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特集・コラム 2023-12-14

介護職に向いている人は?適性や向いていない人を紹介

介護が必要とする対象者の日常生活をサポートしたり、食事や入浴などの介助をおこなったりすることが仕事の介護職。

そんな介護職に向いている人は、どのような性格なのでしょうか。今回は、介護職に向いている人、向いてない人のそれぞれの特徴など、介護職に求められる適性を詳しく紹介します。

介護職に向いている人の特徴10個を紹介!

介護職とは、高齢者を中心に介護が必要な人を支援する仕事ですが、力仕事だけで務まるような職業ではありません。ここでは、どのような人が介護職に向いているのかその特徴を10個ご紹介します。

1. 人と関わるのが好き・接する仕事が好きな人

介護職は利用者との関わりが重要となるため、人と関わったり、接するのが好きだったりする人は介護職に向いています。

介護の場合、とくに利用者は高齢者が多いのが特徴です。そのため、高齢者と接するのが好きな人も向いているでしょう。

2.こまやかな気配りができる・小さな変化に気づける人

介護職では自分より目上の人の世話をすることが多いので、言葉遣いや接し方など、こまやかな気配りができることが大切です。

また、身体の不調を抱えて生活する人もいるため、体調が思わしくない場合、普段と様子が変わることもあるでしょう。たとえ小さな変化であっても相手の様子から多くを汲み取れる人、気づける人が介護職には向いています。

3.コミュニケーション能力が高い・人の話を聞くのが好きな人

介護職は人と接する仕事であるため、コミュニケーション能力は必須です。ここでいうコミュニケーション能力とは、ただ一方的に話しかけるだけでなく、相手の話を聞くことや仕事仲間や利用者の家族との信頼関係を築ける人を指します。

利用者さんのなかには介護職員とのコミュニケーションを楽しみにしている人もいるため、人の話を聞くのが好きな人には向いているでしょう。

また、業務上においては職員同士の連携も必要です。利用者の状況など、きちんと他の職員と共有することを意識しましょう。

4. 明るくて元気な性格・笑顔が多い人

利用者のなかには相手に世話をしてもらうことに遠慮し、気持ちが落ち込んでしまう人もいるかもしれません。

そんなときに明るかったり、いつも笑顔の人がいると、周りにもポジティブな影響を与えることがあるようです。このことから、明るくて元気な性格をしていたり、笑顔が多かったりする人は、介護職に向いています。

5. 気持ちの切り替えが早い・オンオフを切り替えられる人

介護職では、利用者の状態が悪化してしまったり、ときにお別れをしなければならない状況に陥ってしまったりすることもあります。

利用者に寄り添うことはとても大事ですが、悲しい気持ちを抱えたままでは仕事に支障をきたしてしまうことも。そのため、気持ちの切り替えやオンオフを切り替えられる人が介護職に向いているでしょう。

6. 思いやりがある・相手の立場に立って考えられる人

介護職は利用者の身の回りをお世話するのが仕事のため、相手の立場になって考えられる思いやりのある人が向いています。

雑な対応では利用者やそのご家族も快く思わないだけでなく、場合によっては信頼関係を壊してしまう可能性も。このことから、相手に寄り添う気持ちで介護に従事することが大切です。

また、丁寧な言葉遣いは相手に好感を与えます。一人ひとり丁寧に対応することは信頼関係を深めるためにも重要なため、気を付けておきましょう。

7.心身ともにタフ・体力がある人

介護職では身体介護が必要な場面も多いことから、身体が健康でハードな仕事も難なくこなせる体力がある人が向いているでしょう。

また、ときには利用者に心無いことをいわれてしまったり、終末期医療(ターミナルケア)により気持ちが落ち込んでしまったりすることもあるので、心身ともにタフな人がいいかもしれません。

8. 責任感を持って利用者さんに対応できる人

介護の仕事は利用者の命に関わる仕事でもあるため、強い責任感を持って仕事に取り組む必要があります。

基本的に介護職はチームで仕事をすることが多いので、利用者へよりよい介護を提供するために、責任のある行動が取れる人は向いているでしょう。

9. 勉強熱心で向上心がある人

介護職では基本的なお世話だけでなく、相手に対する接し方や介護の方法など新しい知識を身につけることも重要です。

実際に研修や勉強会を開催している団体も多くあります。職種によっては新たに資格取得が必要な場合もあるため、勉強熱心で向上心があり、自分を高めていきたい人も介護職に向いています。

10.土日出勤や夜勤の勤務体制になじめる人

介護職は、勤務先によっては24時間体制で利用者の世話をする必要があり、夜勤や土日出勤といった不規則な勤務もあります。

そのため、夜や土日に仕事が入ってしまう不規則な勤務体制に抵抗がなく、問題なく仕事を続けられる人が向いているでしょう。

求められる適性とは? 職場別に向いている資質を紹介

老人ホームやデイケア施設など、あらゆる介護施設で勤務することになる介護職。実は、職場によって求められる人材や能力は異なるのが特徴です。ここでは、求められる適性を職場別に解説します。

入所型施設

入所型施設は利用者が入所して生活するため、24時間体制で介護をおこなわなければなりません。ここでは、入所型施設に該当する施設別の向いている人の特徴をご紹介します。

介護老人福祉施設|医療ケアの知識を積みたい方

介護老人福祉施設は、要介護3以上の介護度の高い利用者が多いため、生活動作全般に介助が必要となります。また、認知機能低下による危険行動に対応することもあるでしょう。

そのなかには医療ケアが必要な方もいるため、将来的に医療ケアの知識を身につけたいと考えている人が求められます。

介護老人保健施設|多角的な視点を持てる方

介護老人保健施設は在宅復帰や在宅療養支援のために長期間入所する利用者が多いので、良好な信頼関係を築いていく必要があります。

また、業務上医師や看護師だけでなく理学療法士などのほかの職種とも連携する必要があるので、多角的な視点を持てる人が求められるでしょう。

グループホーム|根気強さのある方

グループホームの利用者は認知症の方が中心であり、小規模のユニットで共同生活を送りながら自立した生活を支援していく施設です。そのため、時間をかけて根気強く見守れる人が求められます。

通所型施設・訪問介護

通所型施設は自宅で生活が可能な利用者が多いので、介護負担が比較的少ないです。

一方、訪問介護は利用者の居宅に直接訪問して、介護サービスを提供します。ここでは、それぞれのサービスに向いている人の特徴を確認しておきましょう。

デイサービス|人を楽しませるのが好きな方

デイサービスは要介護1以上の利用者が自宅で自立した生活が送れるように日帰りでサービスを提供します。

また、日常生活における介助だけでなく、レクリエーションに力を入れている施設も多いので、人を楽しませることが好きだという人が求められます。

訪問介護|ひとりの方にじっくり向き合いたい方

訪問介護は、利用者の自宅に直接訪問してサービスを提供します。最大の特徴はマンツーマンによる対応であり、利用者およびその家族のニーズに沿って介護をおこなうのが特徴です。

ほかの施設とは違って、訪問中は一人の利用者だけの対応となるため、一人だけにじっくり向き合いたい人が求められるでしょう。

介護の仕事に向いていないと感じやすい人の特徴

ここまでは、介護職に向いている人の特徴を紹介してきましたが、反対に介護職に向いていない人はどんな人なのでしょうか。ここからは、介護職に向いていない人の特徴について紹介します。

自分のペースで仕事がしたい人

介護職はチームで連携してサービスを提供するため、看護師やリハビリなどのスタッフなど他の職員と円滑にコミュニケーションを図るといった協調性が必要となります。そのため、仕事を自分のペースで取り組む人はむずかしいかもしれません。

また、あくまでも利用者のペースに合わせた業務内容であるため、自分を中心とした仕事はできません。

潔癖症な人

介護の仕事内容には、入浴・排泄・食事の介助をおこなう場面も多いため、潔癖な人は きついと感じてしまうかもしれません。

嫌な気持ちをもって仕事をしていては、周りを不快にしてしまったり、自分自身も仕事にストレスを感じてしまったりしかねません。仕事として割り切れないのであれば、介護の仕事はおすすめしません。

せっかちな人|注意力のない人

介護の仕事では、利用者のペースに合わせて対象の介助をしていきます。動作がゆっくりな利用者であれば、焦らすことなく合わせていかなければなりません。

また、ひとつの小さなミスでも、大きな事故に繋がる可能性があるため、せっかちな人や注意力のない人は、介護職には向いていないでしょう。

体力がない人

身体の動かない利用者をベッドから起こし車いすに移動させたり、入浴の介助をするなど、介護の仕事は身体に負担がかかります。

また、夜間の勤務などもあるため、体力に自信のない人は厳しいかもしれません。

適性は必要? 向いていない人は介護職に就かないほうがいい?

介護職に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説しましたが、適性があるかどうかは必ずしも必要なことではありません。

たとえば、「利用者を笑顔にしたい」といった想いがあり、介護職の仕事が好きで続けたいという気持ちがあったりすれば、介護職として問題なく働けるからです。介護職の仕事では、苦手意識よりも磨ける能力や笑顔が重要となります。

介護の仕事内容

介護の仕事といえば、身体的・精神的な理由から日常の動作が困難な人の介助をすることだと認識している人は多いと思います。ここでは、介護の仕事の3つの分野について詳しく解説していきます。

食事介助

握力などの機能低下で、スプーンや箸を持つことが出来ずに一人で食事ができない人や、
うまく飲み込むことができない人へ食事を介助することです。

利用者の食べるスピードや、誤嚥(ごえん)に配慮してサポートすることが重要です。とくに誤嚥は、肺炎などにも繋がるためしっかりと注意しましょう。

入浴介助

一人で入浴することが難しい利用者に対しておこなわれる入浴介助。利用者の状態に合わせて、一般的な入浴・機械浴など様々な入浴方法があります。

入浴介助をするときは、入浴中の転倒や体調の変化などに、十分に配慮しなくてはなりません。利用者が気持ちよく入浴できるように心掛けることも必要です。

排泄介助

一人でトイレにいけない人や、排泄に不安のある人を介助する排泄介助。利用者のなかでも、とりわけ恥ずかしさや抵抗を感じる人が多いようです。恥ずかしさから、排泄そのものを我慢してしまう人もいるので、相手の立場に立ちながら対応しましょう。

また、利用者の排泄のタイミングや回数・排泄物からの、健康状況の把握などをおこなうことも忘れてはいけません。

介護職に転職するか迷ったら

介護職の適性がある、または介護職に興味があって転職を考えている人はなにからはじめるべきなのでしょうか。ここでは、介護職に転職するにあたってやるべきことをご紹介します。

1. 介護職について調べる

介護職は働く施設によって、勤務体制や業務内容が異なります。そのため、介護職のイメージが明確でない場合は徹底的に調べてみましょう。

入所型施設では夜勤体制、訪問介護ではマンツーマンの対応など自分の適性があるか確認することが大切です。

また、介護職につくためには必要な資格なども調べておきましょう。数ある介護の資格のなかでも、今回は介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士の3つの資格について紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の仕事をはじめる上で必要な基本的な知識や技術を学ぶ研修です。資格を取得するためには、講義と演習で構成される約130時間の研修受講が必要です。

引用元
未来ケアカレッジ:初任者研修の取得期間はどのくらい?費用やスクール選びのポイントも解説
厚生労働省介:護員養成研修の取扱細則について

実務者研修

実務者研修とは、介護職員初任者研修の次に取得をする資格です。実務者研修は、介護に関するより専門的な知識と技術をみにつけることができます。資格取得には、450時間のカリキュラムを受講する必要があります。

この資格を有し、実務経験を3年以上重ねると介護福祉士国家試験を受験することができます。

引用元
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験受験資格
厚生労働省:実務者研修について

介護福祉士

介護福祉士は、国家試験を受け合格することで取得ができます。介護福祉士の国家試験は受験資格を満たしていなければ受けることができません。

各福祉系の学校に入学し卒業するか、介護の実務を3年以上経験し、実務者研修を修了する、もしくは介護職員基礎研修修了し喀痰吸引等の研修修了するなどの要件があります。

引用元
厚生労働省:社会福祉士・介護福祉士

2.介護業界で働く人・詳しい人に相談する

介護職について調べてもなかなか決断できない人は、介護業界で働いている人や詳しい人に聞いてみましょう。

実際に現場で働いている人の声を聞くことで、イメージが湧くだけでなく、自分に合った施設や勤務体制についてアドバイスをもらえます。

3. 介護職として働く姿を想像する・施設を見学する

実際に調べるだけでなく、介護職として働いている自分を想像することで、より具体的に仕事のよさや大変さがわかるようになります。

また、調べるだけでは得られる情報に限界があるので、実際に施設を見学することでその施設が自分に合っているかどうか判断できるでしょう。

適性を活かして、介護職を目指そう!

介護の仕事は、利用者が快適な日常生活を送れるよう、他の職員と連携しておこなう必要があります。また、利用者の話を聞き、心に寄り添うことも大切なため、人と接することが好きな人やコミュニケーション能力が高い人などが向いています。

また、心身共にタフな人や、責任感のある人など、適性は様々です。たとえ向いていない点が多かったとしても、意欲的に働き続けることで自然と必要なスキルは身についていくので、必ずしも適性がある必要はありません。

自分の適性を理解して自分にあった職場を探して介護職を目指しましょう!

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