マッサージの専門用語事典か行

マッサージ師として働くならば、しっかりと身に付けておきたい業界用語。今回はマッサージ師専門用語の「か」行をお送りします。

刮痧(かっさ)

刮痧とは、肌を押したりこすったりすることで刺激を与えて血液の良好な循環を図り、老廃物の排出を促すマッサージ方法です。血行やリンパの流れを良化させることで、代謝を向上させたり、またはむくみを緩和させたりといった効果が期待できます。その他にも冷え性や風邪の予防、アンチエイジングなどにも有効と考えられています。 刮痧の起源は、石や木片や水牛の角などを使用して体に刺激を与えて、さまざまな症状の改善を図る中国の民間療法です。さらに、疾病の予防や健康維持、美容や整体といった幅広いジャンルでも活用されていて、東洋医学的には「全身の気の流れを正しく整える」という意味が含まれています。刮痧は「グアシャ」や「クワシャ」などとも呼ばれていて、「刮」には「こする・けずる・えぐる」という意味があり、「痧」には滞った悪い血液や老廃物という意味があるとされています。

間接灸(かんせつきゅう)

間接灸は、皮膚ともぐさの間に他の物を挟み、灸の効果を間接的に体へと伝える方法です。もぐさと皮膚のあいだに物を挟むことで、肌に伝わる灸の熱を和らげることができます。また、間接灸はおだやかでじんわりとした熱感が特徴です。それに対して、もぐさを肌に直接乗せて燃やす方法が直接灸です。直接灸による刺激や熱が強すぎると感じる人に間接灸は適しています。 もぐさと皮膚のあいだに挟む物として、生姜やニンニクのスライス、味噌や塩などが利用されます。さらに、漢方エキスに浸けておいたクルミの殻などを使用する場合もあるのです。間接灸用の商品も市販されているので、ドラッグストアなどで手に入れることが可能です。ただし、もぐさと皮膚のあいだに挟む物が崩れたり倒れたりといった事故に注意が必要です。

漢方(かんぽう)

古くから中国に伝わる伝承医学のことです。中国から日本に広まった中国医学のことを日本で漢方と呼ぶようになったといわれています。一般的に漢方という言葉からは、漢方薬(複数の天然由来の生薬をあらかじめ組み合わせた方剤)がイメージされる場合が多いです。しかし、正確には漢方とは中国医学を表す言葉なので、漢方薬に加えて鍼灸療法なども含めて漢方となります。 漢方では「気・血・水・陰・陽・虚・実」という要素に着目して治療が行われます。端的に表すと、「気」は自律神経や活力を指し、「血」は血行を、「水」は水分代謝という意味です。さらに「陰」は内臓機能が虚弱な傾向がある、「陽」は内臓機能が活発すぎる、「虚」は体力がない、「実」は体力がある、というようなタイプ分けができます。その他にも顔色や姿勢を観察する「望診」、声量や話し方やにおいなどを確かめる「聞診」、患者との対話によって情報を把握する「問診」、患者に直接触れて状態を知る「切診」があります。これらは患者の健康状態を推測するための診断方法です。そして、診断後、漢方薬や鍼灸などの方法で治療を施します。

キャリアオイル

キャリアオイルとは、原料となる特定の植物から抽出された天然植物油のことです。アロママッサージをおこなう場合、精油と混ぜて使用します。しかし、高密度の抽出液である精油をそのまま使用すると肌への刺激が強すぎることがあるため、キャリアオイルで希釈し、刺激を和らげます。さらに、キャリアオイルの油分で皮膚の保湿を高めたり、マッサージの際に手指の滑りをよくしたりといった効果もあるのです。 キャリアオイルの中で代表的なのはワックスタイプのホホバオイルで、どのような肌質とも相性がいいのが特徴です。品質が安定していて、腐敗や酸化が起こりにくいとされています。それ以外にも抗酸化作用や美白効果が高いスイートアーモンドオイルや、低刺激でさっぱりとした使用感のグレープシードオイルなどもキャリアオイルとして一般的です。

灸頭鍼(きゅうとうしん)

鍼と灸を組み合わせた施術方法です。患者の皮膚に鍼を刺し、その鍼の柄の部分に設置したもぐさを燃焼させます。灸の熱感が鍼を通して患者のツボに伝達されるため、効果の高い施術方法だとされています。鍼と灸の治療効果を併せ持ち、またそれぞれの施術を別々におこなうよりも短時間で効果が得られるのがメリットといえるのです。しかも、ピンポイントで充分な熱量を加えられるのが特徴です。 一方、通常の灸よりも多量のもぐさを使用するため煙やにおいの発生量が多いことや、もぐさが衝撃で欠けたり崩れたりしやすいといったデメリットもあります。したがって、灸頭鍼をおこなう場合は換気に充分気をつけ、施術中は注意深く患者を見守る必要があります。

強擦法(きょうさつほう)

マッサージに用いられる手技の1つで、揉捏法と軽擦法の特性を組み合わせたマッサージ方法です。按捏法とも呼ばれていて、主に親指や人差し指や中指を使用して、皮膚や深部組織に圧力を加えます。円や楕円を描くように周囲から中心に向かって圧力を加えていく「渦巻状強擦法」や、手指を屋根瓦が並んでいるような形に動かしていく「螺旋状強擦法」などの種類があり、患者の症状や部位によって使い分けます。 強擦法を行う目的は、主に負傷や炎症などによって硬くなった組織を柔らかくほぐすことです。関節の可動域を広げたり、血液やリンパの流れをよくしたりといった効果が期待できます。その上、皮下組織のセルライトをほぐし、脂肪の代謝を促す働きもあるので、美容的観点での効果も望めます。

軽擦法(けいさつほう)

軽擦法はマッサージの手技のひとつで、対象部位に手や指などを当て、軽い圧力で皮膚面をこするマッサージ方法です。手の平を使って施術する「手掌軽擦法、」親指の指先及び指腹を使って施術する「母指軽擦法」、2本の指で患部を挟み込むようにしてこする「二指軽擦法」、親指以外の指を使って施術する「四指軽擦法」があります。さらに、親指とその他の指で握るようにしてさする「把握軽擦法」、握った拳の関節部分を使って施術する「指背軽擦法」、両手の手の平を重ねて施術する「重手掌軽擦法」などのバリエーションがあります。そして、これらの方法を症状や部位ごとに適切に使い分けるのです。ちなみに、軽擦法の別称は「按撫法」です。軽擦法を施すことによって体表面の温度が上昇し、血液循環が促進されて、血行やリンパの流れの良化が期待できます。その上、老廃物の代謝にも効果があります。

経絡(けいらく)

経絡とは肉体の内外に広がる気血の通路のことです。中国医学に由来する経絡は、重要な神経や血管、その他体内のさまざまな組織にあるとされています。そして、気血と呼ばれる活力の源となるエネルギーが経絡を通って全身を巡ることで、血行の良化や代謝の向上、免疫力の増強などの好影響が得られると考えられています。 経絡は2つに分かれていて、呼称は縦に流れる脈は「経脈」、横に流れる脈が「絡脈」です。さらに経脈は「十二経脈」や「奇経八脈」などに分かれ、絡脈は「十五絡脈」や「孫絡」、「浮絡」などに分かれます。 マッサージや鍼灸で施術のポイントとなるツボの多くは経絡の流れに沿って存在し、このツボを上手く刺激することで経絡の流れが整えられるのです。そのため、健康状態の改善に繋がるといわれています。

叩打法(こうだほう)

マッサージで行われる手技の1つで、軽く握った状態の拳や開いた手の平などで患部の体表面をリズミカルに軽打し、刺激を加えるマッサージ方法です。軽く握った拳の小指側で叩いて施術する「手拳叩打法」、手の平で叩打して施術する「手掌叩打法」、指を伸ばして小指側で物を切るように叩く「切打法」、手の平をくぼませた状態で叩く「拍打法」があります。さらに、手指の背側で叩いて施術する「指背叩打法」、指の先端で叩いて刺激を与える「指頭叩打法」、両手を合わせて小指側で叩く「合掌叩打法」、空気を包むようにして合わせた両手の一方の手背で叩いて施術する「含気叩打法」などがあります。このように、叩打法にはいろいろな種類があり、施術する部位や患部の状態によって使い分けるのです。 叩打法の主な効果は、神経や筋肉に刺激を与えてその機能を高めることだとされています。毛細血管を拡張させたり、筋肉を収縮させたり、さらに興奮状態にある神経を鎮静するような効果も期待できます。さらに、叩く強さや叩き方によって、内臓機能の調整なども可能となります。

 

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