士は国家資格? 資格を取得するにはどうすればいいの?

保育士は国家資格であり、ある一定の水準に達していなければ資格を取得することはできません。では、保育士の資格を取得するためにはどうすればいいのでしょうか?
ここからは、資格取得のための2つのルートや幼稚園教諭との違いなどについてご紹介します。

保育士は国家資格|専門的知識と技術で子どもたちの保育などをおこなう

保育士の資格は、児童福祉法第18条の4で明確に定められている国家資格です。専門的な知識や技術をもとに、子どもに対して保育をおこない、保護者に対しても保育指導をおこないます。

幼稚園教諭との違いは?

保育士と比較されることが多い幼稚園教諭との違いは、設置している目的や対象年齢、管轄など。
保育士は厚生労働省の管轄で、0歳児から小学校就学までの子どもに対して保育をおこないます。

一方で幼稚園教諭は国家資格ではなく、文部科学省の管轄。満3歳から小学校就学までの子どもに対して教育をおこなうことを目的としています。

資格を取得するには? 2つのルートを紹介

保育士の資格を取得するためには、以下の2つのルートがあります。
・都道府県知事が指定する保育士を養成する学校やその他の施設で所定の課程・科目を履修し卒業するルート
・保育士の国家試験を受けて合格するルート

これら2つのいずれかのルートで、保育士の資格を取得できます。ここでは、それぞれのルートについて詳しく見ていきましょう。

1. 試験不要ルート|短大や専門学校などの指定保育士養成施設を卒業

都道府県知事が指定する保育士養成の学校を卒業するルートでは、国家試験を受けず保育士の資格を取得することが可能です。4年制の大学や短大、専門学校などの指定保育士養成施設を卒業することで、保育士の資格を得ることができます。

2. 試験受験ルート|保育士試験を受験&合格

保育士試験を受験し、合格することでも、国家資格を取得できます。保育士試験については、受験資格を満たしていれば受験可能です。

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保育士試験についての詳細は、次項から詳しく解説します。

保育士試験の概要を紹介!

保育士は乳幼児を対象としており、予測が難しい行動や言動への対応が求められます。そのため、自ずと資格取得の難易度も高くなっているのです。

保育士国家試験は年に2回おこなわれており、筆記試験と実技試験の2つがあります。
ここでは、2022年度・2021年度のデータにもとづいて、より具体的な保育士試験の概要についてご紹介しましょう。

1. 試験は年2回実施|前期・後期

保育士の国家試験は年に2回、筆記試験と実技試験が実施されます。前期と後期に分かれており、前期は筆記試験が4月中旬、実技試験が7月上旬実施です。後期は筆記試験が10月下旬、実技試験が12月中旬実施されます。毎年少しずつ日程は変わるため、前もって把握しておきましょう。

なお2022年度の筆記試験は4月23日(土)、24日(日)、実技試験は7月3日(日)におこなわれる予定です。

2. 試験内容|筆記試験・実技試験

筆記試験はマークシート式で8科目から出題。実技試験は3科目のなかから2科目を選ぶ形式です。筆記試験に合格した人だけが実技試験に進むことができます。

ここからは、具体的な筆記試験の出題範囲と実技試験内容についてご紹介します。

筆記試験の出題科目・範囲|保育原理や社会福祉など

筆記試験の出題科目は、以下の8科目です。
・保育原理
・教育原理
・社会的養護
・子ども家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保険
・子どもの食と栄養
・保育実習理論

教育理論と社会福祉養護は10問ずつ、それ以外の各科目からは20問ずつ出題されます。

実技試験の出題科目・範囲|保育実習実技

実技試験では、音楽、造形、言語に関する技術の3科目のなかから2科目を選ぶ形式です。

音楽では、子どもに対して歌を聞かせることを前提に、課題曲2曲を弾きながら歌います。造形では45分間で保育の場面を絵画で表現。言語では3歳児クラスの子どもに、3分間のお話をする想定で、子どもが集中できるようなお話をします。

問題は無料ダウンロート可能|全国保育士養成協議会

国家試験への学習方法としては、過去の問題を繰り返し解くという方法を実施する人も多いでしょう。過去問は全国保育士養成協議会のホームページにて、無料でダウンロードできます。

ただし書籍には、便利な解説が掲載されており、学習がはかどる場合もあります。以下はおすすめの書籍です。ぜひ参考にしてみてください。

・『2022年版 ユーキャンの保育士 過去&予想問題集』
ユーキャン保育士試験研究会

前半では、科目ごとに過去問を厳選して掲載しており、設問ごとにわかりやすく解説されています。公判では2回分の模試に挑戦でき、本番前にはこれをくりかえし解くだけで準備完了です。

3. 受験資格

受験資格には一定の条件がありますが、最終学歴が大学卒業であるのか、短大卒業であるのか、高校卒業であるのかなどで少しずつ異なってきます。
ここからは、より具体的な条件について見ていきましょう。

大学卒業・在学中ルート

大学を卒業していれば、保育士とは関係のない学部・学科でも受験資格を得られます。また大学在学中や中退の場合、2年以上在学した実績があり、62単位以上習得済みであれば、保育士とは関係のない学部・学科でも受験資格を取得できます。

短大卒業・在学中ルート

短期大学を卒業している場合、在学中である場合は保育士とは関係のない学科でも受験資格を得られます。
ただし短期大学のルートの場合、年度中に卒業できなかった場合は合格とならないため注意が必要です。

専門学校卒業・在学中ルート

以下の2つの条件を満たしている場合は、保育士とは関係のない学科でも受験資格を得られます。専門学校在学中でも同様です。
・学校教育法にもとづいた専修学校である
・卒業した課程が修業年2年以上の専門課程である

高校卒業ルート|実務経験が必要なルートも

このルートでは、以下のうちいずれかの条件に当てはまれば、受験資格を得られます。
・1991年3月31日以前に高等学校を卒業している
・高等学校卒業が1991年4月1日以降の場合、保育科の高等学校を1996年3月31日以前に卒業している
・保育科以外を卒業、または保育科を1996年4月1日以降に卒業している場合、該当の施設にて、2年以上かつ2880時間以上の実務経験がある

中学卒業ルート|実務経験が必要

義務教育のみの教育でも、実務経験があれば受験資格を得られます。実務経験としては、該当の施設にて、5年以上かつ7200時間以上が条件です。
該当の施設とは、保育所や児童養護施設などの児童福祉法第7条にもとづく児童福祉施設となります。

海外の学校卒業ルート|事前確認書類の提出が必要

海外の学校は日本と教育制度が異なるため、受験資格の有無を事前に確認されます。以下の場合は事前に確認が必要です。
・日本の高等学校卒業+児童福祉施設において2年以上かつ2880時間以上従事している
・児童福祉施設で5年以上かつ7200時間以上従事している

ただし最終学歴が海外の卒業であっても、以下の場合は受験資格があるため、事前の確認は不要です。
・1991年以前に高等学校卒業
・日本の短期大学、大学、専門学校を卒業

自分自身に受験資格があるかどうか不安な場合は、一度問い合わせてみましょう。

実務経験ルート|児童福祉施設での実務経験が必要

以下のいずれかの場合は、受験資格を得られます。
・高校を卒業している場合、勤務期間は2年以上で総勤務時間数が2880時間以上
・高校を卒業していない場合、勤務期間は5年以上で総勤務時間数が7200時間以上

いずれも受験資格に該当する施設での勤務実績が必要です。

4. 合格率

2020年度の合格率は約24.2%。ここ数年間合格率は20%前後で推移しており、保育士の国家試験の難易度の高さを表しています。
なお、2021年度分は後期がまだ発表されていないので出ていません。

取得済みの資格で試験科目の免除が受けられることも!

保育士の国家試験を受ける場合、一般的にはすべての科目を受験しなければなりません。しかし、所持している資格によっては免除される科目があります。

ここからは、どのような人が試験科目の免除を受けられるのか、見ていきましょう。

特例制度|幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例

2015年度に施行された「子ども・子育て支援新制度」における「認定こども園制度」を円滑に進めるため、2019年度末までの間、特例制度が設けられていました。なおこの制度は2021年12月現在、2024年度末まで延長されています。

幼稚園教諭の資格を持っており、3年以上かつ4,320時間以上の実務経験があれば、免除の対象です。
また指定の保育士養成施設で、特例教科目8単位を取得していれば、全科目が免除、特例教科目4単位を取得していれば、取得した単位に応じて一部の科目が免除となります。

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士も試験科目が一部免除に

社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格を持っている人も、免除の対象です。以下の3科目が免除となります。
・社会的養護
・子ども家庭福祉
・社会福祉

また幼稚園教諭と同様に、指定の保育士養成施設で特例教科目の単位を取得すれば、上記3科目以外の科目も免除になる可能性があります。

社会福祉士資格で免除される保育士試験の科目とは|保育士の資格を取得する3つのメリット

保育士は国家資格! 自分の受験資格をチェックして受験に臨もう

保育士は国家資格であり、専門的な知識や技術をもとに、子どもの成長へ関わっています。おもに乳幼児を対象としていることから、突発的なことへの対応、安全への配慮なども求められる仕事です。

保育士の資格を取得するためには複数のルートがあります。まずは受験資格を確認し、自分の状況に合わせて、資格を取得する準備をはじめましょう!

引用元サイト
全国保育士養成協議会 保育士資格を得るには
全国保育士養成協議会 保育士試験とは
全国保育士養成協議会 令和3年保育士試験 受験申請の手引き[後期用]
全国保育士養成協議会 保育士試験を受ける方へ
全国保育士養成協議会 令和4年保育士試験日程について
全国保育士養成協議会 保育士試験出題範囲
全国保育士養成協議会 過去の試験問題
全国保育士養成協議会 受験資格
全国保育士養成協議会 大学卒業
全国保育士養成協議会 大学在学中・中途退学
全国保育士養成協議会 短期大学卒業
全国保育士養成協議会 短期大学在学中
全国保育士養成協議会 専門学校卒業
全国保育士養成協議会 専門学校在学中
全国保育士養成協議会 高等学校卒業
全国保育士養成協議会 海外の学校を卒業した方の受験資格について
自由国民社 2022年版 ユーキャンの保育士 過去&予想問題集
厚生労働省 保育士試験の実施状況(令和2年度)
厚生労働省 幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例
全国保育士養成協議会 特例制度について(幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例)
全国保育士養成協議会 幼稚園教諭免許所有者を対象とした科目免除について
全国保育士養成協議会 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者を対象とした科目免除について

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