手指の疲れ解消ツボ・マッサージ サロンワークの疲れは自分で癒す #1
サロンワークの悩みのひとつといえば、手首の疲れや痛み。手に負荷のかかる姿勢だったり、細かい作業の連続だったり、手指の酷使は否めません。最近ではパソコンのタイピングや、スマホの長時間使用による手指の痛み(腱鞘炎)も増えてきており、私たちの身近な問題となっています。
サロンワークの方は、常に手、指を使うので、その日のうちに対処しておくのがベスト。“手指の使い過ぎ”について、「ぐんぐん元気が出るツボ・マッサージ」で人気の寳田先生にアドバイスしていただきました。
手指の酷使は腕や肩への負担も大きい
「手や指の使い過ぎや外傷などにより、腱および腱鞘に炎症を起こす腱鞘炎は、物をつかむ、タオルをしぼるなどといった動作で激しく痛み、動作が困難になります。
例えば美容師さんの場合、ハサミを動かす時に親指を動かす頻度が高くなります。この場合は、手指だけでなく肩の上の方まで痛みが出る場合があります。またネイリストなど細かい作業の場合には関節に痛みが出る場合もあります。
パソコンなどで作業される方は、キーボードの電気振動で指の関節を傷めたり、マウス使いで肘が痛くなる場合もあります。その症状は、手指の動かし方によって様々ですが、手指のケアをするなら、手指を動かす筋肉とつながる腕や肩のケアも忘れないようにしてください。
痛みがひどい時、患部に熱がある時は安静にしましょう。腫れや熱がない時はツボ刺激が有効です。痛むときだけでなく、毎日朝と夜に続けるとより効果的です」と寳田先生。
手指・肘・肩につながる筋肉をほぐすツボ・マッサージ!
手指の使い過ぎは肘の使い過ぎにもなります。指から肩にかけての日々のツボ刺激で筋肉のコリをとり除いてあげましょう。
●手首のケア
朝と夜の2回、行うことをおすすめしますが、サロンワークのちょっとした合間に実践してみるのもよいでしょう。
<まず、さする>
小指を下にして腕を立て、腕の親指側を上下に2~4分間さすります。
<次に、5種のツボ押し>
1.大陵(だいりょう):手や腕の麻痺、しびれ、痛みなどに効果的。
(押す場所)
手のひら側で手首のしわの中央(二本の太い腱の真ん中)を親指の腹で左右各10回、指をツボにあてる程度のほんの軽い圧で押します。
(押し方)
息を吐きながら1・2・3と押していき、4で止め、息を吸いながら5・6・7と圧を抜いていきます。
2.陽谷(ようこく):手根関節炎や上腕神経痛、リウマチに効果的。
(押す場所)
手の甲側で、手首の横じわの小指側のはしにある丸い骨の下のくぼみを親指の先で左右各5~10回、指をツボにあてる程度のほんの軽い圧で押します。
(押し方)
息を吐きながら1・2・3と押していき、4で止め、息を吸いながら5・6・7と圧を抜いていきます。
3.四瀆(しとく):手や腕が疲れた時に効果的。
(押す場所)
手の甲側で、手首の横じわの真ん中と肘がしらを結んだ線の中央を親指の腹で左右各5~10回、気持ち良いと思う程度の圧で押します。
(押し方)
息を吐きながら1・2・3と押していき、4で止め、息を吸いながら5・6・7と圧を抜いていきます。
4.臑愈(じゅゆ):腕のしびれやだるさに効果的。
(押す場所)
肩先の骨のでっぱりの下の方で、肘を少し後ろに引くとへこむところを中指の腹で左右各10回、気持ち良いと思う程度の圧で押します。
(押し方)
息を吐きながら1・2・3・4・5と押して止め、息を吸いながら6・7・8・9・10と圧を抜いていきます。
5.労宮(ろうきゅう):ストレス、自律神経の矯正、疲れている時の全身活力アップに効果的です。
(押す場所)
手のひらのほぼ真ん中にあたり、手を握って手のひらに中指と薬指があたった、その間を親指の腹で左右各10回、気持ち良いと思う程度の圧で押します。
(押し方)
息を吐きながら1・2・3・4・5と押して止め、息を吸いながら6・7・8・9・10と圧を抜いていきます。
「腱鞘炎の一番の原因は同じ作業の繰り返しによる「手の使い過ぎ」です。悪化すると、持つ・押す・つまむ・ひねるなど、手指を動かす全ての動作に痛みを感じ、ふきんが絞れない、蓋があけられない、箸が持てない、字が書けないほどに重症化するケースも。なってからでは遅いので、日々、ツボ刺激などで「ならないための予防」が何より大切です」と寳田先生。
取材・文/ORCA
イラスト/F・I
profile
寶田とし子さん
鍼師・灸師・あんま、指圧、マッサージ師、整体師、鍼灸学校講師
OL時代を経て1988年よりバックパッカーとして、1年半、中国、ヨーロッパ、アフリカ上部、アラブ諸国、インド、香港、タイを旅し、またその2年後、中国、ネパール、チベット、インド(ラダック地方)を旅する。特に印象に残っているのは、チベット、インド(ラダック地方 チベット民族が住んでいる)。そこで地球の上に生きることを感じて、帰国後、鍼灸師を目指し、東京医療専門学校で鍼、灸、あんま、指圧、マッサージを学んだ後、同校教員養成科を修了。さらにセミナーや講習会で、体の中の気や、生体エネルギーの流れを感知する方法を学び、それを鍼、灸、整体に生かし、独自の施術を生み出す。開業後はその技術に工夫を重ね、鍼、灸、整体を組み合わせた独自の治療を行っている。『冷え』とりを始めて12年。その実体験をもとに『冷えとり暮らし術』を実践。著書に主婦と生活社刊「ひとりでもできる!ぐんぐん元気が出るツボ・マッサージ」。
http://www.yuukuukannsyn.sakura.ne.jp/index.html
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