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介護・看護・リハビリ 2020-02-02

介護サービスとお年寄りをつなぐケアマネジャーの仕事内容・役割・活躍の場とは?

社会の高齢化に伴い平成9年に導入された介護保険制度。ケアマネジャーの業務内容は利用者のニーズに適した介護サービスを受けられるように、介護相談からケアプランの作成まで多岐に渡ります。お年寄りと介護保険サービスの架け橋となるケアマネジャーは介護保険制度の中核を担う重要なお仕事。そんなケアマネジャーの仕事内容について迫ります。

ケアマネジャーの具体的な仕事内容とは?

ケアマネジャーとは介護支援専門員のことであり、介護サービスの利用者や家族を支援することがメインのお仕事。仕事内容は多岐に渡っており、お年寄りとその家族の介護相談、要介護認定の申請代行、ケアプランの作成などが主な業務です。

ケアマネジャーの仕事はまず利用者やその家族と面談を行うことからスタート。
利用者が安心して介護サービスを受けられるように相談に乗ることで不安を取り除き、利用者と信頼関係を築くことが求められます。また定期的に行うサービス提供者会議のセッティングや、介護サービスを提供する事業所や医療現場などと連携を取ることが必要不可欠です。

介護保険サービスを受けたい場合は要介護認定の手続きが必要となります。お年寄りや家族に変わって審査の手続きをしたり、ケアマネジャーは専門知識が必要となる申請書類の作成を代行したりするのも大切な仕事。病気などで介護度が変わる場合の要介護認定の更新なども行います。

現在介護サービスは多様化しており、訪問介護やデイサービスなどさまざまです。ケアマネジャーは利用者にとって最適なサービスを受けられるように種類や内容など具体化したケアプランを作成します。また介護サービスが開始した後も利用者のもとを定期的に訪問しモニタリング、ケアプランの変更を行うこともあります。

居宅ケアマネと施設ケアマネ 形態によって仕事内容も変わるケアマネジャーの仕事

ケアマネジャーには居宅介護支援事業所で働く居宅ケアマネと施設に勤務する施設ケアマネの2つの形態があります。

居宅介護支援事業所とは、在宅で介護を必要とする利用者にサービスを提供する事業所のことを指します。居宅ケアマネは事業所に勤務しますが、サービス利用者一人ひとりのもとを訪れて状況に応じたきめ細やかなケアプランを練ったり、利用料などお金のマネジメントを行ったりすることも業務の一環です。

居宅ケアマネは利用者のもとへ足を運ぶ機会が多く、フットワークの軽さが求められ、スケジュール管理なども自己裁量で行うことが多いのが特徴です。決まった施設に勤務する場合は施設利用者のケアプランを作るのが仕事ですが、施設内でサービスが完結しているのが特徴で、施設の枠組みに応じて働くことが求められます。

居宅ケアマネは担当する利用者が35件以下と法律で定められているのに対し、施設ケアマネは100件程度であり勤務形態によって担当する件数や仕事の内容が異なるのが特徴です。

ケアマネジャーになるためには?? 必要な資格?

ケアマネジャーは要介護・要支援認定や保健医療サービスや福祉についての専門知識などさまざまなスキルが必要となる仕事。ケアマネジャーになるためには各都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。

介護支援専門員実務研修受講試験は介護福祉士や看護師などの国家資格を有し、5年以上の実務経験がある人が受験することができます。ある程度介護の現場で働いた経験のある人はケアマネジャーの資格を取得することで、仕事の幅を広げることができます。そのため介護福祉士やヘルパーとして働く人がキャリアアップして仕事を開始するケースが多く見られます。

事業所や医療機関などと連携して業務を行うケアマネジャーの仕事は、利用者のパートナーとなる大切な仕事。お年寄りや利用者の話に耳を傾け専門用語も分かりやすいよう伝えたり根気よく相談に乗ったりするコミュニケーション能力が求められます。多くの人々と関わる機会に恵まれる仕事なので、人と接することが好きな方に向いている職業と言えるでしょう。

ケアマネジャーには居宅ケアマネと施設ケアマネの2つの形態があることがわかりました。利用者とサービスを提供する事業所をつなぐケアマネジャーの仕事は、利用者をサポートする大切な仕事といえます。高齢化社会が進むにつれて、今後もますます活況となりつつある介護の現場。ケアマネジャーの需要も増加が予想されます。

ケアマネジャーの役割とは

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険法第79条第2項第2号によると「要介護者等からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス又は施設サービスを利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、介護保険施設等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有する者として政令で定める者」とされています。

つまり、介護保険制度において、要介護認定を受けたお年寄りやご家族の心身の状況や希望を面談などでヒアリングし、その希望や心身状態を考慮したうえで、 居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービスや地域密着型介護予防サービスといった適切なサービスを受けることができるようにケアプラン(介護サービス計画)を作成し、介護サービスの調整・管理を行うのがケアマネジャーの役割です。サービス実施後は、適切なサービスが遂行されているか、またその効果について、モニタリングも行います。

ケアマネジャーの制度上の位置づけ

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険法に規定される資格職です。1997年に新社会保険制度として制定された「介護保険制度」は「高齢者の自立支援」を基本理念としています。その生活の質維持と向上を目指し、適切にニーズを把握し、必要な介護サービス計画書を作成、実行する仕組みとして「介護支援サービス(ケアマネジメント)」がスタートし、実際のケアマネジメントを担当する介護支援専門員(ケアマネジャー)が誕生しました。

資格を取得するには、原則として高齢者の保健医療福祉における実務経験を5年以上有する専門職(介護福祉士、社会福祉士、看護師、理学療法士、作業療法士、医師など) もしくは介護などの実務経験を10年以上有する者が、省庁が認定する審査基準のもと実施される、公的な性格を持つ財団法人や民間団体が主催する試験に合格する必要があります。

介護保険制度を利用するには、ケアマネジャーは必要不可欠。介護職も、仕事をするにあたり介護保険の制度上、ケアマネジャーの作成したケアプランに則ったケアにあたる必要があります。

介護のスペシャリストとして

ケアマネジャーの活躍の場は、居宅介護支援事業所や地方自治体、民間業者の介護サービス施設、特別養護老人ホーム等となっています。ケアプラン作成のほかにも、ケアマネジャーには大切な仕事がたくさんあります。

そのひとつとして「サービス担当者会議」が挙げられます。
例えば、在宅介護を受けている方の場合、お年寄りを取り巻く環境はご家族をはじめ、かかりつけ医など多くの人が関係しており、複雑です。そこで重要になってくるのが「サービス担当者会議」。この会議は、ケアマネジャー主催のもとで行われます。

サービスを利用しているお年寄りやそのご家族、サービスを提供する全ての事業所担当者、かかりつけ医が出席し、よりよい支援が受けられるよう話し合います。サービス担当者会議では主催者として、出席依頼や日程調整、そして当日は司会進行までこなさなくてはなりません。ケアマネジャーとしての力量が試される場であるといっても過言ではないでしょう。

お年寄りが公的な介護サービスを受けながら、よりよい生活を送ることができるために、サポートをするケアマネジャーの役割は、重要です。介護サービスにはさまざまな種類があり、複雑なもの。お年寄りが本当に必要とするサービスは何かを的確に察し、そのニーズを満たすためには、どのサービスを利用すべきかを素早く提案できるケアマネジャー。今後、さらに認知度が上がり、社会的地位も高くなることが期待されています。

居宅ケアマネと施設ケアマネ 2つの形態があるケアマネジャーの仕事

ケアマネジャーの主な仕事は利用者と面談し介護についての相談を乗ることや利用者にあったサービスを提案しケアプランの策定すること、利用者や家族に代わって要介護認定の申請を行うことです。利用者にマッチした介護サービスを受けられるようサービス事業者との橋渡しをする大切な役割を果たしています。またサービス開始後もモニタリングを継続しサービスが利用者に適しているのか確認、サービスの変更を行うのも大切な仕事です。

ケアマネジャーには大きく分けて居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの2つの形態があります。居宅介護支援事業所で勤務し自宅で生活する利用者を担当する居宅ケアマネジャーに対し、特別養護老人ホームなど施設で生活する人を対象とするのが施設ケアマネジャーです。ケアマネジャーは勤務形態によって業務内容も大きく変わってくるのが特徴です。

居宅ケアマネジャーとは?

居宅ケアマネジャーとは居宅介護支援事業所に勤務し、自宅で介護を必要とする人のサポートを行います。利用者の自宅を訪れて介護相談の実施や要介護認定の申請代行はもちろん、ケアプランの作成してサービスを受けるための手続きや調整などきめ細やかな対応が求められるのが特徴です。中でも居宅ケアマネは7割程度を占めると言われており、ケアマネジャーにとって人気の就職先であると言えます。

居宅介護支援事業所は、病院や通所サービスなどと併設された事業所などタイプはさまざまです。利用者の自宅を訪問し介護のフルサポートを行う居宅ケアマネは、介護保険の利用額を管理などお金のマネージメントを行うことも業務の一つ。また市町村のサービスなどの情報提供して利用者と地域をつなぐ役割を果たしています。利用者との密なコミュニケーションをとり信頼関係を築くことが求められるのが特徴で、やりがいにあふれた仕事と言えます。

施設ケアマネジャーとは?

施設ケアマネジャーは介護保険施設に勤務して働くのが特徴です。介護保険施設は大きく分けて介護老人保健施設と特別養護老人ホーム、介護療養型医療施設の3つがあります。

介護老人保健施設
病気療養後のお年寄りが在宅生活へ戻るための介護やリハビリテーションを行う施設であり、入所期間が長くても1年未満程度と短いのが特徴です。

特別養護老人ホーム
一人での生活が困難なお年寄りが対象で、24時間介護を必要とする人々をケアする施設。看取りまで過ごす人々も多い特別養護老人ホームはターミナルケアの場としてきめ細やかな介護が求められる現場です。

介護療養型医療施設
医療ケアとリハビリテーションを行うための施設。比較的重度の要介護者を対象とした施設でありレクリエーションが少ないのが特徴です。

施設ケアマネは施設の枠組みに則ってケアプランを策定するのが主な仕事です。また施設ケアマネは福利厚生など雇用条件が整った職場が多いのが魅力です。それぞれ施設によって実施する介護サービスも多様なので、自分にあった就職先を選ぶと良いでしょう。

ケアマネジャーの仕事内容は多岐にわたりますが就職先によってそれぞれ特色があります。また近年は介護サービスの多様化によってグループホームやケアハウスといった新しい形態の施設での需要も高まりつつあります。 施設ケアマネは施設が設定した勤務時間に出勤するのが一般的ですが、居宅ケアマネはある程度は自分の裁量でスケジュールを設定することができます。雇用条件や勤務時間も様々なので、自分のワークスタイルに合わせて職場選びをすると良いでしょう。

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