新聞紙を使って手先・腕の運動+思考力の向上+参加者同士の交流を深めるゲーム【介護レクリエーションvol.28】
現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。
今回は、新聞紙を使って遊ぶゲームレクリエーションを、レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。
「今回は『どこまで続く? 新聞紙ゲーム』と『新聞でキャッチボール』という2つのレクリエーションをご紹介します。『どこまで続く? 新聞紙ゲーム』は、チームごとに新聞紙を細長くちぎっていき、どこまで破らずに繋げることができるのかを競うゲームです。手先の感覚を鍛えられるほか、どんなちぎり方をすればよいのかなどを考えることで思考力も養われます」(大野さん)
では、『新聞でキャッチボール』は?
「『新聞でキャッチボール』は、丸めた新聞紙を使って2人1組でキャッチボールをしながら、お互いのことについて質問し合うゲーム。参加者同士の仲を深めるためのきっかけづくりにぴったりです」(大野さん)
手先・腕の運動、思考力の向上に加え、参加者同士の交流を深められる『どこまで続く? 新聞紙ゲーム』と『新聞でキャッチボール』。
早速、遊び方をご紹介。
どこまで続く? 新聞紙ゲーム
【対象者】手指の可動域がある方
【レクの目的】手指の運動、思考力の向上、参加者同士の交流
【人数】2人1組×2〜4組など
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞紙(1チームにつき1枚)、メジャー、ストップウォッチ、参加者が使用する椅子など
【制限時間】1セット1分×3回
【レクリエーションの内容】新聞紙を細長くちぎり、どこまで破らずに長くできるかをチームごとに競うゲームです。
遊び方
1. 参加者を2人1組に分け、チーム内で新聞紙をちぎる先行・後攻を決めます。参加者はチームごとに一列になって座ります。スタッフは各チームの先行の人に新聞紙を渡します。
2. スタッフは「よーいドン」と合図するとともにストップウォッチなどで30秒計測しましょう。先行の参加者は、スタッフの合図が聞こえたら、30秒の持ち時間の中でできるだけ長く新聞紙をちぎっていきます。
3. 30秒が経過したら、スタッフはゲームストップと呼びかけましょう。先行の参加者は後攻の人に新聞紙を渡して交代しましょう。
※新聞紙が途中で切れてしまった場合は、切れた部分を先行の人の近くに置いておきましょう。後攻の人は切れたところから再スタートしてOKです。
4. 後攻の人も2を行います。
5. 後攻の人がちぎり終えたら、新聞紙の長さをメジャーなどで計測します。ちぎった新聞紙がより長かったチームの勝ちとなります。
※途中で新聞紙がちぎれてしまったチームは、ちぎれた部分の長さを計測してもOKです。
進め方のコツ
・最初は戸惑う参加者も多いので、ゲームを始める前にスタッフが見本を見せてあげましょう。
・新聞紙のちぎり方は、縦、横、斜め、どれでもOKです。
新聞でキャッチボール
【対象者】投げる、もしくは渡す行動が出来る方
【レクの目的】手先・腕の運動、思考力の向上、参加者同士の交流
【人数】2人1組×3〜4組など
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞紙、テープ、参加者が使用する椅子など
【制限時間】1セットあたり5分程度
【レクリエーションの内容】新聞紙を丸めて作ったボールでキャッチボールをしながらお互いのことについて質問しあうゲームです。
レクを始める前の準備
・参加者を2人1組に分けます。参加者はペアの人と協力しながら、新聞紙を丸めてテープで留め、キャッチボールで使用するボールを作りましょう。
・スタッフは、ペアの人と向かい合わせになるように各チームの椅子を配置しておきましょう。
遊び方
1. ペアの人と向かい合って座ります。ボールを持っている人はペアの人にボールを投げながら相手について質問しましょう。
(例)「どこの出身ですか?」など
2. 受け手の人はボールを受け取ります。そしてボールを投げ返しながら相手の質問に答えるとともに、相手について質問しましょう。
(例)「新潟です。あなたは?」など
3. 2を繰り返し行い、5分程度経過したらゲームを終了しましょう。
進め方のコツ
・参加者がボールを落としてしまったときは、スタッフが拾って参加者の元に戻してあげましょう。
・参加者の中には何を質問したらよいか分からない人もいるので、スタッフのほうで事前にいくつか考えておき、参加者が質問に詰まった際に教えてあげましょう。名前を呼び合うのもアリ!
・ゲームを終了するときは会話のキリが良いところで終了の合図を出すように配慮してあげましょう。
今回紹介したレクリエーションは、参加者同士の交流を深めながら体を動かすのにぴったりなゲームになります。必要に応じてスタッフがサポートに入りながら、是非実践してみてください。
イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)
教えてくれたのは…
大野 孝徳さん
合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。