【介護レクリエーションvol.19】認知症予防に効果的な「運動レクリエーション」
現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」の企画。今回は認知症予防に役立つレクリエーションをピックアップ。頭と体を同時に使うことで認知機能を高められます。
旗あげ
【対象者】両上肢の可動がある方、
【レクの目的】認知力・集中力・空間認識力の向上
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】参加人数分の赤と白の旗、椅子
【制限時間】5分~
【レクリエーションの内容】足踏みをしながら、スタッフの指示通りに赤と白の旗を上げ下げするゲームです。参加者同士の交流も深められます。
遊び方
1. 参加者は輪になって座り、右手に赤い旗、左手に白い旗を持ちます。
2. 旗を持ったまま、スタッフの手拍子に合わせて腕振りと足踏みをします。
3. 「赤上げて、白下げる」といったスタッフの指示に合わせて、赤と白の旗を上げ下げしましょう。
進め方のコツ
・参加者がゲームに慣れてきたら、スタッフは指示を出すテンポを徐々にスピードアップしていきましょう。
・旗の用意がない場合は、右手を「グー」、左手を「チョキ」にして行ってもOKです。その場合、スタッフは「グー上げて」「チョキ下げて」などと言って指示を出しましょう。
足かるた
【対象者】下肢の可動がある方(片まひであっても可)
【レクの目的】認知力・空間認識力・関節可動域の向上
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】かるたを拡大コピーした用紙、椅子、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分~
【レクリエーションの内容】足で「かるた」を取るゲームです。
レクを始める前の準備
・スタッフは市販のかるたをA5〜B5の大きさに拡大コピーしておきましょう。
・拡大コピーしたかるたを床に広げ、参加者2名が座る椅子を向かい合うようにして配置しておきましょう。
遊び方
1. 同じ人数になるように参加者を2チームに分け、チーム内でかるたを取る順番を決めておきます。
2. 各チームのトップバッターは椅子に座り、スタッフがかるたを読み上げるのを足踏みしながら待ちましょう。
3. スタッフが読み上げたかるたを足で踏んで取ります。これを3回行い、より多くかるたを取った人の勝ちとなります。スタッフは勝敗をホワイトボードなどに記録しておきましょう。
4. 2番目以降の人も2と3を繰り返し、最終的に勝利者数の多かったチームの勝ちとなります。
進め方のコツ
・スタッフがかるたを読み上げているときも足踏みをしてもらうよう参加者に促しましょう。
アレンジ
色のついたカードをかるたの代わりに使ってもOK。その場合、赤・黄・緑・白・青の紙を床に置き、スタッフが指示した色のカードをかるた同様に足で取ってもらいます。
「今日は『足かるた』というゲームを行います。足で踏んばる動きをすることで下半身の運動効果が高まり、血液の巡りがよくなって体全体の機能アップにもつながります」など、参加者にはレクリエーションの目的と効果を事前にしっかりと伝えてあげましょう。そうすることで参加者も体の機能向上のための運動と理解し、意欲を持って取り組んでくれるはずです。
イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)
教えてくれたのは…
大野 孝徳さん
合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。