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介護・看護・リハビリ 2022-03-10

思考力を鍛える!言葉にまつわるクイズレク【介護レクリエーションvol.46】

現場で役立つレクリエーションのアイデアをご紹介する「介護レクリエーション」。
今回は、「ことわざ」と「早口言葉」を使って脳の活性化を促すレクリエーションを、中級レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回ご紹介するレクリエーションは、『ことわざ当てゲーム』と『早口言葉当てゲーム』。どちらもクイズを出題し、答えとなることわざや早口言葉を参加者に解答してもらうゲームです」(大野さん)

『ことわざ当てゲーム』とは、どんなゲームですか?

「スタッフが出題したクイズの答えとなることわざを、参加者が考えて答えるゲームです」(大野さん)

では『早口言葉当てゲーム』は?

「同様に、クイズの答えとなる早口言葉を参加者が答えるゲームです」(大野さん)

2つのレクリエーションによって期待できる、身体・精神面の効果は?

「出題内容をもとに今までの経験や記憶を辿って答えを考えることで、思考力の向上につながります。また、答えを声に出して発表したり参加者全員で発声したりすることで口の運動にもなります」(大野さん)

それでは早速、『ことわざ当てゲーム』と『早口言葉当てゲーム』の遊び方をご紹介します。

ことわざ当てゲーム

【対象者】職員の声を聞き取れる方
【レクの目的】思考力・記憶力の向上、発声
【人数】2~10人
【実施に好ましい場所】声が聞き取れる環境
【所要時間】15分程度
【レクリエーションの内容】スタッフが出題したクイズの答えとなることわざを、参加者が考えて答えるゲームです。もともと知っていることわざでも、条件をつけて出題されると連想するのが難しいため、解答するために思考を巡らせることで脳の活性化につながります。

レクを始める前の準備

・クイズにすることわざの問題をいくつか考えておきます。(例:動物が入っていることわざ、風景が入っていることわざ、体の部位が入っていることわざ)

遊び方

1. スタッフが参加者に向け、「動物が入っていることわざは?」などと出題します。

2.参加者は答えがわかったら手を挙げて解答します。正解者が出たら、スタッフはことわざの意味を聞くなどして話題を膨らませましょう。

3.同様に何問か続け、15分程度経ったらゲームを終了します。

進め方のコツ

・答えがなかなか出ない場合は、ことわざの意味を伝えるなどしてヒントを出しましょう。反対に、難しいことわざを解答した参加者がいる場合などは「難しいことわざを知っていますね!」などと声をかけて意味を教えてもらうなど、コミュニケーションを図りましょう。

・一つのクイズに対して、複数の答えがある場合もあります。参加者の挙手が無くなるまでゲームを続けましょう。(例:動物が入っていることわざ「猿も木から落ちる」、「猫に小判」、「捕らぬ狸の皮算用」、「馬の耳に念仏」、「二兎を追う者は一兎をも得ず」など)

早口言葉当てゲーム

【対象者】職員の声を聞き取れる方
【レクの目的】思考力・記憶力の向上、発声、口の運動
【人数】2~10人
【実施に好ましい場所】声が聞き取れる環境
【所要時間】15分程度
【レクリエーションの内容】スタッフが出題したクイズの答えとなる早口言葉を、参加者が考えて答えるゲームです。答えを考えるために脳を活性できるほか、早口言葉を唱えることで口の筋肉を鍛えることもできます。

レクを始める前の準備

・クイズにする早口言葉の問題をいくつか考えておきます。(例:「麦」がつく早口言葉「生麦生米生卵」、「客」がつく早口言葉「隣の客はよく柿食う客だ」、「にわとり」がつく早口言葉「庭には二羽にわとりがいる」)

遊び方

1.スタッフが参加者に向け、「麦のつく早口言葉は?」などと出題します。

2.参加者は答えがわかったら手を挙げて解答します。

3.正解者が出たら、参加者全員で答えの早口言葉を3回唱えます。同様に何問か続け、15分程度経ったらゲームを終了します。

進め方のコツ

・レクを始める前に参加者へ「このレクを行うことで、発声しやすくなったり、ものを飲み込みやすくなったりと身体機能向上の効果が期待できます」と説明すると、参加者のやる気アップにつながります。

これまでの知識を活かして推測したり、記憶を辿って言葉を思い出したりするレクは、脳を活性化し、認知症予防につなげることができます。参加者とコミュニケーションを図りながら楽しんでみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:寺西香織(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、中級レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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