介護福祉士の上位資格となる認定介護福祉士について
認定介護福祉士とは、介護職のキャリアパスのひとつとして、現在の介護福祉士 の上位資格として設置が検討されている資格です。介護職のリーダー的役割を担うもので、介護福祉士 が一定の実務経験を積んだ後、養成研修の修了によって認定を受けることが可能となります。現在想定されている認定介護福祉士の概要についてみていきましょう。
認定介護福祉士とは
認定介護福祉士とは、現在の介護福祉士 の上位資格として設置が検討されている資格です。介護福祉士 や介護職員のマネジメントなどを行うリーダーを担ったり、指導や教育などを行う立場を想定しています。具体的には、5~10人程度の介護職員の指導やマネジメント、医療関係者との連携業務のとりまとめなどが期待されているようです。
認定介護福祉士は国家資格もしくは公的資格として設置されることとなっています。現在、介護福祉士 の上位資格としては民間資格の専門介護福祉士があります。しかし専門介護福祉士は特定の介護分野に対しての専門知識を有するもので、介護従事者の指導的役割を想定した認定介護福祉士とは性質が異なるものでしょう。
また現在、介護福祉士 を取得した方が目指す上位資格にケアマネージャーがあります。しかしケアマネージャーは介護プランの作成や関連機関との調整などの手続き的な業務が中心です。認定介護福祉士の方がより現場に近い職種となると考えられています。
認定介護福祉士の取得要件について
認定介護福祉士を取得するには、一定の実務経験を積んだ後、認定介護福祉士の養成研修を受講し、試験に合格、もしくはレポート提出により認定を受けることができます。研修の種類によっては試験やレポートが免除されるものもあるようです。
現時点では認定介護福祉士の取得に必要な実務経験の期間については明言されていませんが、厚生労働省 の概要によると7年から8年程度が想定されているようです。養成研修の科目の中には5年以上の実務経験を必須とするものもあります。また、研修の受講は働きながらでも可能なように配慮されています。
認定介護福祉士のための実務経験の中には、介護施設での介護、在宅介護の両方の経験が求められる可能性が高いようです。研修は2部に分かれていますが、後半の研修を受けるためにはさらにチームリーダーの経験が求められます。そのため認定介護福祉士を取得するためには相当年数の経験が必要です。
認定介護福祉士の養成研修について
認定介護福祉士の養成研修は、認定介護福祉士養成研修I類とII類の2段階にわけられ、あわせて450から500時間程度の学習時間を想定しています。研修I類では主に介護福祉士 養成課程で学ばなかった医療やリハビリ、認知症などの知識の習得と介護職のリーダーとして必要な知識を学びます。その後、研修II類にてグループや地域における指導やマネジメントの実践力の育成をはかります。また研修II類では研修I類の修了のほか、介護の小規模チームにおけるリーダーとしての実務経験が必要です。
養成研修の受講方法に関して現時点では具体的に提示されていませんが、通信講座を主体とし、研修実施団体が定められる模様です。早ければ2016年の夏頃から研修が開始され、認定業務がスタートする予定となっています。将来的には全国各地で研修が受けられるよう準備中です。全介護福祉士 中、2~3%の認定介護福祉士の誕生を想定して制度が検討されています。
認定介護福祉士は介護福祉士 の上位資格と位置づけられています。そのため取得により待遇や給与にも優遇が行われるでしょう。高齢化社会の進行にともない、介護業界は拡大、介護職員は増加が見込まれています。認定介護福祉士のスタート時期は現時点で未定ですが、マネジメント能力のある認定介護福祉士は一定の高いニーズがあるものと予想されます。