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特集・コラム 2021-05-09

介護の夜勤はどんな仕事をするの? 夜勤で働くメリットとは|夜勤専従の需要はある?

人手不足は介護の業界においても課題となっており、日勤のほかに夜勤に従事するスタッフのニーズも高まっています。実際に介護施設の夜勤では、どのような業務を担うのでしょうか。また、未経験や資格がないという人も夜勤で働くことが可能で、夜勤のみに従事する「夜勤専従」という働き方も注目されています。

ここでは介護施設の夜勤における業務内容や働くメリット、未経験や無資格で働くことのできる求人などについて詳しく解説していきますので参考にしてください。

介護施設の夜間シフトとは? どんなお仕事をするの?

介護施設は、医療的ケアのニーズが少ない利用者が日常生活のサポートを受けながら過ごす場所です。老人保健施設や特別養護老人ホーム、認知症グループホームや有料老人ホームなどさまざまな形態があり、施設によって業務内容や勤務時間は異なります。ここでは、介護施設における一般的な業務の内容やシフトのパターン、今注目の夜勤専従という働き方について見ていきましょう。

勤務時間|8時間+休憩・16時間+休憩

介護施設の夜勤では、勤務時間が8時間(+休憩)の三交代と16時間(+休憩)の二交代のおもにふたつのパターンがあります。

・二交代
二交代制は朝8時から17時頃までの「日勤」、16時から翌朝10時頃までの「夜勤」にわけられます。16時から翌朝10時までと約16時間働くため、その間1回、あるいは2回の休憩を挟むのが特徴です。施設にもよりますが、休憩時間は夜間の状況に合わせて複数人スタッフがいる場合には、交代で入ることになります。

・三交代
三交代制の場合、二交代のときよりも夜勤の時間は短く、21時から翌朝7時までなど8時間の勤務となります。三交代制の場合には、休憩回数は一回が一般的です。

同じ夜勤といっても、施設によってシフトのパターンが異なります。

仕事内容

利用者が24時間生活を送る介護施設における夜勤では、日勤とは違う業務内容となります。ここでは、利用者の就寝から起床後までどのような業務を担うのかについて見ていきましょう。

就寝までの業務|引き継ぎや就寝準備

利用者が就寝するまでの間は、日勤のスタッフから利用者の日中の様子やケアにおける注意点などの申し送りを受けます。また、排泄介助や衣服の着脱の介助、歯磨きのサポートなどをおこない、スムーズに就寝を迎えられるように援助をおこなうのが仕事です。

就寝後の業務|トイレ介助やナースコール対応

利用者が就寝したあとは、記録の入力など事務作業をおこないます。その間、コール対応やトイレ介助を実施。寝たきりの人の場合、床ずれ防止のため定期的に夜間、体位変換などをおこないます。

起床時の業務|起床の介助や整容

利用者が起床後は、着脱の介助や身だしなみを整えるサポートをおこないます。起き上がりや移乗の介助をおこない、朝の食事前の準備などをするという流れです。

退勤までの業務|日勤への引き継ぎ

退勤前には、日勤のスタッフへの申し送りをおこないます。このとき、夜間の様子、睡眠状況やトイレの回数などのほか、ケアをするにあたっての注意点なども伝えなければなりません。

夜勤専従とは?

夜勤専従とは、シフトが夜勤のみという働き方です。介護施設は、24時間スタッフによる見守りやケアが必要な場所のため、子育てやさまざまな事情で日勤を希望する人が多い介護の現場において夜勤専従スタッフは貴重な存在といえます。日中の時間を自由に過ごすことができるため、なかにはダブルワークやセカンドワークとして夜勤専従という働き方を選択する人も多いです。

夜勤で働くメリットと注意点について解説

介護施設の夜勤は利用者が就寝中の業務が中心となるため、日勤とはスタッフの数や業務内容が異なります。また、介護施設の夜勤はつらそうというイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、夜勤で働くうえでさまざまなメリットもあるのです。ここでは夜勤で働くメリットや事前に知っておきたい注意点について解説していきます。

夜勤で働くメリットとは?

介護施設における夜勤では、給与やシフト、業務内容の面でメリットの多い働き方です。ここでは夜勤で働くメリットについてご紹介します。

夜勤手当が支給されるため給与が高い

夜勤の場合、夜勤手当がつきます。法律上22時から翌朝5時までの7時間の勤務に関しては、通常の1.25倍の賃金となると定められています。同じ時間数を日勤で働くよりも夜勤のほうがもらえる賃金は高くなるため、効率よく稼ぐことができるでしょう。

業務が少ない

日勤ではレクレーションの準備や入浴介助、移乗介助など一日のスケジュールに応じてケアが増えます。しかし、夜勤の場合は、利用者は基本的に就寝しているため、おもに巡視とコール対応、排泄介助や体位変換などがメインです。施設内が落ち着いていれば、座って過ごせる時間も確保しやすいというのがメリットといえます。

16時間勤務の場合は翌日が休み

二交代制で夜勤が16時間の場合、翌日は休みとなるため、三交代制よりもまとまった休みを確保しやすいというのがメリットです。そのため、家でゆっくりとすることはもちろん、お出かけや旅行といった予定を立てやすくなり、プライベートな時間を充実させることも可能です。仕事と休日に、しっかりとメリハリをつけることができるというのも魅力でしょう。

夜勤で働く場合の注意点は?

日勤と違い、施設によっては夜間看護師など医療従事者が不在の場合もあり、利用者の急変時にはスムーズな対応が求められるのが夜勤です。ここでは夜勤で働く際の注意点についてご紹介します。

職員の人数が少ないので業務の幅が広い

夜勤では、日勤よりもスタッフの人数が減ります。小規模な施設では夜勤をひとりでこなす場合もあるでしょう。そのため、転倒などの事故や容態の急変があった場合には、医師や看護師へ連絡をとったり、急変した利用者の対応をするスタッフとほかの利用者のケアをするスタッフにわかれたりすることもあります。

日勤よりも少ない人数で迅速に対応する必要があるため、急変時の対応について研修を受けるなどし、スムーズに動けるようにしておくことが大切です。

生活リズムの変化で体調を崩してしまうことも

日勤と夜勤を組み合わせたシフトの場合には、生活リズムが不規則になりやすいという面があります。そのため、食欲が落ちる、風邪を引きやすくなるなど体調を崩してしまいやすいでしょう。

夜勤専従の需要はある? 求人情報をチェック!

人手不足が進んだとしても、介護施設における夜勤スタッフの必要性は変わりません。とくに、夜勤専従として働くスタッフへの需要は高まっています。

また、実際に介護の現場で働きたいという場合には経験や資格がなくても働くことのできる施設もあるようです。ここでは、夜勤のみで働く夜勤専従の需要や求人情報の結果を踏まえた内容についてご紹介します。

夜勤専従は需要あり!

実際の求人では、認知症高齢者グループホームや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどさまざまな施設で夜勤専従スタッフの募集が見受けられ、需要が高いことがうかがえます。

また、正社員のほかにアルバイトやパートなどさまざまな働き方を選べるのが特徴です。すでに働いているスタッフに指導してもらいながら仕事をスタートできるので、ブランクがある人も夜勤専従に応募しやすいというのが魅力でしょう。

未経験・無資格でも働ける?

介護施設では、未経験や無資格であっても働くことが可能です。身体介助など体に直接触れるケアなど有資格者でないとできない仕事もありますが、未経験・無資格の場合は施設の清掃や事務作業、備品の補充など有資格者のサポート業務をおこないます。

給料は資格手当がないぶん有資格者よりもやや低くなるものの、人手不足が課題の介護施設では未経験や無資格であっても非常にニーズが高く、必要とされる人材です。また、施設によって資格取得サポートのための研修をおこなっているところもあり、働きながら資格取得を目指せるというのも魅力でしょう。

介護の夜勤は就寝から起床までのケアを担当する仕事

介護施設の夜勤は利用者の就寝から起床までのケアがメインとなり、日勤よりも業務が少ないというメリットがあります。また、夜勤専従では毎回の勤務で夜勤手当がつくぶん、少ない回数でしっかりと稼ぐことができ、プライベートな時間の充実にもつながるでしょう。

これまでご紹介したように、未経験や無資格であっても介護施設の夜勤で働くことが可能です。働きながら資格取得を目指せる環境が整った求人もあるため、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

参照元:
厚生労働省 福祉・介護人材確保対策について

参考元:
NDソフトウェア(株)介護システムで業務効率化「ほのぼの」 介護事業所での夜勤専従とはどんな働き方?職員側と事業所側のメリットを解説
ブレイブ 結構大変? 介護職として夜勤に働くときの仕事内容

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