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特集・コラム 2025-03-27

宿直とはどんな勤務?夜勤や当直との違いと例外で認められている業務内容を徹底解説

介護施設や病院などにはさまざまな働き方があり、そのひとつに「宿直勤務」というものがあります。宿直勤務には、細かい規定があるのが特徴です。

夜勤や当直などと混同されやすいため、この記事で宿直勤務について詳しく紹介します。それぞれの違いや、通常宿直では担当しない業務のなかでも、例外的に認められている業務内容などを見ていきましょう。

宿直とはどんな勤務なの?

宿直とは、端的にまとめると夜間での泊まり込みを前提とした働き方です。なお宿直という働き方は、仕事をする内容にいくつか条件が定められています。

宿直|緊急時・非常時に備えた夜間の待機要員

宿直は、夜間に泊まり込みで働く方法だと先述しましたが、くわしく説明すると緊急時や非常時に備えた夜間の待機要員のことです。そのため、夜間におこなわれる通常業務に関しては実施しません。

具体的な仕事内容は、緊急時の電話対応や定期巡回などです。ただし、医師や看護師であれば、問診による診察程度であれば対応することを認められています。

法定時間外(1週間40時間・1日8時間以上)のため労働基準監督署長の許可が必要

宿直は、1週間40時間・1日8時間以内という法定時間には含まれません。そのため宿直をおこなうには、その施設を管轄する労働基準監督署長の許可が必要です。

許可申請書には、1回あたりの宿直人数・勤務時間・宿直回数・宿直手当・就寝設備・勤務態様についての記載が必要です。そのほかにも、当番表や日誌・従事する業務内容・仮眠室の図面や写真・就業規則・宿日直手当計算書なども提出しなければなりません。

引用元
厚生労働省|医療機関の皆様へ(宿日直許可制度のご紹介)

労働基準法の規定の適用を除外|宿直の許可基準とは

宿直は、労働基準法の規定の適用が除外されます。そのため、日勤で対応する通常業務をおこなう必要はありません。つまり、教務の始業や終業時付近での労働は許可の対象外になってしまいます。

また、ほとんど労働をする必要のない勤務であることも、宿直をするうえでの許可基準です。

除外されるのは、労働基準法第三十二条・第三十四条・第三十五条の3項目。

第三十二条
1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2.使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

第三十四条
1.使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2.前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
3.使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

第三十五条
1.使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
2.前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しないい。

引用元
e-Gov 法令検索|労働基準法

夜勤や当直とはどんな勤務なの?

ここまで宿直についてご紹介しましたが、宿直と似た働き方に夜勤や当直があります。これらは混同されがちですが、実は業務内容などで明確な違いがあるのが特徴です。夜勤と当直について解説します。

夜勤|通常勤務と同様の業務をおこなう

夜勤とは、夜間に通常勤務と同様の仕事をする働き方です。そのため、日中に勤務する場合と同じように休憩時間が設けられています。仮眠というカタチで休憩を取ることが多いですが、完全に業務から離れていないのであれば、労働時間として計算されるので注意が必要です。

週40時間の法定労働時間に含まれる

夜勤の場合は夜間に通常業務をおこなうので、法定労働時間に含まれます。そのため、労働時間は日勤と合わせて1日の場合は8時間、1週間の場合は40時間以内になるシフトを組まなければなりません。

夜勤手当と深夜割増手当

夜勤をする場合、夜勤手当や深夜割増手当が与えられます。まず夜勤手当とは、各勤務先によって独自に定められている手当です。労働基準法での取り決めはないので、勤務先によってはない場合もあります。

深夜割増手当とは、労働基準法によって定められた手当です。

当直|当番制の待機要員

当直とは、当番を決めシフト制で待機要員として業務を担当する働き方を指し、日直と宿直を合わせた呼び方です。日中に働く場合は日直、夜間に働く場合が宿直となります。そのため、当直も法定労働時間に含まれず、通常業務はおこないません。

夜勤や宿直のことを当直というイメージを持つ人も少なくないかもしれませんが、当直は交代制かつ当番制で働くこととされているので、違いを理解することが大切です。

日直|日中の緊急時・非常時の待機要員で月1回

当直に含まれる日直と宿直で業務内容の違いはあるかというと、基本的な業務内容に違いはありません。日直は、日中の緊急時・非常時の待機をするというのが業務内容です。

勤務回数は夜勤が週1回であるのに対して、日直は月1回までを限度としています。ただし、日直も人員が不足していて、労働密度が薄い場合はその限りではありません。

宿直と夜勤の違い

宿直・夜勤・当直の意味を理解したところで、宿直と夜勤の違いについて紹介します。具体的な違いとしては、届出・担当する業務・労働時間・手当・睡眠設備・回数制限などです。以下で詳しく見ていきましょう。

届出

宿直は先ほどお伝えした通り届出が必要ですが、夜勤にはこれといって必要な届出や手続きはありません。

担当する業務

宿直の場合、通常の業務を原則おこなわないことが定められており、担当する業務はあくまでも待機要員として緊急時に備えるほか、定期巡回や電話対応などが主です。

一方夜勤は、通常業務をおこなうため、担当する業務に違いがあります。

労働時間

宿直は、許可が下りた時間内で働きます。一般的には通常の勤務時間外となる時間帯ですが、労働基準法第三十二条・第三十四条・第三十五条の適用が除外されるので、時間外労働や休憩時間を取得する権利が発生することはありません。

しかし、勤務時間中に通常業務をする場合は、宿直ではなく夜勤として扱われます。

通常の業務をおこなう夜勤は労働基準法を適用するため、1日8時間以内かつ1週間で40時間以内が労働時間です。労働時間に応じた休憩時間の確保が必須で、4週間に4日以上の休日か、少なくとも週1回以上の休日が確保されます。

引用元
e-Gov法令検索|労働基準法

手当

宿直は、宿日直手当がつきます。宿日直の許可基準として、手当の金額は同じ職場で宿直・日直をする人の1日平均額の3分の1以上が規定です。

夜勤の場合は、職場によって夜勤手当がつくところもあるほか、既述の通り深夜22時〜翌朝5時までの労働時間には、深夜割増手当がつきます。労働基準法第37条で定められている金額は、通常の賃金に対して割増率25%以上です。

引用元
厚生労働省|宿日直許可取得後の適切な労務管理のために
e-Gov 法令検索|労働基準法

睡眠設備

宿直は、仮眠室・ベッドや布団などの設備が必須です。会議室のソファで寝るなど、簡易的なものは認められず、十分な休憩・睡眠が取れる環境を整える必要があります。一方夜勤は、仮眠室や睡眠設備は不要です。

回数制限

宿直には、回数制限があります。原則週1回です。しかし、職員全員が担当してもなお人員不足の場合は、18歳以上なら週1回を超えることも認められています。

しかし夜勤には回数制限がないため、1週間当たりの法定労働時間を超えなければ、何回でも可能です。

宿直における短時間の業務が認められている例

宿直は、通常業務をおこなわず待機要員として配置されることと決められていますが、社会福祉施設や医師・看護師の場合は、短時間の業務が認められています。具体的にどういった業務ができるかを見ていきましょう。

社会福祉施設の場合

社会福祉施設で宿直として勤務する場合、一部業務で対応が許可されているものがあります。その業務とは、おもに入所者に対して検温やオムツの取り替えでの介助作業です。

ただし、これらの業務をおこなうには短時間かつ軽度という条件があります。短時間とは1回10分以内程度、軽度とは被介護者を抱きかかえない程度が目安です。

医師・看護師の場合

医師と看護師、それぞれで認められている業務は次の通りです。

医師:経過に注意が必要な患者(少数)の問診・診察・軽度の措置/急患の問診・診察・看護師への指示など

看護師:経過に注意が必要な患者(少数)の定時検脈検温/病棟の巡回/患者の容体を医師へ報告するなど

宿直スタッフは需要アリ? 求人情報をチェック

宿直の概要と夜勤・当直などとの違いがわかったところで、つづいては宿直の求人情報を確認しておきましょう。

ここでは、宿直スタッフの需要はあるのかを求人情報をチェックした結果をもとにくわしくご紹介します。

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選べる条件が豊富にあることが特徴で、働き方や勤務体制・給与など基本的な条件を指定できるほか、施設形態や仕事内容・資格なども選択可能。そのため、自分好みの求人を探しやすいです。

宿直スタッフは需要アリ!

リジョブケアでの2025年2月時点の求人情報をチェックした結果、宿直スタッフの募集は34件がヒットしました。件数で見ると少ないように思えますが、多くの求人で地域が異なるグループ施設と一緒に募集しているので、需要のある仕事だといえます。

睡眠時間や勤務時間の長さにもよりますが、パートやアルバイトであれば時給1,000〜1,200円程度で日給にすると1万円前後になることが多いようです。

リジョブケア|介護職・東京都・宿直の求人(2025年2月現在)

夜間の業務に就きたい場合、宿直では週1回という制限があります。そんな人の場合は、夜勤のみの夜勤専従で働くという方法もあることを覚えておきましょう。この場合、夜勤手当が加算されるため、日勤だけで働くよりも多く稼げる可能性があります。

このようにいろいろな働き方があるので、自身のライフスタイルに合わせた働き方をすることが大切です。

宿直の特徴や当直・夜勤との違いをおさえて自分に合った求人を見つけよう

宿直とは、法定労働時間外である夜間に従事する仕事で、通常業務をおこなわないのが特徴です。一方、夜勤は法定労働時間に含まれており、通常業務をおこないます。そして、当直は日直と宿直を合わせた総称で、両者に業務内容の違いはありません。

現場では、似たような言葉で意味が混同されがちですが、上記のようにこの3つの働き方には明確な違いがあります。勤務形態の違いをしっかりと押さえて、自分のライフスタイルに合った職場を探しましょう。

リジョブケアには、介護士をはじめとした介護職の求人が豊富にあり、なかには未経験で応募可能なところもあります。

転職満足度※も高いため、介護職として新たにキャリアアップしたい人にもおすすめ。ぜひリジョブケアをチェックして、自分に合った求人を見つけてください。

※リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)

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