それぞれの良いところを伸ばして高め合うことを大切に Vol.22【介護士・小林恵巳さん】#1
介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。今回は、千葉県内4つの市でグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービスを12事業所運営している株式会社マウントバードのサービス付き高齢者向け住宅みのりの郷ホーム長 小林恵巳さんへインタビュー。
前編では、小林恵巳さんが介護士の資格を取得した経緯や、株式会社マウントバードの強み、ホーム長としての業務などについて伺います。後編では、介護職のやりがいや、介護業界での今後の目標をお伝えします。
介護士資格を取得したきっかけ
運命的な出会いから、理想の職場に就職
──今の会社で未経験から働き始めて、何年目でホーム長になられたのでしょうか?
介護職としては今年10年目を迎えまして、今年の3月にホーム長になったばかりです。
──介護士として働こうと思われたきっかけは?
手に職をつけたくて介護と保育、どちらかの資格を取得しようと思っていたのがきっかけです。最終的に介護職を選んだ理由としては、私自身が家庭を持って既に子育てを経験していたので、違うことがしたいと思い、介護士の資格を取得することに決めました。
──株式会社マウントバードに入社された経緯について教えてください。
介護士としての資格を取得するために学校に通っていたところ、マウントバードの職員が講師としてきており、その方と出会ったことがきっかけです。当時の私は、資格を取得してからすぐに働こうとは思っておらず、のちに介護士としての資格が何かの役に立てばいいと思っていたんです。
しかし、講師の方とお話しするうちに株式会社マウントバードの方針や仕事内容などに感銘を受け、「学校を卒業してからすぐにでも働きたい!」と思い、資格取得後に未経験ながらグループホームにて働き始めました。もし、当時の講師と出会っていなかったら、ここでは働くことはなかったと思うので、運命的な出会いだと強く感じました。
──自分が感銘を受けた環境で働けるということは、かなり貴重なことだと思います。運命的に感じますね。
介護士・ホーム長としての業務内容
月一で喜んでもらえるようなイベントを行っています
──ホーム長となりますと、やはり業務は多岐に渡りますよね。
それらの業務をどのようにこなされているのか、一日の流れについてお聞かせください。
私は日勤の9:00~17:00のシフトが主です。これは現場にいる日のスケジュールですが、これとは他に一日中PC作業をする日もあります。
基本的に、現場の業務量の調整をしたり他職種との連携、職員の育成などの業務内容になりますね。あとは、利用者さまが施設に入所された時に支援の方向性を考えるといった重要な業務もあります。
他には、施設内で開催するイベントの企画なども考えたりしています。
―グループホームやデイサービスと違ったサービス付き高齢者向け住宅の利用者さまの1日の過ごし方も教えていただけますか?
──なるほど、自由時間が多く見受けられますが…。サービス付き高齢者向け住宅というのは、デイサービスやグループホームのように決まった時間にレクリエーションがあるわけではなく、利用者さまが好きなように過せる時間が多いのでしょうか?
基本的には、そのようなイメージですね。利用者さまの入浴や掃除の時間など、介護サービスが必要な部分はケアプランで曜日ごとに決まっていますが、それ以外は自由に家事をしたり園芸をしたり利用者さまによって毎日違う時間を過ごされていますね。
──では、みのりの郷ならではの取り組みなどはありますか?
自分たちで食事について徹底的に関われるところですね。実は、大体の施設は外部業者に食事の献立を決めてもらいます。そのため、自分たちで一から献立を考えることは少ないんです。しかし、みのりの郷では、毎月決められた費用内で、利用者さまのリクエストに答えたメニュー考案や食材調達も利用者さまと一緒に行えたりします。
あとは、施設内にある畑で季節の野菜を植えて収穫祭を行ったり、お祭りの出店のようなイメージで施設にお店を呼んでその場で食事をするイベントなど、利用者さまに喜んでもらえるようなイベントを月一で企画して開催しています。
ホーム長として心がけていること
不調を見逃さないように、話す人の表情を欠かさず見ています
──ホーム長として、利用者さまと職員と接する上で心がけていることはありますか?
利用者さま、職員に対してどちらも同じことで、表情をよく見て話すことを心がけています。人って、言葉では「元気!」だと言っていたとしても、顔を見ると「あれ? そうでもないよな…」と感じることがありますよね。そういった細かい表情の中からひとつひとつ状態や状況を感じとれるように、表情をよく見るようにしています。
あとは、自分がどんなに忙しくても声をかけられた時は、必ず手を止めて相手の話をしっかり聞くことも忘れないようにしています。はじめに話したように、利用者さまも働く職員もみんな生きてきた環境が違うので、それぞれの個性を活かした生活・就業ができるような環境にできればいいと考えています。個々で得意なことは伸ばしつつ、苦手な部分はみんなで補いながらできることが理想ですね。
──『補いながら』というのは、とても合理的であってみんなが安心できそうな方法ですね。『得意なこと』というのは、小林さんが積極的にそれぞれのいいところを見つけて相手に伝えたりなどしているんでしょうか?
そうですね。その人がやってくれたことに関して、「ありがとう」の感謝の気持ちを伝えつつ、「そういうところがすごいよね」「いつも気づくよね」など、それぞれの得意な点に焦点を当てた声がけも心がけています。
──そういった声がけをすることによって、言われた相手も自分の得意なところに気づいて、伸ばしていくことができそうですね。
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利用者さまのみならず、職員ともしっかり向き合っている小林さんの真摯な姿勢は、関わる全ての人の支えになっているだろうとお人柄から容易に感じ取ることができました。後編は、小林さんの介護職についての想いや所属されている株式会社マウントバードについての取り組みについてお伺いします。
取材・文/東菜々(レ・キャトル)
Data
株式会社マウントバード
住所:新宿区早稲田鶴巻町557
電話:03-6205-5895