どんなに辛くても壁を乗り越えたら「経験」になる!【介護リレーインタビューvol.64/介護事業部 マネージャー 宮地優輝さん】#2
介護業界に携わる皆さまのインタビューを通して、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。
お話を伺ったのは…
ソーシエグループ 介護事業部
マネージャーの宮地優輝さん
救急救命士を育成する大学を卒業後、ソーシエグループが運営するシェフズデイサービス青葉の介護職員として入社。1年後に副管理者となり、翌年には管理者に就任。その後シェフズデイサービス青空へ管理者として異動し、2つの事業所のマネージャーを兼務する。翌年には兼務が外れ、マネージャーとして4つの事業所を担当している。
前編では、救急救命士から介護職へと大きく進路を変更し、順調にキャリアアップを重ねて管理者として施設の建て直しに貢献した様子を伺いました。
後編では管理者からマネージャーになって大きく変わったこと、マネージャーとして心がけていること、これから介護職を目指す人へのアドバイスをご紹介します。
管理者を束ねるマネージャーに必要なのは「伝える力」

正月の朝礼でのひとこま。宮地さん(写真右)の左が上司の矢部さん。仕事面でいろいろなヒントをもらったとか。
――前編では、管理者になって年上のスタッフと接する難しさを伺いました。「年下のくせに」という反発はなかったんですか?
それはなかったですね。「協力するけど、ダメなところはダメって言うからね」っていうスタンスのスタッフがいて、ある意味鍛えられましたね(笑)。
――頼もしいスタッフですね。
何でも言ってくれたので、気がラクになりました。会社の方針で「こういう風にやりたい」と伝えても、「それだと、こういう問題が出てくるからできない」って意見がぶつかることもありました。でも、ここで管理者が折れてしまうと、運営に影響が出るのでしっかり話さなければいけません。
――方針を押し通すのではなく?
それでは人はついてきません。会社の方針を実践すると、その先に何があるのかをしっかり説明します。「これをやったら、こうなるんだ」という道筋を示せば納得してもらえます。
――決まったことだけ伝えるのではダメなんですね。
スタッフからすれば「ただでさえ忙しいのに、そんなことするの!?」っていう気持ちだと思います。でも、「これから先のことを考えればやった方がいい」とか「ちょっとだけ時間を割いてでもやる必要がある」と思ってもらえれば、モチベーションも上がります。
――管理者からマネージャーに昇格したのは、どのタイミングで?
1年ほどシェフズデイサービス青空の管理者とマネージャーを兼任してから、4つの施設を担当するマネージャーになりました。この時点で管理者から離れて、管理者を育成する立場になりました。
――管理者とマネージャーは違いますか?
目線が全く変わります。考え方も変わります。管理者までは仕事の全てを自分でできたんです。それがマネージャーになったら、今度はやってもらわなくてはならない。そのためには伝え方が重要になってきます。
――マネージャーに必要な資質ですか?
そうですね。「やらされている」ではなくて、「やらなくちゃいけないんだ」という気持ちになってもらわないといけない。思い返せば介護職から始まって、管理者まではとても順調でした。管理者からマネージャーになる間がとてもキツかったですね。
――どなたかに相談することは?
週に一度、上司とミーティングがあって、そのときにヒントをもらいました。「こういうことで悩んでいます」という具体的な相談はしませんが、報告をしていると会話の中からヒントになるようなことを言ってくれました。
――それが写真に写っている矢部さんですか?
そうです。答えを教わって、ただそのまま実行するだけなら「無事に終わりました」と報告するだけで終わっちゃいますよね。矢部の場合、自分なりの答えを考えさせる方法でマネージメントしてくれました。だいたい上司とのミーティングは30分程度が一般的でしたが、そのときは1時間以上かかったこともありました(笑)。
トライ&エラーを繰り返し、全ての失敗は経験に!

辛いことがあっても、「辞めたい」と思ったことは一度もないとか。
――宮地さんは壁に突き当たったとき、どう克服していますか?
解決法を思いついたら何でも実践する、トライ&エラーを繰り返しました。うまくいかなかったら別の方法を試して、それでもダメなら別の方法という具合に。繰り返すことで、「自分の中に引き出しが増えていくと思うんです。
――すごい前向きですね!
壁に突き当たって、その壁を乗り越えたら自分の経験になると思うんです。たいへんなことが起きてそれを乗り越えられたなら、また別のことでたいへんなことが起きたとしても、同じように乗り越えればいいだけですから。
――そのモチベーションはどこから?
介護職のときは利用者さまから「ありがとう」と言われるし、管理者になればご利用者さまのご家族やケアマネージャーさんから感謝されます。感謝の規模がどんどん大きくなっていきます。感謝のお言葉をいただくと、この仕事を続けてきてよかったと思えます。
――マネージャーになると?
現場にいた頃とはまた違います。何もないところから新しい仕組みを作って、それがうまく機能してスタッフがよりよく働けるようになる瞬間が嬉しいですね。
――これからどんな働き方を考えていますか?
今はまだ経験できることを、たくさん経験していって、さまざまなことに挑戦したいですね。ゆくゆくはこの業界で何か自分でやっていきたいと思っています。
――すごいですね。これからこの業界を目指す方にアドバイスをお願いします。
「介護」というと良いイメージを持たない方が多いと思います。でも、実際にやってみると思っている以上に楽しい。「ご利用者さまを楽しませよう」としているうちに、自分自身も楽しくなって一緒に大笑いしていることもしばしば。特にデイサービスは、安全に楽しく過ごせる空間を心がけています。少しでも興味があれば、ぜひ見学に行くなど行動に移してください。きっとイメージが変わるはずです。
宮地さん流! マネージャーの心得三か条
1.納得してもらえるように道筋や結果を示しながら伝える
2.問題が解決するまで、トライ&エラーを繰り返す
3.失敗は自分の引き出しを増やすための経験と考える
撮影/森 浩司













