開業するにはいくら必要なの? 気になる独立のあれこれ #1

美容業界で働いている人の中には、いつか独立して自分のお店を持ちたいと考えている人も多いはず。けれど、独立への一歩が踏み出せないと悩んでいる人も多いのでは? そこで今回は、実際に東京の清澄白河に美容室を開業して2年経つShort CUT hair & makeの一原充志さんに「独立に向けていつから動いていたの?」「トータルで独立にはいくらかかったの?」など、独立に関する気になるあれこれを伺いました。

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独立できる環境をつくるところから始めました

――独立をしようと思ったきっかけを教えて下さい。
「独立する前は、表参道にあるサロンで勤務し、店長をやっていました。以前から独立をしたいという思いはあって、現実的に考えたのは30代中盤からキャリアを重ねていくようになってから。“美容師である妻と一緒に働きたい”と強く思うようになり、子どもが小学生になるタイミングで独立を決めました」

――独立の相談は誰にしていましたか?
「勤めていたサロンのオーナーには相談に乗ってもらいました。ありがたいことに“お客様を連れて行っていいよ”というスタンスだったので、その期待に応えたいというのもあって、自分が辞めるまではできる限りのことをお店にしようと思って働いていました。オーナーの理解があったからこそ独立へ向けて動けたと思います。よく独立が原因で勤めていたサロンと喧嘩別れをし、2度と会わなくなるようなことがあるという話を聞きますが、人として筋を通し、自分の去り際まで一貫してやるべきことをすれば、周囲の理解や協力を得やすいと思います」

――実際に独立へ向けて、いつから動き始めていたのでしょうか?
「独立を決めた年の1年前からです。とはいえ、前に勤めていたのは少人数制のサロンが2店舗あり、独立できる状況にすらありませんでした。なので3、4年がかりで“独立できる環境をつくる”というところから始めました。実際には上の人間が抜けても後輩が育つ環境をつくり、店舗を統合。拡張移転させて、お店が安定してきた頃に本格的なスタートを切りました」

一原さん

事業計画書の作成が独立への第一歩

――いよいよ独立に向けてスタート! 簡単に準備の流れを教えて下さい。
「まず事業計画書(事業の内容や、資金計画など具体的な項目を書面にすること)を作成することから始まります。事業計画書を書いていくうちに、自分がどれだけの規模感で経営したいのか、どれくらいの坪数でやりたいかなどが見えてきます。物件や機材を選び、内装の見積もりを出し、トータルでいくらお金が必要になるのかはっきりと見えてきた段階で、融資へと動きます」

――実際にいくらお金を借りることができましたか?
「850万円借りることができました。自己資金650万円とあわせて、最終的な金額はトータルで1500万円。内訳は、内装費に950万円(デザイン料込み)、店舗費に150万円(敷金、礼金、仲介手数料、前家賃など)、美容設備費260万円(美容器具、材料、備品、商品)、その他諸経費と2か月分の運転資金130万円を合わせた金額です。自己資金の一部は両親から借りています」

――融資を受けるのが大変そう……。資金調達は苦労しましたか。
「結果的に、予想していた金額よりも多いお金を借りることができてスムーズにいきました。それは “行政書士”にお願いしたことが大きいと思います。経験がある人と一緒に借りに行くことで、最大限借りれば、自分のやりたいこともより広がると思います。すべてを自分でやろうと思わず、プロの手を借りるということが大事です」

店内

資金も集め、着々と開業準備を進めていった一原さん。周囲の理解や協力があったからこそ動けたそう。後半では、独立へ向けた最終準備、開業してみて分かった独立する上での心得などを伺いました。

取材・文/梅澤暁(レ・キャトル)
撮影/松木雄一

Salon Data

Short CUT hair & make

Short CUT hair & make

東京都江東区三好1-8-7 トレスビル1F
http://www.shortcut.tokyo/

どうやって物件を決めたの? 気になる独立のあれこれ #2>>

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