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介護・看護・リハビリ 2021-08-07

協調運動+競争心を養う効果などが期待できる! 風船を使ったゲーム2【介護レクリエーションvol.31】

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、風船を使って遊ぶゲームレクリエーションを、レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回は『風船テニス』と『風船文字当て』というレクリエーションをご紹介します。『風船テニス』は、ラケット代わりに持つ小ぶりな風船で、ボール代わりの大きな風船を打ち合うゲームです。風船をつまむ・腕を振る動作が必要になります」(大野さん)

では『風船文字当て』は?

「『風船文字当て』は、風船に書かれた単語を、床に落ちるまでの間に読み取るゲームです。文字を読み取る観察力と腕をふる動作が必要になります」(大野さん)

それでは『風船テニス』と『風船文字当て』を行うことによって期待できる身体面と精神面の効果とは?

「『風船テニス』は、手指・腕の運動に加え、協調運動の効果が期待できます。また、意欲の向上、気分転換、競争心を養う、他者との交流といった精神面の効果も期待できるゲームです。一方の『風船文字当て』は、腕・協調運動の効果、認知力の向上、思考力の向上、競争心を養うのにうってつけのゲームになります」

それでは早速、『風船テニス』と『風船文字当て』の遊び方をご紹介。

風船テニス

【対象者】風船を持つ・つまむなどできる方
【レクの目的】手指・腕・協調運動、意欲の向上、気分転換、競争心を養う、他者との交流
【人数】6人程度〜
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】大きめの風船ボール1個、卓球のラケット程度の風船ラケット×参加人数分(チームごとに色を分けると◎)、2〜3m程度のビニールひも1本、ひも持ち係2名、参加者が使用する椅子、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】ラケット代わりに使用する小ぶりな風船で、ボール代わりの大きな風船を打ち合うゲームです。チーム対抗戦のテニスになるので、互いに声をかけ合いながらチーム一丸となって行うことが勝利のカギとなります。

レクを始める前の準備

・スタッフはボール代わりに使用する風船1個と、ラケット代わりに使用する風船を参加者人数分膨らませておきましょう。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分けます。相手チームと2m程度の間隔を空け、向かい合わせになるように座ります。スタッフは参加者全員に風船ラケットを渡し、レクに参加しているスタッフと協力し、両チームの間に1.5m程の高さでひもを張ります。
2. スタッフが片方のチームコートに風船ボールを投げ入れたらゲームスタートです。投げ入れられたチームは、相手のチームコートに風船ボールを打ちます。相手チームは、さらにその風船ボールを打ち返し…と打ち合いを続け、相手チームの床にボールを落とすことができたチームに1点が入ります。スタッフはストップウォッチなどで5分計測しておきましょう。
3. 5分経過したらゲームを終了し、より得点が高かったチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・風船ボールがひもの下を通ったときはファウルになります。スタッフはゲームを一時中断してボールを回収し、ファウルをしていないチームに風船ボールを投げ入れてゲームを再開させましょう。
・風船ボールが飛び過ぎると、無理に打とうとした参加者が椅子から転落する恐れがあります。万が一風船ボールが飛びすぎる場合は、ゲームを一時中断し、風船ボールの空気を少し抜いてからゲームを再開するようにしましょう。

風船文字当て

【対象者】目視で風船ボールの動きが確認出来る方
【レクの目的】腕・協調運動、認知力・思考力の向上、競争心を養う
【人数】6人程度〜
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】文字カード付き風船5個、参加者が使用する椅子など
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】宙に浮かぶ風船に書かれている単語を、風船が床に落ちるまでの間に読み取るゲームです。

レクを始める前の準備

・大きめの風船に、一文字ずつひらがなで単語を書いたカードを貼り付けて「文字カード付き風船ボール」を作りましょう。単語は4〜6文字程度のわかりやすいもの(野菜や果物の名前など)を選ぶのがおすすめ。それぞれ単語が異なる「文字カード付き風船」を5個作りましょう。

遊び方

1.参加者を同じ人数になるように2チームに分け、両チームの人が交互になるように輪になって座りましょう。
2.スタッフは参加者の1人に向かって風船を打ちます。参加者は風船が床に落ちないように打ち合いながら、風船に書かれた単語を読み取って答えましょう。
3.正解が出たら、正解した人がいるチームに1点を加算し、スタッフはボールを回収します。5つの風船でプレーし、最終的に得点が高かったチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・風船に書かれている文字が参加者に見えないよう、風船はゲーム開始まで参加者の目の届かない場所に隠しておきましょう。
・ゲームスタート時、スタッフは風船ごとに高さや方向を変えて打ち出しましょう。より多くの人に答えるチャンスが生まれ、さらにゲームが盛り上がります。
・答えられる人がいつも同じになってしまう場合は、予めチーム内で答える順番を決めておいてもOKです。

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ルールを決めることは大切ですが、厳密にしすぎると参加者が理解できなかったり、実際にプレーしてみるとうまく進行できないことも。レクリエーションは参加者に楽しんでもらうことが大前提となるので、ルール通りでうまくいかないときは、参加者の意見も聞きながら、柔軟にルールを変えて楽しんでみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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