介護職員に必要な心得とは?働くために知っておくべきマナーもご紹介
介護は、主に日常生活を送るうえで欠かせない基本動作が難しい方や、基本動作は問題ないものの介助を求めている方が利用します。利用者の多くは、なにかしらの悩みや不安を抱えています。介護職員は、そういった利用者に寄り添い、満足してもらえるようにサービスを提供しなければいけません。
そこで、今回の記事では、介護職員として働く上で必要な心得と、知っておくべきマナーについてご紹介します。
知っておくべき介護職員に求められていることとは?
介護の目的は、利用者が自立した日常生活を送れるようにすることです。目的を達成するためには、利用者のことをよく理解しなければいけません。利用者がなにを必要としているのか、そのために自分はなにをするべきかを考えてサポートする必要があります。
しかし、利用者のことを理解するのはかんたんではありません。利用者が必要としていることを知るためには、コミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが大切です。介護職員は、利用者との信頼関係を築き、利用者が望む支援をサポートすることが求められます。
介護職員に必要な心得5つ
利用者が求める支援をサポートするために、介護職員はどのような心構えで働くべきなのでしょうか。介護職員に必要な心得を5つご紹介します。どれも介護職員にとって重要なことなので、ぜひ覚えておいてください。
1.報告・連絡・相談を忘れない
利用者のサポートは、介護職員ひとりで行うものではありません。介護現場では、すべての職員が利用者と関わります。そのため、協調性やチームワークが必要不可欠です。日々変化する利用者の体調を共有するために、報告・連絡・相談を欠かさず行わなければいけません。
どんな些細な変化であったとしても、サービスを提供する際には大切な要素になります。また、業務を遂行していくなかで、わからないことも出てくるでしょう。不明点をそのままにせず、他の職員や上司に相談して解決するようにしましょう。
2.自分の体調管理を行う
介護職員として働く上で、日頃の体調管理は大切です。介護職員自身が疲労やストレスを多く抱えていると、よりよいサービスを提供することができません。疲労やストレスを解消するために、休日は趣味や好きなことをしたり、ゆっくりと体を休めたりしてリフレッシュしましょう。
また、勤務先によっては日勤と深夜勤務をする方もいると思います。睡眠不足に陥らないために、1カ月のシフト表を基に睡眠を十分に確保できるよう、スケジュールを組むのがいいでしょう。
3.知識や技術の習得など向上心を忘れない
介護業界は、介護の取り組み方や制度などが常に変化します。さまざまな変化に対応するために、知識や技術の習得を積極的に行いましょう。そうすることで、利用者によりよいサービスを提供することができます。
また、資格の取得で知識や技術を証明することもおすすめです。自分が今後、どのような介護職員になりたいのか、理想像を持った上で資格を取得しましょう。
資格を取得することで、スキルアップになるほか、利用者の要望に多く応えることができます。向上心を持つことは、自分と利用者の双方にとってメリットがあることを覚えておきましょう。
4.公私混同しない
利用者とコミュニケーションをとることは、非常に大切なことです。しかし、公私混同をしてはいけません。介護職員と利用者は、あくまで仕事上の関係です。たとえば、自分の住所や電話番号などの連絡先を渡す、もしくは利用者の連絡先を受け取るケースが挙げられます。
しかし、利用者と個人的に関わることは厳禁です。連絡先の交換などはせず、連絡は必ず事務所を通して行うようにしましょう。
5.利用者への思いやりの気持ちを持つ
介護サービスの利用者は、さまざまな不安や悩みを抱えており、利用者によって抱えているものは異なります。利用者に適したサービスを提供するためには、思いやりの気持ちを持つ必要があります。自分勝手な判断で支援を続けると、利用者は困惑して、信頼を損ねてしまうかもしれません。
介護の仕事は、利用者と長期的に関わることが多いため、信頼関係を構築することは大切です。日々のコミュニケーションを大切にするほか、他の職員から利用者の情報を聞いておくなど、利用者に寄り添えるように行動しましょう。
社会人としてのマナーを守ることも大切
介護職員として働くうえで、求められていることを認識し働き方を心得ることは、大切です。しかし、それ以前にひとりの社会人であることも忘れてはいけません。社会人としてのマナーを守ることは、介護職員の仕事にも繋がることを覚えておきましょう。社会人として守るべきマナーは以下の通りです。
・遅刻欠勤がない
・敬語を使う
・個人情報保護のルールを遵守
・毎日正しく勤務時間を記入する
社会人としてのマナーを守ることは、社内のほかのスタッフはもちろんのこと、介護利用者との信頼関係にも繋がります。
介護職員に必要な接遇マナー5原則を習得しよう
介護職員は、1日の業務のなかで利用者と関わる時間が多いため、接遇マナーを意識することが大切です。接遇とは、おもてなしの心を持ち相手に接することを意味しています。接遇マナーを身に付けることで、より高い介護サービスが提供できるようになるでしょう。身に付けておくべき接遇マナー5原則をご紹介します。
1.表情
利用者は、介護職員の表情を伺っていることが少なくありません。硬い表情やつらそうな表情をしていると、利用者は気軽に声を掛けづらくなります。自分自身が怒っていない・疲れていないと思っていても、表情から汲み取られることもあります。
利用者と接する場合は、なるべく明るい表情を心がけましょう。表情を明るく・にこやかにするだけで、相手からの印象は異なります。表情を明るくするためには、口元や口角を上げるほか目元を意識するといいでしょう。
2.挨拶
利用者とコミュニケーションを取ることなかで、挨拶はコミュニケーションの基本になります。利用者と接する際は、必ず挨拶をするようにしましょう。ただし、言葉だけの挨拶にならないよう、相手の目を見て、にこやかに挨拶をするように心がけてください。
3.身だしなみ
介護の仕事では、利用者の介助などで体が密接に関わる場面が多いです。そのため、身だしなみを整えておくことは、接遇マナーだけではなく、事故防止にも繋がります。身だしなみは、清潔感を保つように心がけましょう。
髪の毛が長い場合は、利用者の顔などに髪の毛が当たらないように、ひとつに束ねておきます。また、服や靴は動きやすいものにしましょう。そうすることで、介助中の転倒などを防ぐことができます。
4.話し方
接遇マナーとして、利用者に対する言葉遣いは、敬語が基本です。言葉遣いは、堅苦しく馴れ馴れし過ぎないことが理想的です。言葉をかける際は、「~をします」・「~をいたします」・「~していただけますか」などがいいでしょう。
また、介護現場では、「スピーチロック」と呼ばれる、利用者の行動を制限してしまう言葉に注意しなければいけません。たとえば、「ちょって待ってください」や「動かないでください」といった言葉は、利用者がどれだけの間動かなければよいのかわからず、行動を抑制する原因になってしまいます。そのため、「あと〇分待っていただけますか」のような具体的な言葉に言い換えます。
話し方は、敬語を使うほかに尊厳を守った言葉遣いが必要であることを覚えておきましょう。
5.態度
態度は、コミュニケーションやサービスを提供する際に重要なポイントになります。たとえば、立ち方・歩き方・物の渡し方などが挙げられます。これらの行為をする際は、できるだけ背筋を伸ばすことを意識しましょう。そうすることで、利用者に好印象を与えることができます。
自分の立ち姿や歩く際に、背筋を伸ばして真っすぐになっているかどうか分からない場合は、他の職員に手伝ってもらい確認するといいでしょう。
介護職員は利用者に寄り添うことが大切であると心得よう
今回の記事では、介護職員として働く上で必要な心得・社会人マナー・接遇マナーについてご紹介しました。介護職員は、自立した日常生活を送るために、利用者をサポートすることが主な仕事です。そのため、利用者と密接に関わることが多いです。
介護職員は、利用者に満足してもらえるようにサービスを提供しなければいけません。そのために、マナーや自己管理、利用者に思いやりの気持ちを持つことが必要です。やるべきことはたくさんありますが、利用者と自分自身のために、今回ご紹介した内容を実践してみてください。