歯科医師の平均年収や給料はいくら?|2022年最新情報を紹介!
医療従事者の中でも特に高給のイメージがあるのは歯科医師を含む医師ではないでしょうか。歯科医師といっても勤務医から開業医までさまざまな働き方があります。働き方によっても年収は異なるでしょう。
本記事では、歯科医師の平均年収などについて紹介します。2022年の最新情報をもとに歯科医師の年収などについて解説するので参考にしてみてください。
歯科医師の平均年収とは
歯科医師の平均年収について紹介します。勤め先などによりばらつきはありますが、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査における結果の概況によると、全体の平均は年収約770万円でした。
男性のみでみると、平均約860万円で、女性のみの場合は、約538万円です。この数字は総支給額なので、ここから所得税・健康保険料・雇用保険料・厚生年金保険料などが差し引かれた金額が手取り年収となります。
年齢別にみた歯科医師の年収
続いて年齢別に歯科医師の年収をみてみましょう。歯科医師の年収は年齢によって、どのくらい違いがあるのでしょうか。年齢ごとの年収をだいたい把握すると先の見通しが立てやすくなることでしょう。
年齢だけでなく役職や立場によってふり幅はありますが、どのくらいを推移しているのかを以下で紹介します。
40代で1000万に到達することも
以下のデータは企業規模が合計10人以上の場合のものです。40代で年収約1000万円に到達することが、厚生労働省による令和3年賃金構造基本統計調査の数字から読み取れます。
歯科医師の年齢 | 年収(約) |
20〜24歳 | 229万円 |
25〜29歳 | 405万円 |
30〜34歳 | 666万円 |
35〜39歳 | 855万円 |
40〜44歳 | 1059万円 |
45〜49歳 | 1174万円 |
50〜54歳 | 974万円 |
55〜59歳 | 1089万円 |
60〜64歳 | 1359万円 |
65〜69歳 | 1083万円 |
70〜 | 316万円 |
1番年収が低いのは20〜24歳の約228万円で、1番高いのは60〜64歳の約1,360万円の時期です。
引用元
厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
勤務先によって年収は異なる?
歯科医師はさまざまな勤務先があり、どこで働くかによって年収は異なるのかが気になるところ。ここからは、それぞれの勤務先別のおおよその年収について紹介します。
歯科医師として活躍している中で、年収アップを目指したいと考える人は勤務先別の年収を参考にして、新しい進路を考えるのも1つの方法です。
勤務医の場合
勤務医の歯科医師の場合は、上記で紹介した内容の年収となります。病院の規模や役職などによっても前後してきます。
所得税・健康保険料・雇用保険料・厚生年金保険料などは差し引かれますが、開業医のように、開業資金や運営費などはかかりません。開業医と比べると年収は劣ることが多いですが、転職もしやすく金銭面的にも大きな借金を背負うことなく働けるでしょう。
開業医の場合
開業医の場合、どこに開業するのかや規模によっても異なりますが、厚生労働省の”平成22年度診療報酬改定「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について”によると、法人・個人で開業する場合はともに勤務医の1.7倍の給料となると述べられています。
資料によると、勤務医の年収が1,479万だとすると、開業医で法人の場合2,530万円ほど、個人の場合は、2,458万円ほどになるとのことです。データは、917の病院・1047の診療所が回答したもので、中央社会保険医療協議会が行った調査をもとにしています。
しかし、ここから開業にかかった借金や運営費、経費などを差し引いた額が手取りの年収となるため、注意が必要です。また、退職金なども支給されないので、自分で貯めておく必要があるでしょう。
引用元
厚生労働省:「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について
開業資金はどれくらいかかるの?
歯科医師が開業する際は約5000万円かかると言われています。おおまかな内訳としては、土地や建物などの施設費・設備費・運営費・人件費などです。どこに開業するかによっても金額は異なりますが、自己資金でもまとまったお金が必要になるでしょう。
融資を借りる際は、事業計画書などを作成し、具体的で説得力のある収益の計画を綿密に立てておくことが重要です。また、自分のキャリアについてもアピールできるような経歴を持っておくことも強みとなるでしょう。
歯科医師になるには歯科医師免許が必須
歯科医師になるには歯科医師免許が必要です。専門的な知識を大学で身につけ、国家資験を受けて合格し、1年間の臨床研修を受けることで歯科医師として働けるようになります。
以下で歯科医師になるためのルートについて解説するのでどのような流れなのかをみていきましょう。
歯科医師になるためのルート
歯科医師になるためのルートとしては、歯学部のある大学に入学し、6年間の専門課程を修了します。そのあと、歯科医師の国家試験を受験し合格すると、1年間の臨床研修が義務化されています。これらを全て終えると歯科医師として働けるようになるのです。
また、外国の歯科医学校などを卒業した者で歯科医師国家試験の予備試験に合格し、1年以上診療、もしくは口腔衛生に関する実地訓練をした人は、歯科医師の国家試験の受験資格を得られます。この他にも海外の歯科医学校を卒業した人は、必要要件を満たすと受験資格を得られます。
歯科医師の国家試験について
歯科医師の国家試験は、年1回1月下旬もしくは2月上旬に実施されます。合格発表は、3月の中旬頃です。
試験内容としては、臨床上必要な歯科医学もしくは口腔(くう)衛生に関して、歯科医師として具有すべき知識及び技能について問われます。必修問題が含まれている一般問題は1問1点で、臨床実地問題は1問3点です。
合格率は2022年度は61%
歯科医師の国家試験の合格率は、2022年に実施された第115回で61%、合格者数も2000人に満たないほどでした。これまでの合格率は、過去7年間の第107~115回までは63〜65%ほど、それ以前は68~80%ほどだったため、近年低下していることがわかります。
これは供給過多のため、合格基準が引き上げられたことが要因となっているようです。歯科医師は現時点では狭き門であるため、学生時代にしっかりと知識や技術を身に着ける努力が必要でしょう。
歯科医師として成功するには?
歯科医師として成功するには、大きく収入を伸ばしていくことが目的であれば、勤務医よりも自分で開業して多くの患者を持つ選択肢も視野に入れるとよいでしょう。
そのためには歯科医師としてのスキルはもちろん、経営者のスキルも身につけなければなりません。集患するための知識を身に着け経営の戦略を立てる、マーケティングスキルが重要です。では具体的にどのように準備や行動をしていけばよいのかについて考えてみましょう。
スキルアップや人脈作り
経営者としての知識を身に着けていくためには、勤務医時代から歯科医師としてのスキルアップを続けつつ、開業をしている歯科医師や医療機器メーカーなどとの人脈を作って情報収集することが重要です。
人脈を作っておくと、いざ開業するときにどの医療機器を取り入れたらいいのかを相談したり、開業する場所の立地の見極めや歯科医院を経営するための細かいノウハウを聞いたりなど、さまざまな場面で活かせるでしょう。
マーケティングを戦略的に行う
歯科医院を経営するにあたり重要なポイントになるのは、集患できるかどうかという点です。そのため、マーケティングを戦略的にする必要があるでしょう。自分で全てどうにかしようと考えるのではなく、専門分野に特化した外部に外注するのも1つの方法です。
ホームページの作成や予約システムの構築などを専門の業者と相談しながら作成すると、より効果的な結果を出しやすくなります。依頼する際は、歯科医院のマーケティングに強い業者に頼むとよいでしょう。
年収も考慮しつつ自分自身の歯科医師としてのキャリアプランを立てていこう
今回は、歯科医師の平均年収についてや、歯科医師として成功するためにはどう行動すべきかなどを紹介しました。歯科医師としてのキャリアは自分の目指す方向性によって選択できます。
歯科医師としてのキャリアだけでなく、人生設計としてどのような方向に進んでいきたいかをよく考えた上でキャリアの選択をしていくとよいでしょう。
引用元
厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況
厚生労働省:医療経済実態調査(医療機関等調査)
厚生労働省:「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について
厚生労働省:歯科医師国家試験の施行について
厚生労働省:第115回歯科医師国家試験の合格発表について
厚生労働省:歯科医師臨床研修の現状
厚生労働省:歯科医師需給問題を取り巻く状況