こんな手が!身近なものを花器にする【花やグリーンでサロンを演出】#1
お客さまがホッと和めるサロンの雰囲気づくりや、自分が家に帰ってくつろげる空間づくりのための、花やグリーンの飾り方を提案します。
暮らしの中で、手軽に花やグリーンを楽しむことを提案しているプランツスタイリストの井出 綾さんに、普段の花の飾り方を教えてもらいました。
サロンでも家でも、実践できるアイデアを紹介します。
花を飾りたいけど飾れない悩みを解決します!
サロンや家で花を飾りたいなと思っても、「花瓶がないから無理かな」「花を飾る広いスペースがないから」「お金に余裕がなくて、花屋さんでたくさん花を買えない」と諦めていませんか? 「花は飾るのには、こうしなければいけないとルールを作っているとしたら、もったいないですね。もっと、自由に花を飾っていいと思います。暮らしに中に、花やグリーンを取り入れると、季節を身近に感じられて毎日が楽しくなりますよ」と井出さん。
「花瓶がなくても、家にあるものを花瓶代わりにして飾れますよ。キッチンにあるグラスやカップ、ピッチャー、急須など、水やお茶を入れるものを花器として考えてみてはどうでしょうか。これなら花を飾るスペースを広くとれなくても、手軽に飾れます」。
サロンの受付けやお会計周り、小さなテーブルの上など、ちょっとした所にかわいい花が飾ってあると、お客様はもちろん、働いているスタッフの気持ちも癒されますね。
グラスにラナンキュラスを中心に、実のついたヘデラベリー(左)、小花のサイネリアを組み合わせて、大人っぽい春を表現してみました。華やかなラナンキュラスは、1〜2輪でも存在感のあるアレンジにしてくれます。
ミルクピッチャーに色違いのバラを生けました。バラの葉もきれいなものを茎から切り分けて、バランスを見ながら花器に入れると、全体的にまとまります。「定番のバラは、花器をちょっと変わった形のものにすると、新鮮に見えますよ」と井出さん。
素敵に飾るコツは1〜3種類の花やグリーンを使って
素敵に飾るコツは、「たくさんの種類を飾ろうと欲張らずに、花やグリーンは1〜3種類ぐらいに絞ること。何かのお祝いでもないと、たくさんの花を買う機会もありませんね。それに多種類の花やグリーンを素敵に生けるのは、意外に難しいんです。それよりは、自分の好きなもの、季節を感じさせるものなどを1〜3種類だけ選んでみます。花を生けることに慣れてない方でも、種類を絞れば素敵に飾れますよ」と井出さん。なんとも、うれしいお話。これなら、予算が少なくてもどうにかなりそうです。
急須を花器にして、花とグリーンを2種類合わせました。主役の紫陽花は葉も活かします。細長い葉のミスカンサスは、輪になるように曲げて組み合わせました。左右に見える、急須の取っ手とミスカンサスの輪がアクセントになります。
Column
花とグリーンの組み合わせ方
① 主役になる花を1種類決めます
主役の花とは、大きめもの、色が鮮やかなものなど、中心になる存在感のあるもののこと。慣れてきたら、小さい花でも主役になるように生けられますが、まずは、見てすぐ主役とわかるような花を1種類選んでみましょう。
② 脇役になるグリーンや小花を1〜2種類選びます
主役の花を決めたら、それを盛り上げるような脇役のグリーンや小花などを考えます。初心者さんには、主役・花+脇役・グリーンを組み合わせるのがおすすめ。慣れてきたら、脇役として小花や実もの、枝ものなどを選んで組み合わせると、楽しさが広がります。
写真・取材・構成
花の写真:井出 綾
取材・構成:大橋史子(ペンギン企画室)
Profile
井出 綾さん
プランツスタイリスト。Bouque de soleil主宰。輸入雑貨店、デザイン事務所を経て、アレンジメント教室勤務。フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学び1994年よりフリーランス。雑誌、広告、イベント、商業施設でのアレンジやスタイリングと、「花あわせレッスン」「野山の花の会」やカルチャースクール、ワークショップなどのスクーリングを主に、自然と暮らしをつなぐ花を提案しています。
Bouque de soleil http://soleil-net.com
井出綾さんの著書「花の教室」(¥1400/グラフィック社)
なかなか花を上手に生けられない、どんな花を選んでいいかわからないと悩む初心者さんにはもちろん、もっと素敵に飾りたい!とワンランクアップを目指す上級者さんにも、参考になる1冊です。花の選び方、花器の選び方、色合わせのコツ、季節に合わせた花の飾リ方など、迷ったときに助けてくれるアイデアが満載です。
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