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介護・看護・リハビリ 2019-12-10

デイサービスの空き時間を有効活用するには

デイサービス事業に携わっていると、様々なタイミングで空き時間を経験することがあります。それは、利用者側からしても、介護職に従事している人でも必ずあるものです。その空き時間を無駄に過ごしてはいませんか? 世間では、その空き時間を利用して、様々なことに挑戦しているデイサービスもあります。今回はそんな空き時間の有効活用について紹介したいと思います。

スターティングノートを使った第二の人生計画をしてもらう

スターティングノートとは、一般社団法人日本元気シニア総研によって考案された、第二の人生における目標を考えるためのツールです。利用者側が、デイサービスの空き時間を利用して、これからの第二の人生において目標を創ることの目的や意義を考えてもらい、本人の意欲の向上につなげることができます。

このツールは、ノートといっても解答するようなところがたくさんあるものではありません。そのため、計算ドリルのように一つの正解を出すために利用するものではないです。このノートは特に、デイサービスの利用者のうち、「何をしたらいいのかわからない、もしくは今の自分にできることがわからない」という方が自分自身を振り返ることから始めてみて、じっくりこれからの人生で何をしてみたいかを考えるものです。

このスターティングノートを利用することによって、その方が今後何をするべきなのか、何をしたらいいのかの動機づけをしてくれます。スターティングノートには、今自分が置かれている状況を理解させてくれ、その中で自分の持っている過去の体験や歴史を改めて整理して、さらにこれからやりたいことを発見するための手助けをしてくれる効果があります。

デイサービスの空き時間を利用したエンディングノートの活用法

エンディングノートとは、日本語に直訳をすると「最後の覚書」という意味になります。いわば「終末」を意識した身辺整理の意味合いがあります。このエンディングノートを利用することによって、これまで自分が歩んできた人生のしるしを残すことができるようになり、さらに家族や友人などの残された人に向けたメッセージを残すことができます。そして、エンディングノートと遺言書がよく比較されますが、この二つの違いは、法的効力があるか否かです。エンディングノートには、法的効力はありませんが、遺言書にはあります。

次に、エンディングノートを活用する目的には様々あります。第1に、エンディングノートを残しておくことによって、残された家族が困らなくなります。葬儀の方法や、残された遺品の整理の仕方を記しておくことができます。そして次に、ご高齢の方が使用することによって、日々の備忘録として使用することができます。そして最後に、家族には照れてしまい直接言うことのできない愛情や感謝の気持ちを表現することができます。

デイサービスの空き時間を利用して、このエンディングノートの記入をしてもらうのも良いでしょう。様々なことに対して整理をつけることができるでしょう。

デイサービスの送迎車の空き時間を利用したサービス

デイサービスには送迎は付き物です。朝の送迎はもちろん、夕方になれば高齢者を自宅まで送迎することになります。しかし、この送迎車は朝と夕方以外は利用されていないことも多くあります。この送迎車の空き時間を利用して、新しいサービスを始めている施設もあります。

とあるデイサービス施設では、高齢者施設のすぐ近くに、小学校1年生から6年生が利用できる学童保育の施設を併設しました。この学童保育施設は、地域貢献活動の一環として開かれており、土曜日や祝日、各季節の大型連休中などに、よく利用されています。

この施設が拠点を置く地域柄、大規模な工場が周辺に多く、祝日や大型連休になると、親御さんたちが子供の預け場所が少なく、困っていたそうです。この施設を開くことによって、地域貢献活動ができる他、子供の預け場所に困っていた人たちに手を差し伸べてあげることができています。デイサービスの送迎車の空き時間も有効に使って、各学校への送迎もしています。

デイサービスに空き時間は必ず出てきます。どの施設も、レクレーションの開催や、ゲーム機や遊戯施設を用いて、その空き時間を有効活用していますが、今回紹介したような空き時間の有効活用によって、利用者側としては質の高い生活を送ることができ、施設側からしても、地域貢献ができ、さらに質の高いサービスを提供することもできます。

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