介護タクシー・福祉タクシードライバーの収入はどれくらい? 収入UPを目指すには
今後ますます高齢化が進んでいく日本において、ひとりで外出できない高齢者や身体障害者の方のために介護タクシーや福祉タクシーの需要は高まっていくでしょう。そのため、介護タクシーや福祉タクシーのドライバーをこれから目指そうという方もいるはずです。そんな方のために今回は、介護タクシーや福祉タクシードライバーの収入がどれくらいなのか、そして収入アップを目指すためにはどうすればいいのかについてご紹介します。
介護タクシー・福祉タクシー運転手の収入はどれくらい? 求人情報をチェック!
介護タクシーや福祉タクシー運転手を目指そうと決めた場合、もっとも気になるのはその収入でしょう。ここでは介護タクシーや福祉タクシー運転手の収入相場はもちろん、求人情報についてご紹介します。
介護タクシー・福祉タクシードライバーの収入相場は?
介護タクシーや福祉タクシードライバーの収入相場は、勤務先や勤務する地域などによって変わってきます。募集中の求人の中から一例をご紹介しましょう。たとえば障害者生活介護サービス・放課後等デイサービスなどをおこなっている事業所が募集している送迎ドライバーの仕事です。これも介護タクシードライバーの仕事に分類されます。この求人で正社員として採用された場合の月給は16万5,000~18万5,000円です。
また、別の求人では訪問診療のドライバーも募集されています。この求人で正社員として採用された場合の月給は23万5,800~29万5,500円です。ただ、この求人の場合は、ドライバーの仕事だけでなく在宅医療専門クリニックのサポートをする業務も含まれています。このように勤務先によって収入は変わってきますが、正社員として働いた場合、収入相場の平均としては月給20万円程度です。パートやアルバイトとして働いた場合、時給の平均は1,000~1,100円程度となります。
介護タクシー・福祉タクシードライバーが収入UPを目指すには?
介護タクシーや福祉タクシードライバーの収入相場についてご紹介しましたが、介護タクシーや福祉タクシードライバーが収入アップを目指すためにはどうすればいいのでしょうか。ここでは介護タクシーや福祉タクシードライバーが収入アップを目指すための方法などについてご紹介します。
1. 介護保険タクシーも運転できる資格を取得する
介護タクシーには種類があるのをご存知でしょうか。それは普通の介護タクシー(わかりやすいようにここでは「普通の」と明記します)と介護保険タクシーの2種類です。この両者は、介護保険の適用があるかないかという点に最大の違いがあります。また、介護保険タクシーは普通の介護タクシーや福祉タクシーと利用方法が異なる点や、利用できる人が限られている点なども大きな違いです。
普通の介護タクシーや福祉タクシーの場合は、利用目的に制限はありません。たとえば洋服を買う目的で買い物をする際に利用することも可能です。しかし、介護保険タクシーの場合はそういうわけにはいきません。介護保険タクシーを利用することができる方は、介護保険を利用する方で、要介護1以上の方(要支援1~2の方は利用できない)や電車やバスなどの公共交通機関をひとりで利用できない方などに限られています。
利用目的に関しても、病院や診療所に通院する場合や選挙の投票に行く場合など制限があり、介護保険タクシーはどんな目的でも利用できるというわけではありません。そして、介護保険タクシーのドライバーは、利用者の通院等の乗降介助をおこなうことになるため、普通自動車第二種免許だけでなく介護職員初任者研修の資格も必要になります。つまり、介護職員初任者研修の資格を持っていない普通の介護タクシーや福祉タクシーのドライバーでは、介護保険タクシーの仕事をすることはできないのです。
介護職員初任者研修の資格を取得して介護保険タクシーの運転もできるようになれば、仕事の幅も広がりますし、収入アップも見込めます。収入アップを目指すなら介護保険タクシーの運転もできる、介護職員初任者研修の資格取得がおすすめです。
必要な資格|介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の資格とはどのような資格で、取得するためにはどうすればいいのでしょうか。介護職員初任者研修というのは、介護利用者の身体に触れて食事・入浴・排せつなどの日常生活を支援する身体介護をおこなう際に必要となる資格で、介護に関する基礎的な資格です。
介護職員初任者研修の資格を取得するためには、専門学校などの通学課程や通信課程で研修科目を130時間受講し、全科目修了時に筆記試験を受けて合格基準点をクリアする必要があります。研修実施校によっては、約1カ月で取得できる短期集中コースなどもありますが、3~4カ月の受講期間が一般的です。
介護職員初任者研修の資格は、介護職員としての足がかりとなる資格でもあるため取得しておいて損はありません。また、万が一介護職へ転職することになった場合の保険としても使えます。
2. より条件の良い事業所・施設へ転職する
介護タクシーや福祉タクシーのドライバーとして働くためには、介護タクシー事業をおこなっているタクシー会社や施設などに就職することになります。当然、介護タクシー事業をおこなっているタクシー会社や施設はひとつだけではありません。高齢化が進んでいる現在では介護タクシーや福祉タクシーの需要も高まってきており、介護タクシー事業をおこなうタクシー会社や施設も増えてきています。
介護タクシーや福祉タクシーのドライバーとして収入アップを目指すのであれば、より条件のよいタクシー会社や施設などへの転職も視野に入れる必要があるでしょう。しかし、誰でも条件のよい職場へ転職できるというわけではありません。より条件のよい職場へ転職するためには、その条件にみあうだけのスキルや経験が必要です。
経験はある程度の年数をかけて積み上げていくしか方法はありませんが、スキルという部分では介護保険タクシーを運転することもできる介護職員初任者研修の資格を取得する方法があります。資格を取得して介護保険タクシーも運転できるようになれば、より条件のよい職場へ転職できる可能性も広がるため、やはり介護職員初任者研修の資格取得はおすすめです。
3. 独立開業して介護タクシーサービスを始める
介護タクシーや福祉タクシーのドライバーとして働く方法は、介護タクシー事業をおこなっているタクシー会社や施設に就職するという方法だけではありません。収入アップを目指すなら独立開業して個人で介護タクシーサービスを始めるという方法もあります。では、介護タクシーサービスを独立開業して始めるためにはどのようなことが必要になるのでしょうか。
開業前に押さえておきたい3つの要件とは
まず介護タクシーサービスを開業するためには、国からの事業許可を取得しなければなりません。そのためには、営業所所在地を管轄する運輸支局へ許可申請書を提出する必要があります。許可をえるためには審査があり、その審査要件というのが人的要件・設備要件・資金要件の3つです。この3つの審査要件をクリアしなければ事業許可を取得することはできません。
まず人的要件というのは、普通自動車第二種免許を保有しているドライバーがいること、そして運行管理者・整備管理者がいることです。運行管理者と整備管理者はドライバーでも兼任することができます。
主な設備要件は下記のとおりです。
・土地、建物の使用権限が3年以上ある営業所があり、事務所および、休憩・仮眠室があること
・自動車の車庫は原則として営業所に併設されており、車両の長さ、幅+1m以上のスペースがある車庫であること(使用権限が3年以上必要)
・点検、整備及び清掃のための水道等の清掃施設があること(使用権限が3年以上必要)
・車両を1両以上有し、その車両がリフト・スロープ・寝台等がある福祉車両であること
・運賃をメーター制にする場合は、タクシーメーターを設置していること など
資金要件というのは、所要資金合計額の50%以上を保有し、かつ、事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金を申請日以降、常に確保していることとなっています。
介護タクシードライバーは地域の介護福祉を支えるお仕事のひとつ
今後ますます高齢化が進んでいく日本において、ひとりで外出できない高齢者や身体障害者の方のためにも地域の介護福祉を支える仕事のひとつとして介護タクシードライバーの存在は必要不可欠です。ただ、介護タクシードライバーにも生活があります。ここでご紹介したように収入アップの方法はひとつだけではありません。介護タクシードライバーをこれから目指そうという方もすでに介護タクシードライバーとして働いている方も自分に合った方法を見つけて収入アップを目指してみてはいかがでしょうか。
出典元:
神奈川県 介護員養成研修のページ
国土交通省中部運輸局 介護タクシーをはじめるには