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特集・コラム 2020-01-12

『大分トリニータ』濱田勇太さんが教えてくれた、これからのトレーナーの未来像(後編)

JFAアカデミーのトレーナーから始まり、大学・高校のトレーナーなど、さまざまなキャリアを経て、現在、大分トリニータのトレーナーを務めている濱田さん。後編は、トレーナーを目指す人へのアドバイスやトレーナーの将来について伺いました。

トレーナーとしての専門スキルだけではなく、人間性を磨くことも大切なんです

―トレーナーの世界でも、先輩や師匠のような人から学ぶことは多いですか?

トレーナー業界は師弟関係がしっかりしているので、一人の師匠のもとで時間をかけて学んでいく人も多いです。ただ、僕の場合は少し違っていて、数年ごとに環境を変えながら現在に至るので、その分たくさんの出会いがありました。トレーナーの先輩や後輩、指導者の方々にお世話になっていますし、選手の方々からも学ばせていただいています。

業界が違っても、尊敬する社会人としての先輩や人生の師匠のような方々が全国にいて、人間として学ぶ部分は大きいです。同じ環境でやり続ける良さもありますし、環境を変えていくことでのいい部分もたくさんあるのかなと。僕の場合、どんな環境に行っても応援し続けてくれる仲間ができましたし、恵まれているなぁと思います。

熊本地震時の避難所でのボランディアマッサージ(東海大学付属熊本星翔高校サッカー部所属時)

―人間性を磨くことは、トレーナーをやる上でも大切ですか?

トレーナーや指導者の仕事は信頼関係があってこそ。誰だって、信頼していない人に自分の体を触られたくないし、聞く耳も持てないですからね。だから、人間性を磨いていくことは、とても大事だと思っています。

僕が出会ってきたトレーナーや指導者の方々は、専門性だけではなく人間的にも魅力的で、妥協なく選手と真剣に向き合い、信頼関係を築いている方ばかりでした。その様子を間近で見ていたので、自分も自然とそんな在り方を目指すようになりました。社会人1年目の頃から、今までずっと尊敬できる方々に囲まれているのは、ありがたいことです。

目標を達成するためには、「逆算して考えること」と「目の前のことに全力で取り組むこと」が必要です

―トレーナーを目指している人へ向けてアドバイスをお願いします

僕には、いつも大事にしていることが2つあります。

1つ目は「目標を持ったら、それに向けて逆算して段階を考えて実行していくこと」です。例えば、「将来こういうふうになりたい」という目標があったとします。その場合、目標から逆算すると、「そこに至るためにはAという経験を積まなければいけない」ということがわかる。さらに逆算すると「Aの経験を積むために、Bという勉強が必要」ということがわかる。そして「Bの勉強をするには、Cを準備しなければいけない」というような形でそれぞれの段階で何をしなければいけないのか見えてきます。

僕がいきなり「〇〇になりたい」と思っても、一足飛びになれるわけではありません。そこまでのマイルストーンを把握し、今すべきことを考えるようにしています。

2つ目は、少し矛盾して聞こえるかもしれませんが、「今、目の前にあること」に対して精いっぱい向き合うことです。将来の目標も大切ですが、目の前には担当している選手や与えられた仕事がありますからね。目の前にあることに、一生懸命取り組む——。その積み重ねでしか、次は見えてこないんじゃないかと思っています。

歩みを止めるときは、トレーナーを辞めるときだと思います

『全国高等学校サッカー選手権大会』にて高校生の選手たちへレクチャー

―現在は、技術の発展や価値観の変化が激しい時代です。そのような中、将来、どのようなトレーナーが必要とされると思いますか?

難しい質問ですね。トレーナーという仕事自体、トレーニングや治療、リハビリなど、多岐に渡るので一括りにできないところがあります。ただ、共通して感じるのは、「時代に合わせて変化していくことの大切さ」です。今はどんどん新しいテクノロジーが発達していますし、これからも新しいものがたくさん出てくると思うんですよね。そういう物に適応していく力は大切だと思います。停滞は衰退!

また、僕も今までいろんな環境で働いて、その場所ごとに、いろんな先輩や同僚と出会い、その周囲の方々からたくさんのことを吸収させてもらえました。トレーナーという職そのものの考え方や、実際の治療やリハビリやトレーニングのHow toなど……。自分が積み上げてきたことだけではなく、人の考えや、新しい価値観、技術などを、受け入れて自分のものにしていく事は結果的に自分の仕事の幅を広げてくれるものなのだと思います。

また、「自分の意見を持ちつつ、人の意見に耳を傾ける姿勢」を僕はオープンマインドと捉えていますが、その姿勢は持ち続けていたいです。歩みを止めるときは、トレーナーを辞めるときだと思います。

この業界を目指す方々は「スポーツの喜びを共有したい」、「誰かの健康や美容に貢献したい」というような思いを持っているんじゃないかと思います。その点で見ると、アスレティックトレーナーや鍼灸師は人の健康に携わる仕事ですし、小学生や中学生の健全な育成もサポートできる、やりがいのある仕事です。そして、「同じ業界の人はライバル」という考え方だけではなく、一緒に価値を高めていくような、そういった志を持つ仲間が増えていくと、未来はもっと面白いんじゃないかと思います。

『大分トリニータ』濵田勇太さんが伝えてくれた、これからのトレーナーに必要な3つの行動

1.人間性を磨く

2.目標達成のための逆算思考を身に付ける

3.時代の変遷に合わせて変化できるオープンマインドな思考を持つ

記事中、濱田さんが触れていたようにトレーナーの裾野は広く、キャリアプランもそれぞれ異なります。しかし、上にある1~3は、トレーナーのあらゆるキャリアに必要な行動といえるかもしれません。オープンマインドな姿勢が必要な未来の到来は……すぐそこです。

▽前編はこちら▽
常に選手と真剣に向き合うために『大分トリニータ』トレーナー・濱田勇太さんが心掛けていること(前編)>>

Team Data

大分トリニータ

住所:大分県大分市、別府市、佐伯市
URL:https://www.oita-trinita.co.jp/

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