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介護・看護・リハビリ 2021-10-27

失敗を繰り返すことで、自分の理想像に近づいていく 介護リレーインタビュー Vol.21【理学療法士/鍼灸師・菊地英文さん】#1

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。今回は、群馬県邑楽郡を中心にデイサービスを始めとしたさまざまな施設を経営しているめぐ株式会社のめぐリハビリディサービス新宿店の施設長 菊地英文さんへインタビュー。

前編では、菊地さんが理学療法士と鍼灸師の資格を取得した経緯や、広い視野を持った菊地さんならではの仕事内容などについて伺います。後編では、めぐ株式会社の強みや特色、菊地さんご自身の介護業界での展望をお伝えします。

理学療法士・鍼灸師を志したきっかけ
理学療法士と鍼灸師、両方の必要性

めぐリハビリディサービス新宿店で施設長を務めている、菊地さん。

ーー理学療法士になろうと思ったきっかけについて教えてください。

僕は、もともとサッカーの強豪校にいてサッカー選手を目指していたんです。そんな中、友人が怪我をしてしまい、リハビリをして良くなったという話を聞き、理学療法士の仕事を知って興味が湧きました。

兄が介護関係職だったので、理学療法士について聞いたところ「今後、理学療法士はどんどん普及していくから、今のうちに資格をとっておいたほうがいい」とアドバイスをもらったことがきっかけですね。

ーー鍼灸師の資格を取得しようと思ったきっかけについても教えてください。

理学療法士の資格を取得後、病院で10年ほどリハビリをサポートしていたので、症状を見聞きするうちにある程度、身体に生じている疾患理由がわかるようになったのですが、やはり理学療法の知識に偏ったリハビリになってしまうので身体を完全に把握し、改善することは難しいと思っていました。

そこで、理学療法としての一つの考えだけではなく経絡治療という身体の内部の考えを学び、理学療法士と鍼灸師の両方の視点から治療を考えることができるようになれば、より広い視野で人の身体の構造を捉えることができ、人の役に立てるのではないか?と思い、資格を取得することを決めました。

鍼灸師の資格をとるにあたって病院から鍼灸整骨院に転職しましたが、給料が今までの半分以下に下がるなど精神的にも大変な部分もありました。ですが、どうにか夜間学校に通いつつ、ようやく資格を取りましたね。

ーーめぐ株式会社に入社された経緯を教えてください。

15年ほど前、理学療法士として整形外科で働いていた時に、バイト募集の貼り紙を見て、応募したのがきっかけですね。初めは、めぐ株式会社が新しくオープンするデイサービスの運動プログラム作成に、つくばウェルネス様と共同で携わりました。そのプログラムは今でもめぐ株式会社で利用しており、こういった実績から、書類作成やデイサービスの介護職員、リハビリ・介護の勉強会なども任せていただくようになりました。

何度かそういった仕事を重ね、小沼社長と顔を合わせるうちに、「この会社に来てみないか?」とお声がけしていただき、2年ほど前に転職に踏み切りました。

菊地さんの業務内容
必要以上に口出しをしないことを心がけてます

従業員との接し方については、「個々の意見を尊重して、自己決定してもらっています」。

ーーめぐリハビリディサービス新宿店の施設長である、菊地さんの主な業務内容について教えてください。

基本的には理学療法士の仕事をメインで行っていますが、鍼灸師の知識もあるので、臨機応変に取り入れつつ働いています。主な業務内容としては、施設長としての管理業務ですね。具体的には、従業員のシフト管理や、ご利用者さまの管理をしながら送迎も行っています。

リハビリも行っていますが、会社以外に出向くこともあります。例えば、ケアマネジャーが利用者さまと行っている、生活状況を確認する会議にも参加しています。

ーー施設長として従業員の方と接する際に気を付けていることはありますか?

基本的に、相手から聞かれたこと以外は口を挟んだりしていません。経験豊富な方が多いので、物事の判断は本人に任せていますね。以前病院で働いていた際に、自分が言いすぎて相手を委縮させてしまった経験があるので、なるべく自己決定してもらって、そのうえで聞かれたことにはしっかり答えるようにしています。

仕事への悩みややりがい
最も嬉しいのは、ご家族からの「お言葉」

「利用者さまやご家族からお褒めの言葉をいただくことがやりがいにつながっています!」

ーー実際に理学療法士に就いてみて、ギャップなどは感じましたか?

勤める前は、資格を取ったらすぐに「先生」と呼ばれるような立ち位置になり、即戦力になると勝手に思っていたのですが、実際は違いました。資格を取った後の方が勉強が必要でとても大変でした。しかし、資格取得後に病院で働かせていただいたことで理学療法士のみならず、さまざな業種の先輩後輩ができ、社会人としての基礎や上下関係など基本的な社会経験も学ぶことが多く、とても自分のタメになりましたね。

ーー学校で学ぶ基礎知識だけでは勉強不足なんでしょうか?

実際の現場(病院)では教科書通りの症状はなく、その場で臨機応変に判断を迫られることがほとんどでした。当時働いていた医師や経験豊富な理学療法士の先輩に質問し、繰り返し教えてもらいながら経験することで少しずつ成長することができました。

なので、実践する場をつくるために、他の病院と掛け持ちして働いたり、研修会に参加したり…。最終的に僕自身の場合は、成功よりも失敗を経験することで理学療法士としての基盤が出来上がっていったイメージですね。

ーーなるほど。スキルと実務のバランスに偏りができて、戸惑いを感じられたんですね。常に学びながら働いている中で、やりがいなどはありますか?

理学療法士・鍼灸師ともに言えることは、利用者さまご本人のお言葉も嬉しいのですが、利用者さまのご家族の方など、第三者から感謝の言葉をもらった時が一番嬉しいですね。

直接、第三者の方から「今まで一人で動けなかったのに動ける様になった」「ここが良くなった!」とか「こんなことができるようになった!」などの話を聞くことで、率直な意見としても参考になりますし、何より励みになっています。

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理学療法士・鍼灸師の二つの顔を併せ持つ菊地さん。知識や経験を積むために、いくつもアルバイトを掛け持ちしながら資格を取得した菊地さんの努力家な一面に、感銘を受けました。後編は、菊地さんが所属するめぐ株式会社の特色や自身の目標についてお伺いします。

取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)

Store Data

めぐ株式会社

住所:新宿区早稲田鶴巻町557
電話:03-6205-5895

 

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