介護施設を知る！『高齢者向け優良賃貸住宅』

高齢者向け優良賃貸住宅とは、入居者を高齢者（自立可能、もしくは軽度の要支援・要介護認定）に限定した賃貸住宅のことで、「高優賃（こうゆうちん）」と略されることもあります。

『高齢者向け優良賃貸住宅（地域優良賃貸住宅）』ってどんな施設？

施設事業者の多くは民間事業者とUR都市機構でまかなわれています。高優賃は高齢者が住みやすいようにバリアフリー化されており、非常時用の通報装置が設置してある自室で、安心、そして快適にシニアライフを過ごせるように作られています。

現在高優賃は、高齢者専用賃貸住宅（高専賃）と共に廃止され、「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化されていますが、各自治体の判断により地域優良賃貸住宅制度として運営されています。

高齢者向け優良賃貸住宅の特徴は

メリットとデメリット
高齢者向け優良賃貸住宅のメリット、デメリットについて説明します。

高齢者向け優良賃貸住宅のメリット
高齢者向け優良賃貸住宅ならではのメリットは、自治体の助成金制度があることです。UR都市機構の場合、一定以下の所得（世帯の月額所得が15.8万円以下）の高齢者に対して、国とURが家賃を最大４割援助する仕組みがあります。
加えてバリアフリー設計、万が一の際に自室から外部事業者に通報できるサービスが提供されているので、高齢者が安心して住めるようになっています。

高齢者向け優良賃貸住宅のデメリット
高齢者専用賃貸住宅（高専賃）と同様、終身契約を結べないため、体調を著しく崩したり要介護度が上がったりしたときは退去を求められることがあります。また、一般住宅と同様に連帯保証人が必要（URの場合は不要）ですので、子どもや近しい人に協力を仰ぐ必要があることは覚えておきましょう。
また、家賃補助が出る物件はそれほど多くないため、入居にあたっての競争率が高いです。情報をこまめにチェックしておくといいでしょう。

・高齢者向け優良賃貸住宅への入居基準

高齢者向け優良賃貸住宅の入居条件について、UR都市機構を例に挙げて紹介します。

その２）申込本人の毎月の平均収入額がUR都市機構の定める基準月収額以上である人
その３）緊急時対応サービス（有料）に加入できること
その他、施設のある都道府県に在住／在勤していること、感染症にかかっていないことなどを条件としている施設もあります。

・高齢者向け優良賃貸住宅の入居手続き

高齢者向け優良賃貸住宅への入居を希望する際は、希望する物件の管理事業者に直接申し込みを行います。必要な書類や方法は施設によって異なりますが、多くの場合は以下のものが必要になります。

これらの書類を提出し、施設のスタッフとの面談を経て入居の可否が決定されます。
UR都市機構の運営する高齢者向け優良賃貸住宅を希望する場合は、UR都市機構に申し込みをします。入居の可否は先着順、もしくは抽選で決定します。詳細はUR都市機構にお問い合わせください。
UR都市機構　空き室状況専用ダイアル：0120-411-363

・高齢者向け優良賃貸住宅の設備
高齢者向け優良賃貸住宅は、台所、トイレ、洗面所、浴室、収納などがすべて自室に設置されています。また、バリアフリー設計が義務付けられているため、物件内には段差がなく、エレベーターも設置されています。物件によっては共同リビングや食堂も用意されているため、他の入居者とのコミュニケーションづくりにも利用できます。

・高齢者向け優良賃貸住宅で受けられるサービス
高齢者向け優良賃貸住宅で受けられるサービスはそれほど多くはありません。ただし、施設によっては外部の民間事業者と提携し、見守りや家事のサポートを行うところもありますが、料金が割高になる可能性もあるため、事業者に確認しましょう。

▼監修者プロフィール
氏名： 満田将太（株式会社えんカウント　代表）
経歴： 公認会計士・税理士。2012年に約5年勤めた監査法人を退社。同年、自身の祖父母の介護経験から高齢者住宅・施設の紹介会社、株式会社えんカウントを設立。2016年には、一般社団法人高齢者住まいアドバ―ザ―協会を発足し、検定試験等の実施をしている。

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