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ヘルスケア 2023-12-29

体調不良を経験し、学び続けた解剖学の知識が飛躍のきっかけに パーソナルトレーナー・大石あんりさん

姫路でパーソナルトレーナーとして活躍している大石あんりさん。前編では、高いリピート率を誇る大石さんが、どのようなことを心がけてきたのかを伺いました。

後編では、ヨガやピラティス、解剖学を組み合わせた大石さんの姿勢改善のトレーニングがどのように生まれてきたかを伺います。大石さんの初めての仕事は、銀行。まったく違った職業から、パーソナルトレーナーとしての基礎をどのように築いたのでしょうか。

今回、お話を伺ったのは…

大石あんりさん

パーソナルトレーナー/ヨガ、ピラティスインストラクター

銀行勤務を経て、オーストラリアにてヨガインストラクターの資格を取得。産後に自身の体調不良を経験したことから解剖学について本格的に学びはじめる。その後、ピラティスについても学び、鍼灸院併設のパーソナルトレーニングスタジオで、90%以上という高いリピート率を誇る姿勢改善パーソナルトレーナーとして活躍。2023年10月には念願だった独立を果たす。

Instagram:@anri_personal_trainer

銀行勤務になじめなかった過去。ヨガインストラクターとして活動を始める

現在はパーソナルトレーナーのほかにも、バレエを習っている人にピラティスも教えているという大石さん

――大石さんのインストラクターのキャリアはヨガからスタートしているそうですね。

はい。大学卒業後は銀行の窓口で働き始めましたが、これが私には全然合わなくて・・・。銀行なので当然なのですが、1円の誤差でもあれば家には帰れないですし、すごくきっちりしているんですよね。そこで働き続けるイメージがわかなくて、趣味で習っていたヨガを仕事にできたらという思いが湧いてきました。そこで銀行の仕事を辞め、ヨガインストラクターの資格をとることにしたんです

――どのようにして資格を取得されたのですか?

ヨガを習っていた先生がインストラクターの資格を取得したのがオーストラリアだったので、私も同じ場所で取得することにしました。2週間ほど滞在して、無事に資格を取得し、帰国後ヨガインストラクターの仕事をスタートさせることにしたんです。

――ヨガインストラクターとしての仕事は、どのように広げていきましたか?

このときは、友人や知り合い、その方たちから紹介で本当に小さく教えている形でした。その後、結婚が決まり引っ越すことになったので、一旦ヨガインストラクターは辞めましたが、その後も依頼があれば教える形をとっていて。その後、解剖学を学んだり、ピラティスの講座に通ったあとに、離婚を機に地元である姫路に戻ってきました。やはり本格的に仕事にしたいと思い、パーソナルトレーナーの仕事に就くことにしたんです

――解剖学について学び始めたのは、何かきっかけがあったのですか?

元々身体があまり強くなかったのと、産後の体調不良が重なり、自分の身体について学びたい思いが強くなったんです。ヨガインストラクターの養成講座でもヨガ解剖学というのがあって、とても楽しかったので、もっと詳しく学んでみたいと思いました。

――解剖学について学んでみた感想は?

すごく楽しかったですね。私はバレエを習っていたときの自分の体型にすごくコンプレックスがあったのですが、その理由がすごくよく分かったんです。バレエでは180度開脚するストレッチをよく行うのですが、ストレッチというのは、要するに筋肉を伸ばす動作になるので一時的に筋出力を低下させる、つまり筋肉を出せる力をちょっと抑えさせる効果があるんです。その状態でレッスンに入ると、伸ばした筋肉とは反対側の筋肉が動きについていこうとして、筋肉がどんどん発達していく。だから足の前側や外側が太くなっていたんだと気付くことができたんです。自分が体型や体調不良で悩んでいたからこそ、もっと学びたいという思いが強くなり、解剖学については今でも学びは続けています

身体の構造について学ぶだけでなく、どういう動きをすると身体がどういう風に変わっていくかがよくわかり、今パーソナルトレーナーとしてのベースになっていると思います

姿勢改善に大きな可能性を感じ、特化したパーソナルトレーナーに

大石さんのインスタより。姿勢改善に大切なことを日々発信しており、分かりやすい解説にはファンも多い

――そこからパーソナルトレーナーになったわけですね。

その後、バレエをやっている人向けのピラティスインストラクター養成講座に通い、ピラティスの知識も得ることができました。そうしていたときに、たまたま鍼灸院のパーソナルトレーニング募集のお知らせを見て。パーソナルトレーナーとしての経験はなかったのですが、ピラティスができる人という募集要項だったので、色々と説明をして採用をしていただくことができました。

――姿勢改善に特化した理由は?

姿勢改善特化した理由は、通っていたピラティスインストラクター養成講座の影響が大きいのですが、ダイエットや痩せるということにトレーニングの主軸を置きたくなかったからです。私自身バレエを過去にやっていたことがありますが、摂食障害になってしまう子もとても多く、痩せていなくてはいけないというメッセージが心に与える影響については慎重でなくてはいけないと思っていました

そしてもうひとつ、姿勢の大切さも痛感していたんです。姿勢に気をつけることで、身体の不調を改善したり、身体がきれいに見えることも叶えられると気付いて、姿勢改善に特化したパーソナルトレーナーを名乗ることにしました

生徒を増やすことより、きちんと把握できる範囲で健康を支えたい

これからは対面だけでなく、オンラインでのレッスンも提供していきたいと大石さん

――2023年10月に独立されたそうですが、今後はどのような展開を考えていますか?

スタジオがあるので、その場での対面のパーソナルトレーニングももちろん続けていきたいのですが、今後はオンラインのトレーニング提供にも力を入れていきたいと思っています。オンラインでパーソナルトレーニングを提供するだけでなく、サブスクという形で10分、15分で行うレッスン動画を提供していければと。

というのも週に1回1時間、月に4時間レッスンをうけているより、毎日10分やられている方のほうが身体の変化が確実に大きいんですね。もちろん週に1回これる人ばかりではなくて、月に1回という人もいるので、そのときに変化があっても、次に来ていただいたときは元に戻っているというのもよくあることなので。毎日10分のオンラインレッスンと、月に2,3回の対面レッスンの組み合わせや、3ヶ月間レッスンを提供する3ヶ月パックの形なども考えています。

――今後の目標について教えてください。

まだ、準備の段階で本当にこれからというところなのですが、準備していることが形になって少しでも身体に不調や痛みを抱えている女性たちが楽になっていったらうれしいです。私も子育て中なのでよく分かるのですが、ママさんの体調は家族の体調に直結すると思っています。女性が不調を改善したら、家族や周囲の人への影響も大きいのではないかと思っていて、そんないい輪を広げていくお手伝いができたら、と。生徒さんをすごく増やしていきたいと思っているわけではなく、お顔とお名前、身体の状態を私が把握できるくらいの方の健康を支えていけたらと思っています。


現在はシングルマザーとして4歳のお子さんを育てながら、パーソナルトレーナーとしての仕事も精力的にこなす大石さん。その根底には、生徒さんが姿勢改善を通して身体の不調を少しでも楽にしてほしいという思いがありました。パーソナルトレーナーとしてもっと活躍したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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