ケアマネジャーの需要はどれくらい?気になる志望動機の書き方、面接の注意点
ケアマネジャーの仕事は非常にやりがいのある仕事であり、多くの人がケアマネジャーになることを志して勉強しています。では、今のケアマネジャーの需要はどの程度あるのでしょうか?また、求人や採用募集状況とは、どのようになっているのでしょうか? ケアマネジャーの雇用の現状をご紹介したいと思います。就職活動を行う際の参考にしてくださいね。
ケアマネジャーになるには?
ケアマネジャーは福祉や保健医療における実務経験がある人が取得をすることができる公的な資格です。この資格を取得するためには介護支援専門員実務研修受講試験に合格することが必要となります。
ただし、この試験を受験するためには条件があります。試験を受験するための条件とは、「保健や福祉、そして医療といった分野に関する国家資格を取得しており、5年以上の実務経験があること」または「国家資格を取得していない場合は、老人福祉施設や在宅介護業務に携わり、5~10年の実務経験があること」となっています。
また、ホームヘルパー2級、社会福祉主事任用資格の資格を取得している場合も、実務経験があれば受験することができます。ただし、受験に合格をしてもそのままケアマネジャーになることができるというわけではありません。合格をした後「介護支援専門員実務研修」という32時間以上の研修を全日程出席し、初めてケアマネジャーとしての資格を取得したといえることになります。
ケアマネジャーの需要は?
介護保険制度が誕生してからというもの、非常に多くの人が試験を受けて資格を取得しています。そのため、ケアマネジャーの数はかなり増え、現在は飽和状態になっています。その対策として、ここ数年はケアマネジャー試験の合格水準が低めに設定されているとも言われているほどです。
けれど、日本は超高齢化社会の国です。まだまだこれからも高齢者の数は増える見通しで、それに伴ってケアマネジャーも必要となるため、需要はまだまだあると考えてよさそうです。
ケアマネジャーの就職先としては、居宅介護支援事業所やグループホームといったところが多く、なかでも新たに事業を立ち上げた際の新規スタッフとしての募集が目立ちます。もちろん、離職率が高いと言われている介護業界ですので、離職して他業界へと転職する人も多く、そうした場合の求人もあります。よって、ケアマネジャーの需要はいま現在も今後もまだあると考えてよいでしょう。
ケアマネジャーの採用募集状況は?
ケアマネジャーの採用条件としては、基礎研修を終了していること、ケアマネジメントの経験が最低1年ほどあることといったものが多くみられます。また、なかにはケアマネジャーがキャリアアップとして取得する「主任ケアマネジャー」の資格を取得していることを望ましいとする求人もあり、全体的に経験者を優遇する傾向がみられます。
ケアマネジャーの取得を取得する時点で、すでに介護の実務経験を5年以上積んでいることが条件となっているため、介護の仕事にまったく携わった経験がないということは考えにくいです。それでも、在宅の現場のことをまったく知らずに在宅のケアマネジャーを担当するというのはなかなか難しいこととなります。なぜなら、ケアマネジャーには、総合的なマネジメント力が求められているからです。
とはいっても、採用する際は経験と同じくらい比重で応募者の人柄や経歴が重視されます。そのため、本人が採用側に熱意を伝えることができれば、採用側が求める経験年数に少々満たなくとも前向きに検討してもらえる場合が多いようです。
ケアマネジャーになるためのルートや、現在のケアマネジャーの需要、そして採用募集状況についてお話しましたが、いかがでしたか? これからも高齢者の数は増え、介護を必要とする人の数もそれに伴って増加していくことでしょう。現在、ケアマネジャーの資格を取得している人は数多くいますが、需要はこれからもあると考えてよさそうです。
志望動機を書く前に、まずしておくべきこと。
志望動機を書くにあたって、必ず書くべき要素は「自分がどうしてケアマネジャー職を目指したか」「どうしてこの施設で働きたいと思ったか」の2つです。実際に履歴書を書き始める前に、自分がどうしてケアマネジャーになろうと思ったのか、そしてケアマネジャーになったらどんな仕事をしたいかを書き出してみましょう。
次に、応募を検討している施設の情報をホームページなどで収集しましょう。ホームページには、その施設の基本理念や、サービスの方針などが掲載されています。その記事を熟読し、自分なりにその施設の魅力、特徴などをピックアップしましょう。そして「自分なら、この施設でなにができるか」をできるだけ具体的にイメージし、「どうしてこの施設で仕事をしたいのか」という理由づけをはっきりさせます。ここで大切なのは、施設の理念や方針と、自分の想いを具体的に絡めて広げるか、ということです。
ケアマネジャー経験者の転職か、ケアマネジャーとして初めての転職か。
ケアマネジャーとして既に仕事をしている人が、ケアマネジャーとして別の施設へ転職する場合は、まずしっかりと今までのキャリアをアピールしましょう。そして、今後その実績を活かして、どのような仕事に取り組んでいきたいかをまとめてます。この時に、あまりにも自分の能力を誇張してしまうとミスマッチが生まれてしまうので、注意しましょう。過大な期待のもと採用されてしまうと、後々自分が苦しい思いをすることになりかねません。
一方、ケアマネジャーとしては初めての転職活動の場合は、自分がこれからどんな仕事をしていきたいのかという抱負を書きましょう。例えば、基礎資格の知識や経験を活かして、自分には一体何ができるのかを考え、具体的にどう貢献できるかを書くとよいでしょう。いずれの場合も、今の自分に即した「今できること」と、将来的にどのようなケアマネジャーとして活躍していきたいのか「目標とする姿」をしっかりとイメージして書くことが、ポイントとなります。
ケアマネジャーの志望動機例文
初めてケアマネジャーとして転職活動をする場合の例文
「介護福祉士として5年間勤務する中で、介護サービスを利用する方のお気持ちに添えるかどうかは設計されたケアプラン次第であるということを痛感しました。
よりご利用者様の気持ちに寄り添ったケアプランを作成できないかと考え、ケアマネジャー資格取得を目指すようになりました。勤務と並行しての勉強は大変でしたが、先日無事に資格を取得することができました。
ケアマネジャー業務は初めてですが、これまで介護福祉士として現場で身につけてきた責任感や根気強さを活かして、信頼されるケアマネジャーを目指したいと考えています」
ケアマネジャー経験者が転職活動をする場合の例文
「特別養護老人ホームで2年間、ケアマネジャーとして経験を積む中、介護福祉士や看護師など多くのスタッフと連携し、ご利用者様とそのご家族との間に信頼関係を築くことがどれほど重要かを肌で感じてきました。
こちらの施設の、「よりも心の連携を大切にしている」という理念に共感し、是非とも働きたいと感じ、応募させていただきました。
こちらの施設に勤務することができましたら、ご利用者様とご家族の皆さんが納得できるような、その方お一人おひとりに合ったケアプランを作成し、介護スタッフとも緊密にコミュニケーションをとって仕事をしていきたいと思っております」
ケアマネジャーは、受験資格として基礎資格が必須となっています。となると当然のことながら、介護・医療の現場で経験を持つ人のみが持つ資格ですから、志望動機にはより具体的な、説得力のあるエピソードが求められます。そして、ケアマネジャーは責任も大きく、覚悟が必要な仕事。そんな大変な仕事にどうして挑戦しようと思ったのかをきちんと伝えることが大切なのです。
面接を受けるまでの流れ
介護業界で就職活動をする時に、情報収集先として知られているのが職業安定所、いわゆるハローワークと呼ばれている施設や、福祉人材センターなどがあります。ハローワークでケアマネジャーの仕事の紹介を受ける時は、指定された面接日時に、面接を受ける側が施設へ直接出向くことから始まります。そこで、採用の担当者からハローワークで受け取った紹介書と履歴書を提出し、それから面接が行われるという流れになります。
面接時は、ほとんどの場合、人事担当者によって履歴書を見ながら行われるようになっています。福祉人材センターで施設を紹介してもらった場合、事前に会社の雰囲気などを見学できる機会を作ってもらうこともできます。
見学時には、その場で履歴書を提出する必要はありませんが、その場から面接は始まっていると思った方が良いでしょう。見学時にその施設・企業が気に入れば、次回履歴書を持参して面接の流れとなります。
第一印象で面接はほぼ決まる
人の第一印象は、見た目でほとんど決まると言われています。つまり、見た目が悪いだけで、その人の印象は悪く受け取られてしまうということです。その後の面接で、どれだけ良いことを言えたとしても、第一印象が邪魔して、採用に至らないこともあります。
第一印象が重要視される理由には、ケアマネジャーの仕事として、利用者宅へ訪問することがあるためです。利用者宅に足を運ぶということは、利用者やその家族に会うことになります。もし、採用してもらうことができた時には、ケアマネジャーはその事業所を代表する顔になります。面接でいい印象を与えることができなければ、その後の信頼関係にも影響するため、見た目というのはとても重要なのです。
このように、ケアマネジャーを採用する事業者からすると、まずはその人のことを雇っていいのかどうかを、第一印象で判断することになるでしょう。普段は、気にしないようなところにも、面接時には気を付けるようにしてください。
面接時に気を付けたいポイント
面接時に気を付けたいポイントはたくさんありますが、その中でも大事なことは、採用担当者からの質問にはっきりと受け答えをすることです。面接時は、緊張してしまうかもしれませんが、この時に冷静に対処できるかどうかが重要となります。短い時間の中で、面接官はその人の性格や人物像を探らなければいけません。
そのため、履歴書に書いてあることだけでなく、それ以外のことについても質問されることがあるのです。しかし、想定外の質問を受けた時にあたふたするのではなく、自分の言葉で冷静に対応できるかどうかが肝となります。
受ける質問は様々ですが、介護業界は離職率が高いため、なぜ前職を辞職したのか、といった質問を投げかけられることもあります。この質問の時に、嫌だったから、そりが合わなかった、などのネガティブな回答は、思っていても口にしないことが大事です。前向きな回答を心がけるようにしましょう。面接時には、前職のことをメインで話をするのではなく、これからの目標や抱負といった、未来につながる話をすることができれば、面接官からの評価も上がるでしょう。
ケアマネジャーになるには、まずは面接を受けて採用してもらうことから始まります。就職活動をする中で、面接は重要であり、面接での評価が合否を左右すると言っても過言ではありません。面接時には、第一印象が重要なので、身だしなみに気を付けるようにして、面接官からの質問にはっきりと明るく答えるように意識しましょう。それだけでも、面接の評価はぐっと上がります。