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介護・看護・リハビリ 2019-12-06

介護職に復帰したくてもブランクがある方へ

介護の資格を取得していながら介護の仕事に就いていない人を「潜在介護士」と言います。中でも介護福祉士だけで見ると、潜在介護福祉士数は30万人以上いると言われ、資格を所持している3人に1人は介護関連の業務に携わっていないということになります。せっかく資格や知識、スキルを持つ経験者なのにそれを生かさずに日常生活を送るというのは非常にもったいないことです。

介護職に就かない理由としては様々な要因が考えられますが、介護業界の職場状況が良くならなければ、この数は増えて行くと予想されています。それにより、ますます人手不足になり労働環境の悪化という悪循環になってしまうのです。このような状態を打開するためにも、現在介護の仕事にブランクが空いてしまっている方にとって、このコンテンツが復帰の一助になれば幸いです。

どんな理由でブランクが空くの?

<結婚・妊娠・出産・育児による退職>
結婚・妊娠を機に会社を辞め、いつか戻ろうと想いながらも出産・育児に手を追われ、いつの間にか年数が経ってしまっているというのは日本の女性にはよくある話かもしれません。

<介護による退職>
父母や祖父母などに介護が必要になり、夫は働き、妻は退職して家族の介護をするという例もあります。介護生活が長くなれば長くなるほど、その分ブランクも長くなってしまいます。

<病気・怪我による退職>
自分自身の病気の他、怪我による入院や長期的に病院に通わざるを得なくなった人は、それをきっかけに退職をすることがあります。快復するまでの期間によって離職期間も異なります。

<職場の不満による退職>
業種や職種、施設の種類に関わらず、現場職員間やサービス利用者との人間関係に悩みを持つ人は少なくありません。特に新人は最初に持っていた理想とのギャップを感じて退職したものの、「辞めて良かったのか」と葛藤している方もいらっしゃるようです。

ブランクがある人が職場復帰する時の不安

介護業界から退いたものの、「せっかく資格があるのだから、もう一度介護業界で働きたい」と思い、再就職・転職活動をしている人がいる一方、不安により職場復帰に今一歩踏み出す気持ちになれないという人もいます。では実際、皆さんがどのような不安を抱えているのか見てみましょう。

<復帰して仕事について行けるのか>
介護業界から離れている間の新しい情報、知識、技術に対応できるのか、新しい部分を覚えることが負担にならないかなどに、不安を感じているようです。既に介護福祉士やケアマネージャーのような介護の軸となる資格を所持している人ですら、新しい知識や技術を得られる自信がないという側面があるようです。

技術面は復職してから身に付けるとしても、介護の仕事から離れている間に制定された法令などは、インターネット等を参考に事前に勉強しておいた方が良いでしょう。

<人間関係の悪い職場だったらどうしよう>
以前の職場での人間関係や同僚からの支援を得られないなどの問題で続けられなかった人は、特養や有料老人ホーム、ディサービスなどの介護の職場で働きたいと考えながらも、なかなか復職に希望を見出せないということがあるようです。一度働いた職場がたまたま人間関係の悪い職場だったというだけで、介護業界全体が雰囲気の悪い職場と考えてしまうようです。

同じ過ちを起こさないように、求人ページの内容を熟読したり実際に自分の目で現場スタッフの仕事振りを見学したりすることで、人間関係が良く働きやすい条件の職場を選びましょう。

<ブランクを理由に採用されないのではないか>
そもそも、「ブランクが長いから応募しても採用されないだろう」と諦めてしまう方々もいらっしゃいます。ブランクに正当な理由がある人は面接の時にその旨を伝えれば良いでしょうが、「職場環境がイヤで辞めた」「なんとなく辞めた」という理由で辞めた方は、他の仕事に就いていた理由を採用担当者になんて言えば良いかわからず、諦めてしまうことも多いようです。

ブランクがある人の応募書類の書き方

ブランクがある人は履歴書や職務経歴書の空白期間をどうやって埋めようかと思いがちです。しかし、ウソを吐かずに退職期間は空白のままでかまいません。もちろん事務系や美容系など介護職以外の仕事をしていた人は、その事を書きましょう。

ウソを書くと当然ですが職歴詐称になってしまいますので、それは絶対にやめましょう。但し、採用担当者には「なんで辞めていたんだろう?」「なんで介護から離れたんだろう?」と思われるかもしれません。そういったマイナスのイメージを与えてしまわないように、空白期間を履歴書の自己PRや面接でフォローすることが大切です。

資格欄には介護関連以外の所持資格も書くようにしましょう。例えば運転免許は利用高齢者の送迎に必要になって来ますし、近年はインドネシアやフィリピン、ベトナムからの外国人介護福祉士候補者を受け入れていますので、英語力があれば使う場所や機会があるかもしれません。「これは関係ないかな?」と思っても、歓迎・支持されることもあるので迷わず書くようにしましょう。

ブランクがある人の面接の受け方

ブランク期間のことは面接時に高確率で質問されます。妊娠・出産などが理由の場合は、その旨を正直に回答すれば良いでしょう。しかし、もしかすると「なぜ産休・育休を取らなかったのですか?」と聞かれるかもしれません。

もし、以前の会社の雰囲気が産休・育休を取れるような状態ではなかった場合は、悪口にならないようにそのことを伝えましょう。また、「初めての出産だったので不安で、何かあって会社にご迷惑をかけてはいけないと考え、退職致しました」と答えるのも良いのではないでしょうか。

介護業界から離れていた人は、離れていたけどまた介護の仕事に就きたくなった(介護の仕事をしていた時の方が、喜び・やりがいがあったなどの)旨を、経験を交えて話しましょう。また、離れていた期間に経験して身に付けた力や考え方をうまく織り交ぜて話せると良いです。

病気などにより仕事から離れていた場合に心配されるのは、「もう病気は快復しているのか?」という事です。しっかり快復してまた頑張りたいという旨をしっかり伝えましょう

会社は当然あなたにお金を払うわけですから、あなた自身は商品です。あなたという商品を会社が買いたくなるようなプレゼンを心掛けましょう。

職場復帰した人がよくする失敗

ブランク後に職場復帰した人がよくする失敗をまとめてみました。

<邪魔なプライド>
「資格を持っている」「5年以上の経験がある」という事を理由に、1~2年しか働いていない先輩職員を見下してしまったり、指示をされても「いや、以前の職場では……」と言ってしまったりしてしまう人がいます。新職場は以前の職場ではありませんし、経験や資格があっても新人です。謙虚な気持ちで、全てのスタッフが働きやすく機能的な環境を作りましょう。

<家庭との両立>
「子育てが一段落して再度働き始めたけど、仕事も家庭も忙しくて両立が無理!」という話も聞きます。子育ても介護職もかなりの重労働です。慣れるまでは正社員にこだわらず、パートとして働き、家族にも援助をお願いするのもひとつの方法です。

<夜勤が合わない>
以前は平気で夜勤をしていたのに、久しぶりに夜中に働くと辛いということがあります。食事を摂る時間がまばらになって体調を崩したり、人に寄っては肌が荒れたりと様々なことが起きます。夜に慣れるまでには、しばらくかかるかもしれません。

<選び過ぎて失敗>
これは応募時に起こす失敗ですが、以前職場選択に失敗した人は職場を選ぶことに慎重になり過ぎる傾向があり、時間をかけて厳選して応募した結果、手遅れで既に定員になってしまっていたということがあります。良い職場を選ぶのは大切ですが、このようなミスをしないために、応募して面接を受けてから厳選しても遅くありません。

職場復帰のための準備

新しい職場が決まったら、勤務開始日までに準備をしましょう。以前の仕事から5~10年ぐらい経ってしまっている場合は流石に、仕事内容を覚えていないでしょう。もちろん、特に準備をしなくても、やっていくうちに身体が思い出すとは思いますが、会社としては経験者として採用しているわけですから、それなりの期待はしています。そこで、まごまご仕事をしていると肩を落とされてしまうかもしれません。

以前、働いていた時にとったノートを読み返すなどをして、仕事内容を思い出しましょう。また、数年経っても介護の方法自体はそれほど変わっていませんが、法令が変わっている場合は多々あります。インターネットなどで、介護関連の法令を勉強しておきましょう。

まとめ

ブランクが長くても再就職に不安を感じる必要はありません。例えば28歳で出産し、子どもが成人したら復職すると設定した場合、その方が介護業界に戻ってくる頃には中高年と呼ばれる年齢になっています。実際、介護職に就職する人の8割は女性ですし、40代の方もたくさんいらっしゃいます。つまり、出産・育児を経た上で就職している女性が大変多いのです。

それでも技術や知識面での不安は拭い切れないかもしれません。どうしても不安という方は事前に準備しておき、更に、教育体制が整った施設を就職先に選ぶようにしましょう。

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