ネイリスト技能検定の内容や合格率を紹介|JNAジェルネイル技能検定との違いは?ネイリストを目指すならどっちがいい?
ネイリストという仕事には、取得必須の資格がありません。しかし、実際にプロとして働く場合、資格を持っていたほうが有利になります。なぜならサロンの多くは、資格取得者を対象とした採用活動をおこなっているためです。
ネイリスト向けの資格は複数ありますが、この記事では「ネイリスト技能検定」と「JNAジェルネイル技能検定」について紹介します。2つの資格の違いについても解説しますので、ネイリストを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
ネイリスト技能検定とは
ネイリスト技能検定とは、ネイルの「正しい技術と知識の向上」を目的とした検定で、技術公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが主催しています。
ネイルに関する検定として、1番初めにスタートしたということもあり、業界のなかでもとくに知名度が高く、受験者数は累計94万人にものぼる人気の資格です。
ネイリスト技能検定について、さらに詳しい情報が知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
ネイリスト技能検定とは?資格取得のメリットや級ごとの受験内容・スケジュール・注意事項まですべて解説!
ネイリスト技能検定を取得するメリット
ネイリスト技能検定を取得するメリットとして、「知識や技術を持っていることの証明となる」ということが挙げられます。
多くのサロンが、ネイリスト技能検定2級以上の資格取得者を対象に採用活動をおこなっています。それほど、ネイリスト技能検定は働くうえで必要な資格であり、知識や技術を持っているかどうかの判断基準となっているのです。
1級から3級まで|ネイリスト技能検定の内容は?
ネイリスト技能検定は1級から3級までの級があります。すべての級に、実技試験と筆記試験があり、実技試験は50点満点中38点以上、筆記試験は100点満点中80点以上で合格です。
いきなり2級や1級を受験することはできず、3級から順に合格してステップアップしなければなりません。
ここからは、各級のおおまかな検定内容を紹介します。
各級の詳しい受験内容が知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
ネイリスト技能検定とは?資格取得のメリットや級ごとの受験内容・スケジュール・注意事項まですべて解説!
【3級】検定内容
3級の筆記試験は30分で、択一問題に対しマークシートで解答します。ネイルケアやネイルアートの基本的な知識などが問われる内容です。
実技試験は70分です。実技を始める前に、事前審査の時間が10分間設けられており、モデルの爪の状態や、テーブルセッティング、消毒管理がチェックされます。
事前審査後、手指消毒から始め、ネイルケア・カラーリングをそれぞれ両手10本おこない、最後にネイルアートを右手中指に施すといった検定内容です。
【2級】検定内容
2級の筆記試験は35分で、択一問題に対しマークシートで解答します。ネイルケア、リペア、チップ&ラップなどに関する知識が問われる内容です。
実技試験は前半35分、インターバルを1分はさんで後半55分です。3級同様、実技を始める前に、事前審査の時間が10分間設けられています。
前半35分は、手指消毒から始め、キューティクルクリーンまでのネイルケアを両手10本に施します。
その後1分間のインターバルです。インターバル中はモデルの手に一切触れてはいけません。
後半55分は、チップ&ラップを左手薬指に施し、そのあとカラーリングを左手薬指と右手薬指以外の8本におこないます。最後に、ネイルアートを右手薬指に施し実技試験終了です。
【1級】検定内容
1級の筆記試験は40分で、他の級と同様に、択一問題に対しマークシートで解答します。イクステンションや、実践的な施術に関する総合的な知識などが問われる内容です。
実技試験は160分です。他の級と同様に事前審査が10分間あります。
他の級とは違って、トレーニングハンドを用いた試験です。テーブルセッティングや消毒管理のほか、トレーニングハンドに装着したチップの状態が規定通りかどうかが事前審査の対象となっています。
実技は、ネイルイクステンションとネイルアートの2種類です。スカルプチュアネイルを右手5本に、チップ&オーバーレイを左手中指と左手人差し指に施します。その後、ミックスメディアアートを左手薬指に施し、実技試験終了です。
JNAジェルネイル技能検定とは
JNAジェルネイル技能検定とは、「お客様が安心して施術を受けられる健全なジェルネイルの普及」を目的とした検定で、NPO法人日本ネイリスト協会が実施しています。
ネイリストとして、施術をするうえで必要なジェルネイルの知識や技術が問われるこの検定は、持っていて損のない資格です。
NPO法人 日本ネイリスト協会:JNAジェルネイル技能検定試験試験
JNAジェルネイル技能検定を取得するメリット
JNAジェルネイル技能検定を取得するメリットとして、就職活動や転職活動に有利になるということが挙げられます。
ジェルネイルは、今やほとんどのサロンが看板メニューとして取り扱うほど、お客様にも人気のメニューです。ネイリストとして、ジェルネイルに対する知識を深めたり、技術を磨いたりすることは、サロンで働くうえで欠かせないものとなっています。
JNAジェルネイル技能検定の資格を取得することで、就職活動や転職活動では、ジェルネイルの知識や技術を持つ証として役立ち、ジェルネイルを希望するお客様にとっては安心材料となるでしょう。
初級~上級まで。JNAジェルネイル技能検定の内容は?
JNAジェルネイル技能検定は、初級・中級・上級の3つの級があります。すべての級に、実技試験前の事前審査と実技試験があり、初級と中級には筆記試験もあります。
合格基準は次のとおりです。
初級:実技試験・筆記試験ともに100点満点中80点以上
中級:筆記試験は100点満点中80点以上、実技試験は100点満点中70点以上
上級:実技試験のみ、100点満点中70点以上
いきなり中級や上級を受験することはできず、初級から順に合格してステップアップしなければなりません。
ここからは、2023年6月実施予定の「第28回JNAジェルネイル技能検定試験」の試験要項をもとに、各級のおおまかな検定内容を紹介します。
詳しい内容が知りたい方は、下記のサイトをチェックしてみてください。
NPO法人日本ネイリスト協会:第28回 JNAジェルネイル技能検定試験〔初級・中級・上級〕試験要項
ジェルネイル初級
初級の筆記試験は30分で、マークシート方式です。ネイルやジェルネイルの基本的な知識が問われます。
実技試験はインターバル10分をはさんだ二部制で、第1課題35分、第2課題60分です。
第1課題は、手指消毒から始め、キューティクルクリーンまでの一連のネイルケアを両手10本に施します。
インターバルは、第1課題の片付けと第2課題に向けた準備などをおこなう時間です。
第2課題は、ポリッシュカラーリングを左手5本に施し、そのあとジェルカラーリングを右手5本におこないます。最後に、ジェルアートを右手中指に施し実技試験終了です。
ジェルネイル中級
中級の筆記試験も初級と同じく30分で、マークシート方式です。プロとしてサロンで働くうえで必要な専門的な知識やジェルネイルの理論などが問われます。
実技試験はインターバル15分をはさんだ二部制で、第1課題30分、第2課題85分です。
第1課題は、手指消毒から始め、ネイルケア・カラーリングを左手5本に施します。
インターバルは、第1課題の片付けと第2課題に向けた準備などをおこなう時間です。
第2課題は、ジェルグラデーションを右手の4本(中指以外)に施し、そのあとジェルイクステンション(クリアスカルプチュア)を右手の中指におこないます。最後に、ジェルフレンチカラーリングを左手5本に施し実技試験終了です。
ジェルネイル上級
上級は実技試験のみで、時間は85分です。ジェルネイルのスペシャリストとしてふさわしい知識と技術が問われます。
ネイルの長さだしとアートを施す試験です。アートはテーマに沿っているか、カーブや長さ・厚みなどが審査されます。なお、それぞれの指に指定されたイクステンションは次のとおりです。
<右手>
人差し指・中指:ジェルクリアスカルプチュア
薬指:ジェルチップオーバーレイ+デザイン
<左手>
中指:ジェルチップオーバーレイ
薬指:ジェルチップオーバーレイ+フレンチルック
施術する指に指定はありますが、施術をおこなう順番は自由です。
ネイリスト技能検定とJNAジェルネイル技能検定、それぞれの合格率は?
ネイリスト技能検定の合格率は、1級が最も難易度が高く、累計の合格率は40%を下回っています。2級の累計合格率も45%に満たず、3級のみ80%を超える累計合格率です。
JNAジェルネイル技能検定の合格率は、現在公式サイトから確認することができません。しかし、試験内容や減点・失格となる項目から見ても、しっかりと対策をおこなう必要があると言えます。
ネイリスト技能検定試験の各級の合格率や受験者数は、こちらの公式サイトから確認できます。
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター:試験概要 受験者数・合格者数推移
ネイリストを目指すならどちらの資格も重要
どちらの検定も、正しい知識や技術があることを証明できるという点で共通しており、プロのネイリストを目指すのであれば、どちらの資格も重要です。
ネイリスト技能検定の資格は、ネイルの基本的な知識を深く知っていることや、技術を習得していることが証明できます。
JNAジェルネイル技能検定の資格は、近年広く普及しているジェルネイルについて、知識や理論、技術を習得していることが証明でき、どちらもプロのネイリストなら身に付けておくべき内容といえるでしょう。
ネイリスト技能検定に合格するための学習方法は?|独学かスクールか
ネイリスト技能検定試験に向けた学習方法として、独学で取り組む、またはスクールや通信講座を活用するという選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットを紹介しますので、自身に合った学習方法を検討してみてくださいね。
独学で学習するメリットとデメリット
独学で勉強するメリットは、費用を大きく節約できることです。スクールに通う時間も節約でき、空いた時間を有効活用できます。また、自分のペースに合わせた学習計画が立てられるという点も、メリットと言えるでしょう。
デメリットは、正しい知識と技術を効率的に身に付けるのが難しいことです。誤った知識や技術に気づくことも難しく、試験に大きく影響する可能性があります。
とくに、技術試験では減点や失格となる項目が決められており、誤った技術で挑むことのないよう十分な対策が必要です。
また、モデル選びや勉強のモチベーション維持に苦労することも考えられます。
スクールに通うメリットとデメリット
スクールに通うメリットは、体系的に学びを得られるメソッドが確立しているため、検定の合格に向けて効率的に知識や技術を習得できるということがあげられます。
間違った知識や手法には、講師から指摘やアドバイスを受けることができるため、正しい知識や技術の定着につながるでしょう。
デメリットは、費用がかかるということと、カリキュラムの時間が決まっていることがあげられます。
スクールや受講するコースによって金額に違いはありますが、数十万円の予算が必要です。また、学習のカリキュラムに自分が合わせる必要があるので、スケジュールを調整しなければなりません。
通信講座で学ぶ方法もある
上記2つのいいとこどりともいえる通信講座で学ぶ方法もあります。時間に縛られず、効率よく学習したいという人にはおすすめです。
通信講座には、DVDやテキスト、オンライン動画などさまざまな学習方法があり、自分のペースで勉強することができます。
通信講座での学習について、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
ネイリストの資格は通信講座でも取得できる?通信講座を選ぶポイントは?
ネイルの知識と技術の証明となるネイリスト技能検定とJNAジェルネイル技能検定を取得してプロを目指そう!
どちらの検定も、ネイルに対する深い知識とゆるぎない技術を証明するものです。資格を取得しているネイリストは、採用するサロンにとっても、サービスを受けるお客様にとっても、安心・信頼のおける人材となるでしょう。
ネイルの総合的な知識が身につくネイリスト技能検定と、ジェルネイルの知識と技術を証明できるJNAジェルネイル技能検定の資格は、プロのネイリストにとって、働くうえで大きな財産です。
ぜひとも両方の資格を取得し、プロのネイリストを目指しましょう。
引用
日本ネイリスト検定試験センター:試験概要
NPO法人 日本ネイリスト協会:JNAジェルネイル技能検定試験
公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター:ネイリスト技能検定試験 試験要項 2023年春期(4月実施)
NPO法人 日本ネイリスト協会:第28回 JNAジェルネイル技能検定試験〔初級・中級・上級〕 試験要項
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター:試験概要 受験者数・合格者数推移