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特集・コラム 2022-03-24

宿直とはどんな勤務なの? 夜勤・当直との違いを解説|宿直スタッフは需要アリ?求人情報をチェック

病院や介護施設などでは、宿直・夜勤・当直と呼ばれる働き方があります。名称が違うように、業務内容にも、それぞれ違いがあるのが特徴です。

これらの働き方には、一体どのような違いがあるのでしょうか。今回は、宿直はどんな勤務なのかを解説するとともに、夜勤・当直との違いもくわしく解説します。

宿直とはどんな勤務なの?

宿直とは、端的にまとめると夜間での泊まり込みを前提とした働き方です。なお宿直という働き方は、仕事をする内容にいくつか条件が定められています。ここでは、宿直の勤務・条件・仕事内容を確認しておきましょう。

宿直|緊急時・非常時に備えた夜間の待機要員

宿直は、夜間に泊まり込みで働く方法だと先述しましたが、くわしく説明すると緊急時や非常時に備えた夜間の待機要員のことです。そのため、夜間におこなわれる通常業務に関しては実施しません。

具体的な仕事内容は、緊急時の電話対応や定期巡回などです。ただし、医師や看護師であれば、問診による診察程度であれば対応することを認められています。

法定時間外(1週間40時間・1日8時間以上)のため労働基準監督署長の許可が必要

宿直は、1週間40時間・1日8時間以内という法定時間には含まれません。そのため宿直をおこなうには、その施設を管轄する労働基準監督署長の許可が必要です。

許可申請書には、1回あたりの宿直人数・勤務時間・宿直回数・宿直手当・就寝設備・勤務態様についての記載が必要です。そのほかにも、就業規則や宿日直手当計算書なども提出しなければなりません。

労働基準法の規定の適用を除外|宿直の許可基準とは

宿直は、労働基準法の規定の適応が除外されます。そのため、日勤で対応する通常業務をおこなう必要はありません。つまり、教務の始業や終業時付近での労働は許可の対象外になってしまいます。

また、ほとんど労働をする必要のない勤務であることも、宿直をするうえでの許可基準です。

社会福祉施設の場合|宿直で許される業務とは?

社会福祉施設で宿直として勤務する場合、一部業務で対応が許可されているものがあります。その業務とは、おもに入所者に対して検温やオムツの取り替えでの介助作業です。

ただし、これらの業務をおこなうには短時間かつ軽度という条件があります。短時間とは1回10分以内程度、軽度とは被介護者を抱きかかえない程度が目安です。

宿直の手当|1人1日平均額の3分の1以上

宿直1回の最低限の手当額は、宿日直の勤務に就く予定のある同種の労働者に対して払われる賃金の1人1日平均額の3分の1以上となっています。

つまり、通常業務の場合にもらう給与の3分の1以上が目安です。これは、深夜の割増賃金を含んだ状態での計算方法になります。

宿直の回数|原則週1回

なかには毎日宿直として働きたいという人がいるかもしれませんが、それは認められていません。原則として、宿直業務は週1回が限度です。

ただし、事業所内で宿直可能なすべての人が宿直をしても人員が不足していて、労働密度が薄い場合においては、その限りではないこともあります。しかしながら、その都度の判断になるので、事前に確認が必要です。

宿直と夜勤・当直との違いとは?

ここまで宿直についてご紹介しましたが、宿直と似た働き方に夜勤や当直があります。これらは混同されがちですが、実は業務内容などで明確な違いがあるのが特徴です。夜勤と当直について解説しつつ、宿直との違いについてくわしくご紹介します。

夜勤|通常勤務と同様の業務をおこなう

夜勤とは、夜間に通常勤務と同様の仕事をする働き方です。そのため、日中に勤務する場合と同じように休憩時間が設けられています。仮眠というカタチで休憩を取ることが多いですが、完全に業務から離れていないのであれば、労働時間として計算されるので注意が必要です。

一方、宿直の場合は通常業務はおこないません。また休憩時間ではなく、睡眠時間が確保されている点に違いがあります。

週40時間の法定労働時間に含まれる

夜勤の場合は夜間に通常業務をおこなうので、法定労働時間に含まれます。そのため、労働時間は日勤と合わせて1日の場合は8時間、1週間の場合は40時間以内になるシフトを組まなければなりません。

宿直の場合は、通常業務をおこなわずに法定労働時間外の労働となります。そのため、週40時間の制限がなく、法定労働時間+αで働くことが可能です。

夜勤手当と深夜割増手当はどこが違うの?

夜勤をする場合、夜勤手当や深夜割増手当が与えられます。まず夜勤手当とは、各勤務先によって独自に定められている手当です。労働基準法での取り決めはないので、勤務先によってはない場合もあります。

深夜割増手当とは、労働基準法によって定められた手当です。22〜5時の間で時間単価が125%となり、宿直と夜勤どちらにも支給されます。

当直|日直と宿直を合わせた呼び名

当直とは、日直と宿直を合わせた呼び方のこと。日中に働く場合は日直、夜間に働く場合が宿直となります。そのため、当直も法定労働時間に含まれず、通常業務はおこないません。

夜勤や宿直のことを当直というイメージを持つ人も少なくないかもしれませんが、当直は交代制かつ当番制で働くこととされているので、違いを理解することが大切です。

日直|日中の緊急時・非常時の待機要員で月1回

当直に含まれる日直と宿直で業務内容の違いはあるかというと、基本的な業務内容に違いはありません。日直は、日中の緊急時・非常時の待機をするというのが業務内容です。

勤務回数は夜勤が週1回であるのに対して、日直は月1回までを限度としています。ただし、日直も人員が不足していて、労働密度が薄い場合はその限りではありません。

宿直スタッフは需要アリ? 求人情報をチェック

宿直の概要と夜勤・当直などとの違いがわかったところで、つづいては宿直の求人情報を確認しておきましょう。

ここでは、宿直スタッフの需要はあるのかを求人情報をチェックした結果をもとにくわしくご紹介します。

宿直スタッフは需要アリ!

リジョブケアでの2022年2月10日時点の求人情報をチェックした結果、宿直スタッフの募集は9件がヒットしました。件数で見ると少ないように思えますが、多くの求人で地域が異なるグループ施設と一緒に募集しているので、需要のある仕事だといえます。

睡眠時間や勤務時間の長さにもよりますが、パートやアルバイトであれば時給1,000〜1,200円程度で日給にすると1万円前後になることが多いようです。

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ライフスタイルに合わせた働き方をしよう!

夜間の業務に就きたい場合、宿直では週1回という制限があります。そんな人の場合は、夜勤のみの夜勤専従で働くという方法もあることを覚えておきましょう。この場合、夜勤手当が加算されるため、日勤だけで働くよりも多く稼げる可能性があります。

このようにいろいろな働き方があるので、自身のライフスタイルに合わせた働き方をすることが大切です

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勤務形態の違いを押さえて自分に合った職場を探そう!

宿直とは、法定労働時間外である夜間に従事する仕事で、通常業務をおこなわないのが特徴です。一方、夜勤は法定労働時間に含まれており、通常業務をおこないます。そして、当直は日直と宿直を合わせた総称で、両者に業務内容の違いはありません。

現場では、似たような言葉で意味が混同されがちですが、上記のようにこの3つの働き方には明確な違いがあります。勤務形態の違いをしっかりと押さえて、自分のライフスタイルに合った職場を探しましょう。

引用元サイト
三重県 宿直と夜勤の違いについて
厚生労働省 断続的な宿直又は日直勤務に従事する者の労働時間等に関する規定の適用除外許可申請について

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