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介護・看護・リハビリ 2022-01-26

五感を刺激して脳を活性!感覚トレーニングレク【介護レクリエーションvol.41】

現場で役立つレクリエーションのアイデアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、加齢とともに衰えがちな「触覚」「嗅覚」を刺激し、脳の活性化にも役立つレクリエーションを、中級レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回ご紹介するレクリエーションは、『箱の中身は何でしょう?』と『利き鼻クイズ』。どちらも普段馴染みのあるものを『視覚を使わず』に判別するゲームです」(大野さん)

『箱の中身は何でしょう?』とは、どんなゲームですか?

「中身の見えない箱の中に手を入れて、形状や質感、重さなど、手先から得た情報をもとに何が入っているかを当てるゲームです」(大野さん)

では『利き鼻クイズ』は?

「目隠しをした参加者が、紙コップの中に入っているものの匂いを嗅いで当てるゲームです。どちらのレクリエーションも、手や鼻の感覚に集中し、想像力を働かせる力が必要になります」(大野さん)

2つのレクリエーションによって期待できる、身体・精神面の効果は?

「『触覚』『嗅覚』を活性化させる効果が期待できます。また、手触りや匂いといった感覚をもとに答えを考えるため、想像力や思考力を養うことができ、脳の活性化にもつながります」(大野さん)

それでは早速、『箱の中身は何でしょう?』と『利き鼻クイズ』の遊び方をご紹介します。

箱の中身は何でしょう?

【対象者】手指の可動域がある方
【レクの目的】想像力・思考力・手先の感覚を養う
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】身の回りのアイテム(調理器具、おもちゃ、人形、くだものなど)人数分、段ボール箱1箱、布(段ボール箱を覆える大きさのもの)1枚
【所要時間】10分~
【レクリエーションの内容】参加者が中身の見えない箱の中に手を入れ、何が入っているかを当てるゲームです。日頃慣れ親しんでいるものでも、触れるだけでは判別がつきづらいため、手先の感覚を頼りに想像力を働かせることで脳の活性化につながります。

レクを始める前の準備

・段ボールを1面だけ開けた状態で組み立てておきます。

遊び方

1.1番目に挑戦する参加者は、机の前の挑戦者席に座ります。スタッフは机の上に置いた段ボールに挑戦者から見えない位置からアイテムを入れ、上から布を被せます。

2.挑戦者が布の面から手を入れて箱の中に何が入っているかを探り、まずはノーヒントで答えます。なかなか当たらない場合は、スタッフと待機している参加者が「どこで使うものか」「どんな色か」「何でできているか」などのヒントを出しましょう。

3.正しい答えが出たら、スタッフは挑戦者に箱の中身を見せて答え合わせをします。

4.2番目以降の参加者も同様に行い、全員に順番が回ったらゲーム終了です。

進め方のコツ

・スタッフは待機している参加者にも「良いヒントを出してあげてくださいね」など声掛けし、当たれば拍手喝采、外れてもねぎらいの拍手…と、全員でゲームを楽しみましょう。

・参加者の中には、答えを言ってしまう方がいる場合もあります。声掛けやジェスチャーで言わない環境をつくりましょう。

利き鼻クイズ

【対象者】心身の障がいに関係なく全員参加で楽しみましょう
【レクの目的】想像力・思考力・嗅覚を養う
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホールまたは食堂
【必要な道具】目隠し(はちまきなど)、紙コップ、匂いのはっきりしているもの(コーヒー、レモン汁、にんにくなど)
【所要時間】15分~
【レクリエーションの内容】目隠しをした状態で、コップの中に入っているものの匂いを嗅いで当てるゲームです。「何の匂いだろう?」と意識しながら匂いを嗅ぐことで、加齢によって衰えがちな嗅覚を鍛え、脳の活性化にもつながります。

遊び方

1.スタッフは参加者から見えない位置でコップに中身を入れます。

2.参加者は1人ずつ順番に目隠しをし、コップの中身を嗅ぎます。中身を想像できたら、答えを言わずに次の参加者に交代します。

3.全員が匂いを嗅ぎ終えたら、それぞれの参加者が中身を答えます。最後にスタッフが正解を伝え、答え合わせをします。

進め方のコツ

・刺激が強い匂いのものを使うと、参加者がむせこんでしまう危険があります。スタッフが事前に試し、安全なものを使いましょう。また、柑橘類やお菓子の甘い匂いはリラックス効果も期待できるのでおすすめです。

・匂いを感じにくい参加者がいる場合は、「〇〇のような匂いがしませんか?」などの声掛けを行い、イメージを呼び起こすためのサポートを行いましょう。


今回ご紹介したレクリエーションは、「どんな感触ですか?」「どんな匂いですか?」など積極的に声をかけながら行うことで、スタッフと参加者のコミュニケーションを図ることができます。準備もルールも簡単なゲームなので、ぜひ取り入れてみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:寺西香織(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、中級レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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