ホームヘルパーに必要な資格「介護職員初任者研修」とは
ホームヘルパーになるにあたって、必要な資格である「介護職員初任者研修」。この資格を取得することによってホームヘルパーになることができます。この資格さえあれば、人手不足の続いている介護業界でホームヘルパーとして就職するには、よほどの問題が無ければ可能になるでしょう。今回は、この介護職員初任者研修についてまとめてみました。
介護職員初任者研修とは
もともと、「ホームヘルパー2級」という資格が、現在の「介護職員初任者研修」にあたります。2013年の改訂によって、ホームヘルパー2級という資格が無くなり、介護職員初任者研修という資格へ移行しました。この資格があることによって、ホームヘルパーになることができます。
ホームヘルパーになるためには、2012年以前であれば、ホームヘルパーの資格を有している、もしくは「介護職員基礎研修」を取得しているかが判断基準とされてきましたが、2013年以降は、介護職員初任者研修に変わっています。この資格を有していることによって、介護職員としての入門を学んでいると考えられ、ホームヘルパーとしてだけでなく、介護職員として働き始める時に重要になります。他にも、介護の知識だけでなく、介護の技術、高齢者との接し方など、福祉の考え方についても学ぶことのできる資格と言われています。
この資格を取得するにあたって、各自治体が指定する講習を受ける必要があります。この講習の費用は安ければ5万円~10万円と言われていて、ホームヘルパーになるにあたって必要な資格になるので、ぜひ取得しましょう。
介護職員初任者研修のカリキュラムとは
介護職員初任者研修のカリキュラムは、下記のような科目で構成されています。
1.職務の理解
2.介護における尊厳の保持・自立支援
3.介護の基本
4.介護・福祉サービスの理解と医療の連携
5.介護におけるコミュニケーション技術
6.老化の理解
7.認知症の理解
8.障害の理解
9.こころとからだのしくみと生活支援技術
10.振り返り
これらの講習を通じて、介護職とは何なのかについて学んでいきます。他にも介護の基本や、認知症について、そして老化についてなど、医学的な基礎知識も学ぶことになります。
この項目の中でも、9番の項目が75時間という長い時間をかけて、演習として学んでいく内容になります。この資格では、ほとんどの時間を演習に割くことになり、実際の介護サービスを行ううえで必要とされる技術を学んでいくことになります。車いすの介助や、食事や入浴の補助、排泄の介助など実践的な介護サービスを学んでいきます。実技指導を受けることができるので、他の受講者と一緒に体を動かしながら学ぶことができます。
ホームヘルパー2級からの変更点について
先にも説明したように、ホームヘルパー2級という資格の代わりに、「介護職員初任者研修」という資格になりました。ホームヘルパー2級だった時代には、今の介護職員初任者研修と同じ130時間のカリキュラムの中で、実習を通じて実践的な技術を学ぶことができていました。
しかし、現行の介護職員初任者研修では、実習は必要に応じて行うことになったため、かつては介護施設や在宅訪問をして現場での実際の実習を行っていたのにも関わらず、その実習が無くなることが一般的になりました。ただし、自治体によっては、この実習を必須と位置付けているところもあり、カリキュラムに最初から含まれていることもあります。
カリキュラムの内容にも変更があり、以前は訪問介護を基本とした勉強が中心でしたが、介護職員初任者研修になってからは、在宅・施設の両方で働くうえで必須となる基本的な技術や知識を習得することができるようになりました。イメージ的には、これまでは在宅介護メインで学んでいた内容が、在宅介護だけでなく、施設で働くうえでも必要となる知識を満遍なく学べるようになった点です。
ホームヘルパーになるうえで重要な資格の「介護職員初任者研修」の前身は、「ホームヘルパー2級」という資格でした。ホームヘルパー2級に比べると、実習などの実践的なカリキュラムは減ったものの、在宅介護だけでなく、施設で働くうえでも必要となる知識や技術についても学ぶことができるようになりました。実習も、自治体によってあるところとないところがあります。