ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2021-07-26

デイサービスの職員の悩みとは? 解決するためにはどうすればいい?

介護が必要になっても、外出の機会があるというのはうれしいものです。楽しみにしている利用者が多いデイサービスには明るいイメージがあり、夜勤がなくて働きやすい職場だという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

しかしデイサービス職員の悩みには、入所施設などの介護施設と同様の悩みのほかに、デイサービスならではの悩みがあります。デイサービスで仕事をしていて、つらいと感じたときにはどのような解決方法があるのか確認しておきましょう。

みんな何に悩んでる? デイサービスの介護スタッフが悩む理由とは

「日勤だけだから楽だろうと思っていたら、意外と大変だった」という声をよく聞くのが、デイサービスです。ここでは、デイサービスのスタッフがみんなどんなことで悩んでいるのか、例を挙げてご紹介します。

仕事量が多くてつらい…|職場環境の悩み

送迎や宅配食、衣類チェックなど、入所ではない仕事の種類も多く、家族との接点も多いデイサービス。入所施設と異なり、日勤のみなので次の勤務帯への引継ぎをおこなうことはありません。そのため、仕事を家まで持ち帰ってしまったり、ついつい残業してしまったりしやすい傾向にあります。

夜勤があると、日中の用事を夜勤入りの日や夜勤明けの日に済ませることもできますが、デイサービスは日勤帯のみの仕事です。そのため、最近ではスタッフが不足し、デイサービスを縮小せざるを得なかったという事業所もあるほど、人手が足りていないのです。基準ぎりぎりの人数だと、平日の日中に休みがとりにくい場合もあります。

レクがうまくできない・介助が下手…|お仕事内容の悩み

デイサービスでは利用者がそろった午前中に、朝のあいさつを兼ねてレクリエーションをおこなうというパターンが多くあります。デイサービスのレクは、身体機能のリハビリや頭の体操なども兼ねておこなっているので、利用者の心身の状況に合わせつつも少し背伸びをしてみるといった配慮が必要です。

実際に、利用者の身の回りの世話をする介護の仕事は好きだけれど、レクリエーションの際に人前で話をするのが苦手というスタッフは少なくありません。そもそも人前で話すのが苦手なスタッフにとっては、苦痛を感じてしまうこともあるようです。

またデイサービスの利用者は、日常生活動作はほとんど自分でできていて、手を添える程度の介助でじゅうぶんな人から、つねに見守りが必要な人、おむつの取り換えが必要な人まで、介護のレベルが多岐にわたります。そのため、慣れるまでは曜日によって異なる利用者ごとに、それぞれどんな介助が必要なのか判断しつつ解除しなければならず、悩んでしまうこともあるのです。

利用者さんや同僚とうまくいかない…|人間関係の悩み

デイサービスでは夜勤などのシフト制ではないため、入所施設に比べると日々のスタッフの変化が少ない職場です。そのため、スタッフ間の人間関係は固定化しやすく、お互いに対する不満なども顕在化してしまいます。
トイレ介助や着替えの介助が必要な人の介護を避けたり、おしゃべりばかりしていたりするスタッフが目につきやすく、人間関係が悪くなることもあるでしょう。

また入所施設に比べると、デイサービスは利用者の入れ替わりが頻繁にあります。さらに曜日によって利用者のメンバーが異なるため、利用者同士の関係性がなかなか定着しないことも。
そのため、利用者同士もお互いにどう対応してよいか戸惑ってしまうこともあり「○○さんがいる日は行きたくない」といった訴えも少なくありません。

このようなことから、利用者それぞれの相性を見極めて席を決めたり、細かな反応を見ながら日課を進めたりする必要があります。それを負担に感じてしまうこともあるでしょう。
また、家であった嫌なことを引きずって、不機嫌になっている利用者もいます。把握できていないことを推測しながら対応しなければならないことに、ストレスを強く感じるスタッフもいるようです。

悩みを解決するためにできることとは?

デイサービスの職員がどんな悩みを抱えているかが、おわかりいただけたのではないでしょうか。ここでは、上記のような悩みを解決するにはどうすればいいのかを解説します。

職場環境の悩み|人員補充を求める

介護の職場環境について、職員悩みのなかでも、「残業が多い」「休みがとれない」などは人員不足から生じていることが多い問題です。
あきらかな人員不足なのに、今いるスタッフだけでむやみにがんばると、無理しすぎて具合の悪い人が出たり、退職の連鎖になってしまったりすることもあります。そのようなことを避けるためには、まずは職場に人員補充を求めてみることが大切です。

残業には、どうしても利用者の対応で残業が必要という場合と、カンファレンスなどが延びて、なんとなく残業している場合があります。勤務時間内に仕事を終わらせることができる方法があれば周囲と相談して、そのために必要な物品や人員を確保してもらうようにしましょう。

経験を活かして環境の良い介護施設へ転職するのもおすすめ

いろいろ試してみても、職場環境が変わらないときには、転職を検討してみるとよいでしょう。介護の現場は人手不足なので、転職することは難しくありません。現在の職場での経験があるのですから、自信をもって違う職場を探してみましょう。

環境のよい職場を見わけるポイントとして、まずは給料や手当の金額、有給休暇の日数を事前に確認しておきましょう。雇用保険はもちろん、公的医療保険や年金加入がどうなるのかもしっかり確認しておくことが大切です。育児や介護をする可能性がある方は、育児休暇制度や介護休暇制度についても確認しておきましょう。

また、職場にハラスメントの相談窓口や健康相談の窓口などが明記されているかどうかも重要なポイントです。ハローワークなどで聞いてみたり、面接などの際に確認したりしておくと、いざというときにも後悔することはないでしょう。

お仕事内容の悩み|先輩のやり方を参考にする

デイサービスの仕事の内容に慣れることができなかったり、レクやリハビリがうまくできなかったりという悩みでは、自分が今できていることを書き出してみましょう。目立たない仕事ばかりかもしれませんが、思っている以上にできていることは多いものです。
そのうえで、「できていない」「苦手」と感じる仕事については、できるようになりたい優先順位をつけて、身近な先輩のやり方をマネしてみたり、教えてもらったりするとよいでしょう。

レクなどは自分ができているかどうかを気にしすぎると、余計にギクシャクしてしまうものです。そんなときは利用者がどんなふうに反応しているかに着目すると余裕ができ、利用者に合わせてレクに取り組めるようになるでしょう。

スキル不足が気になるなら資格取得もおすすめ

自分には介護スキルが不足しているのではないかと考えてしまう場合には、資格取得もおすすめです。現在、資格を保有していないのであれば介護職員初任者研修を、介護職員初任者研修を持っているなら介護福祉士実務者研修を受講して資格を取ってみましょう。
職場によっては、資格を取得することによって資格手当がつく場合もあるので、転職の際にも有利です。

人間関係の悩み|ほかのスタッフに相談する

仕事の種類にかかわらず、退職理由で多いのは職場の人間関係です。人間関係で悩んだら、あまりつらくなりすぎないうちに、上司やほかのスタッフに相談してみましょう。
その際、相手の悪口にならないよう、「私はこう感じるのだけれど、どうしたらいいのかな」と投げかけてみることをおすすめします。

利用者さんとの人間関係は接し方をチェック

デイサービスの利用者は、それぞれ在宅で自分なりの生活を送っている人です。そのため、それぞれが異なるバックグラウンドをもっており、思わぬところで機嫌を損ねてしまうということもあります。利用者とのやりとりをメモして、利用者が気分を害してしまうポイントを探してみましょう。

自分に合った解決方法を見つけよう!

デイサービススタッフの悩みは、休みがとりにくかったり、時間外労働が多かったりするような理由はもちろんですが、職場や利用者との人間関係などで悩んでいることがあります。

まずは、デイサービスの仕事内容に慣れる工夫や、職場の環境を変えるための働きかけをしてみるのがおすすめです。それでも悩みが解消しない場合には、転職を検討してみるのもひとつの方法です。資格を取ってステップアップすることも視野に入れて、自分に合った解決方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

参考元:
介護の資格最短net 介護福祉士実務者研修とは
カイゴジョブアカデミー 介護職員が抱えやすい悩みとその解消方法

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事