【介護○×クイズ Vol.11】福祉に役立つ心理学をおさらい! 社会福祉士の基本問題5
医療や福祉、行政など幅広い分野で活躍し、相談者だけでなく周囲の家族や関わる人々との調整やサポート役を担う社会福祉士。働く場所でその業務内容は異なり、幅広い知識が必要とされる国家資格です。当企画では、これから社会福祉士目指す方に役立つ○×クイズをご用意。今回は、「心理学理論と心理的支援」の科目から「心理検査の概要」に関する問題をピックアップしました。
社会福祉士向け ○×クイズ 5問
まずは「知能検査」より出題
【第一問】知能指数は、生活年齢÷精神年齢×100で計算される。
正解は……
【解答】×
【解説】ビネー式知能検査の算出方法は、難易度順の問題をどのレベルまで正答できるかによって精神年齢を算出し、知能指数を以下のように計算している。
指数(IQ)=精神年齢(MA)÷生活年齢(CA)×100
*知能検査には、知能指数を測定するビネー式と、知能偏差値を測定するウェクスラー式がある。知能指数は実年齢とともに精神年齢が上がっていくことを前提に考えられたもので、それに大して、知能偏差値は、対象者の属する同一年齢集団の平均力のズレ(偏差)を表す、成人には、精神年齢の概要を適用することができないため、成人期以降は、ウェクスラー式知能検査成人用(WAIZ)が多く用いられる。
続いても「知能検査の方法」を問う問題!
【第二問】ウェクスラー式知能検査は、年齢別の検査項目を配列して、知能指数を測定する。
正解は……
【解答】×
【解説】ウェクスラー式知能検査は、言語性検査と動作性検査で構成され、検査結果から知能指数を測定する。成人用、児童用、幼児用がある。年齢別の検査項目を配列している検査はビネー式知能検査である。
次は「人格検査」から出題!
【第三問】投影法によって把握できる性格特性は、客観的で数値化が容易なため、検査者が異なっても同じ検査結果を得ることができる。
正解は……
【解答】×
【解説】投影法は、人格検査のひとつ。図形などの描かれた曖昧で多義的な刺激を自由に連想、想像したものの中に、性格特徴が映し出されると考える方法で、被験者がそれにどのような意味づけをするかを検査者が分析する。数値的な診断は不可能で、検査者により判断が異なる場合がある。医療機関、少年鑑別所等の司法関係施設において実施されることが多く、「心の問題」を抱えている人の潜在的あるいは意識的側面を明らかにしようとする検査である。
*人格検査には、投影法、質問紙法、作業検査法の3つの方法がある。
「投影法」をおさらい!
【第四問】ロールシャッハ・テストは、インクの染みをテスト図版とした検査であり、検査の対象者の年齢を限定していない。
正解は……
【解答】○
【解説】ロールシャッハ・テストは、スイスの精神科医ロールシャッハによって考案された投影法の最も代表的なテスト。インクの染みによってできた、左右対称のテスト図版を10枚見せて、何に見えるかを想像してもらい、その内容から心理状態や性格傾向を判定する方法である。特に年齢制限は限定していない。
最後は「質問紙法」の基礎知識!
【第五問】MMPI(ミネソタ多面人格目録)は、質問紙法による人格検査である。
正解は……
【解答】○
【解説】質問紙法による人格検査は、質問項目に○×、あるいは「はい・いいえ」などの回答を自分で記入する方法。学校、企業の人事、カウセリング場面などで実施されることが多く、行動、興味、態度、性格特性など、観察だけでは知ることのできない資料を得ることができる。MMPIは4種の妥当尺度と10種の臨床尺度、そのほかの尺度からなる550の質問項目で構成される。
文:長井まき
参考:
「2020年版 ユーキャンの社会福祉士 これだけ!一問一答&要点まとめ」ユーキャン自由国民社
「福祉教科書 社会福祉士・精神保健福祉士 完全合格テキスト 共通科目 2021-2022年版」翔泳社